自転車同士の事故への対応は?特徴や過失割合について解説! | 弁護士保険ステーション

自転車同士の事故への対応は?特徴や過失割合について解説!

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自転車同士の事故への対応は?特徴や過失割合について解説!

警察庁によれば、2021年の交通事故約30万5000件のうち約6万9000件(約23%)が自転車事故で、近年、交通事故において自転車事故の占める割合は、増加傾向にあります。
自転車は日常生活に欠かせない便利な移動手段で、通勤・通学のほか、健康のために利用している方も少なくないと思われますが、事故の加害者となれば、犯罪が成立して刑事事件化する可能性のほか、民事事件において損害賠償義務を負う可能性があり、被害者となった場合には、死亡したり後遺障害が残ったりするなどの重大な結果が生じかねません。
この記事では、自転車相互の事故の特徴や、過失割合、対応方法などについて解説します。

自転車相互の事故の特徴

出会い頭での事故が約半数を占める

自転車相互の事故の状況は、交差点などでの出会い頭による事故が約48%であるという特徴があり、これに次ぐ右折時の約14%・左折時の約12%と大きな差があります。
このように交差点付近での事故が多い原因としては、自転車運転中の法令違反が大きく影響しているとされます。
どのような事故が発生した原因となる法令違反のうち、占める割合が大きいものは、安全不確認(約19%)、交差点安全進行(約13%)、動静不注視(約11%)となっていることから、スマホを見ながら運転していた、スピードを落とさずに交差点に進入して急ブレーキが間に合わなかったなど、何気ない不注意が大きな事故につながってしまっているということができます。

賠償額が多額になる可能性がある

もう一つの自転車事故の特徴としては、自動車事故と比べて頭部などの身体への衝撃が大きく、死亡するリスクや大きなケガをする可能性が高く、その結果、加害者の損害賠償額が高額になることがあるという点が挙げられます(道路交通法では、児童・幼児のヘルメット着用が努力義務とされていますし、自治体によっては、条例で対象を拡大していることもあります)。
また、自動車事故の場合には、自動車損害賠償保障法(自賠責法)によって強制保険とされており、被害者への補償が確保されているのですが、自転車事故の場合、加害者が未成年であったり、無保険であるということが少なくなく、被害者が賠償を受けられないというケースも見受けられます(条例で自転車保険への加入が義務付けられている自治体も存在します)。
自転車の事故で多額の損害賠償が認められた事例をご紹介しますので、参考になさってください(自転車相互の事故だけでなく、自転車対歩行者の事故も含みます)。

事故の内容 賠償額 年月日
高校生が自転車で歩道から交差点進入し、女性(60歳)の運転する自転車に衝突して、転倒させた女性は、頭蓋骨骨折で病院に搬送され、9日後に死亡した 約3140万円 さいたま地裁2002年2月15日判決
男性が、片手で運転しながらスピードを落とすことなく下り坂を走行して交差点に進入し、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突した女性は、脳挫傷などを負い、3日後に死亡した 約6780万円 東京地裁2003年9月30日判決
男性が、信号表示を無視して交差点に高速度で進入し、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突した
女性は、頭蓋内損傷などを負い、11日後に死亡した
約5440万円 東京地方裁判所2007年4月11日判決
高校生が、自転車横断帯かなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、自転車で対向車線を直進してきた男性(24歳)と衝突した男性には、言語機能の喪失などの重大な障害が残った 約9265万円 東京地方裁判所2008年6月5日判決
小学生(11歳)が、自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において、歩行中の女性(62歳)と正面衝突した女性は、頭蓋骨骨折などを負い、意識が戻らない状態となった 約9520万円 神戸地方裁判所2013年7月4日判決
男性が、信号表示を無視して交差点を直進し、青信号で横断歩道を横断中の女性(75歳)に衝突した女性は、脳挫傷などを負い5日後に死亡した 約4745万円 東京地方裁判所2014年1月28日判決

自転車事故の過失割合は?

