YouTuberの動画投稿をきっかけとした「個人情報流出トラブル」の事例と対処法
2023年05月19日
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YouTuberとして収入を得ている場合「個人情報が特定されて、暴露系YouTuberに漏えいされそう」とトラブルに巻き込まれそうな方、「『身バレ』が怖いけど対処法や法的措置には何があるの?」と疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。
個人情報とは、氏名・生年月日などを特定の個人を識別できるものです。住所や電話番号など氏名などと合わせると個人が特定できるようになる情報も含まれます。
YouTuberの個人情報は、動画に郵便物や宅急便など住所が記載されたものが映り込んでいた、窓に映っている建物からGoogleストリートビューで住所が特定されバラされるなどの事例があります。
本記事では個人情報と個人情報保護法、YouTuberの個人情報漏えい・特定7つの事例、対処法について解説していきます。
記事の要約
- YouTuberの動画投稿をきっかけとした個人情報流出トラブルは、近年増加傾向にある。
- 動画投稿前に個人情報が映っていないか確認することが重要。
- 個人情報が映ってしまった場合は、動画を削除し、警察に被害届を提出する。
個人情報って何?事務所所属のYouTuberが知っておきたい個人情報保護法とは?
まず「個人情報」とは一体何を指すのかを知っておきましょう。
個人情報保護法において「個人情報」とは、「生存する個人に関する情報で、氏名、生年月日・その他の記録(文書・図画もしくは電磁的記録)に記載もしくは記録され特定の個人を識別することができるもの」を指します。他の情報と容易に照合することができ、特定の個人を識別することができるものも含まれます。
例えば、生年月日や電話番号だけで特定の個人を識別することは難しいでしょう。しかし氏名・住所などと組み合わせると個人を識別できるため、個人情報に該当する可能性があります。
また、メールアドレスについてもユーザー名やドメイン名から特定の個人を識別することができる場合は、「個人情報」に該当します。
他には個人識別符号(指紋・DNA・顔の骨格などの身体の特徴データや、マイナンバー・パスポート・運転免許証の番号など、個々人に対して割り当てられる公的な番号)も個人情報です。
出典 政府広