過失割合とは

自転車相互の事故が起きた場合で、被害者にも過失(不注意・落ち度)があるときにまで、加害者が損害のすべてを賠償しなければならないというのは、公平ではなく、被害者と加害者の過失割合を定めて、これに応じて各自が損害を負担するというのが、公平といえます。
このように、被害者にも過失がある場合に、損害の分配を決定するための割合を過失割合といい、これに従って加害者の負担する損害額を差し引くことを過失相殺といいます。
自転車事故の過失割合は、個別具体的な事案によって様々ではあるのですが、事故の類型ごとに、算定の基礎となる考え方がありますので、次の項目でご紹介します。

過失割合の具体例

自転車事故の過失割合は、大きく7つの類型に分けられています。
以下、それぞれの類型について、個別にご紹介します。

①進路変更による事故

前を走る自転車が進路変更したことにより、後ろの自転車と衝突する類型です。
この類型では、進路変更する際には後方を確認する義務がありますので、原則として、前を走る自転車の過失割合の方が大きくなるケースが多いです。

②追い抜き時の事故

後ろの自転車が、前を走る自転車を追い抜く際に、前の自転車に衝突する類型です。
基本的には、後ろの自転車の過失割合の方が大きくなる傾向にありますが、前の自転車が急に進路変更していたようなときには、前の自転車の過失割合が増えるなど、過失割合を決めるに当たっては、前の自転車の動きが重要となります。
また、前の自転車が二人乗りしていたなどの違反をしていたような場合にも、前の自転車の過失割合が増えることとなります。

③対向する自転車相互の事故

対向して走行する自転車相互が、正面衝突する事故の類型です。
このケースでは、原則として過失割合は50:50からスタートし、一方に急な進路変更や、無灯火・スピードの出し過ぎ・二人乗りなどの違反があったときには、過失割合を増減させて修正するという算定の方法がとられます。

④一時停止のある交差点での事故

一時停止のある交差点で衝突する事故の類型です。
この場合、一時停止側の自転車の過失割合の方が大きくなるのが原則です。

⑤交差点で右左折する際(出会い頭)の事故

自転車事故で最も多い出会い頭の事故で、交差点で右左折する自転車が衝突する事故の類型です。
交差点を右左折するときには、徐行して交差点に進入するなどの安全確認が求められるため、直進自転車よりも過失が重くなる傾向にあります。
このほか、事故の起きた交差点の見通しの良し悪しも考慮されたうえで、過失割合が決定されます。

⑥交差点を直進する自転車相互の事故

交差点を直進する自転車相互が衝突する事故の類型です。
この場合、過失割合は50:50からスタートするのが原則ですが、交差点の見通しの良し悪しのほか、信号を守っていたか、カーブミラーを確認していたかなどを踏まえ、修正が行われます。

⑦道路へ進入する際の事故

車道や歩道に進入した自転車による事故の類型です。
原則として、進入した自転車の過失割合の方が重くなりますが、現場の状況やそれぞれの自転車の動きを踏まえて、適宜修正が行われます。

自転車事故への対応方法と示談・慰謝料

自転車事故が起きたときの対応

自転車は、道交法上の「軽車両」に当たりますので、事故が起きた場合には、加害者・被害者ともに、警察への報告義務があります。
これに加えて、負傷者などの状況によっては、救急車を手配することも必要です。
警察によって交通事故としての処理をしてもらうことができれば、「交通事故証明書」という書類の交付を受けることができます。
警察に報告せずに当事者間で話し合って示談をするなどすれば、後遺症が出た場合に加害者の責任を追及することが難しくなったり、交通事故証明書がないことにより、保険会社への保険金請求ができなくなったりしてしまいますので、事故が起きたときには、必ず、警察に報告しましょう。

示談や損害賠償はどうなる?

自転車相互の事故の場合、相手が児童などの未成年者である、保険に加入していないなどの可能性があり、示談金や慰謝料を支払ってもらえないのではないかとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
しかし、自転車相互の事故であっても、自動車の場合と同じで、相手と示談交渉を行ったり、訴訟で損害賠償を請求することが可能です。
相手に請求できる費目としては、治療費、(病院での治療のための)通院交通費、休業損害、(死亡・後遺障害による)逸失利益、(入通院・死亡・後遺障害についての)慰謝料などがあります。
以下、相手によって異なる点がありますので、区別してお伝えします。

相手が保険に加入しているケース

相手が保険に加入している場合には、相手の保険会社との間で示談交渉を行うことになります。
しかし、保険会社はあくまでも相手側の立場ですし、保険金支払いを少なくしようとするのが通常ですので、提示された慰謝料に納得できなことも少なくありません。
このような場合、弁護士が付けば、それだけで慰謝料の算定に用いる表が切り替えられ(任意基準から裁判基準への切り替え)、金額が増加することがほとんどです。
そのため、保険会社と示談交渉を行う際には、弁護士を付けることをお勧めします。

相手が無保険のケース

相手が無保険の場合、相手と直接示談交渉を行わなければなりません。
保険会社と異なり、相手から示談金額を提示することは少ないですので、自分で各費目についての金額を算定し、相手に提示する必要があります。
当事者間で直接やり取りをすれば、更なるトラブルに発展する可能性がありますし、適正な条件での示談が見込めないといった可能性もありますので、示談交渉は弁護士に任せることが望ましいといえます(相手が先に弁護士を立てるということも考えられます)。

相手が未成年者のケース

相手が未成年者の場合、未成年者と示談を合意することはできませんし、未成年者に責任能力があっても資力がありませんので、親権者などの法定代理人と示談交渉を行うことがほとんどです。
通常の示談交渉に加えて、法定代理人に監督義務違反があったかについても争われることが多いですので、この場合も、弁護士への依頼が望ましいでしょう。

自転車事故を起こさないために必要なこと

安全のためのルールを守る

自分が加害者にも被害者にもならないようにするため、自転車を運転するときは、安全のためのルールを守ることが必要です。
警察庁では、自転車を安全に利用するためのルールとして、「自転車安全利用五則」が定められています。

①自転車は、車道が原則、歩道は例外
②車道は左側を通行
③歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
④安全ルールを守る・飲酒運転・二人乗り・並進の禁止、夜間はライトを点灯、交差点での信号遵守と一時停止・安全確認など
⑤子どもはヘルメットを着用

これ以外にも、「ながら運転」を行わないなど、自転車の利用者一人一人がルールを守ることが必要です。

違反には罰則を受けることもある

自転車事故の増加傾向を受けて、違反に対する罰則も厳罰化の傾向にあります。
たとえば、自転車の路側帯通行は道路左側に限定されており、これに違反して右側にある路側帯を通行した場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。
また、基準に適合したブレーキを備えていない場合には、 警察官が、自転車を停止させて検査を行い、運転の禁止を命令でき、この停止や命令に従わなければ、5万円以下の罰金が科されます。
罰則が科されれば前科が付くことにもなりますので、自転車は、法令・ルールを守って正しく利用し、悲惨な事故のない交通社会を実現しましょう。

まとめ

自転車相互の事故は、交通事故の中で占める割合が増加傾向にある一方で、当事者が年少者などの未成年である割合が高いこと、加害者が無保険であるため賠償を受けられないケースがあること、過失割合についても自動車事故とは別途の考慮が必要な場合があることなどの特徴があります。
実際に発生した事故と裁判例を比較して、適正な示談を行ったり損害賠償額を算定するなど、解決のためには専門的な知識が必要ですので、自転車での事故の当事者となってしまった場合には、交通事故事件に精通した弁護士へのご相談・ご依頼をお勧めします。

この記事を書いた人

bengoshi-h
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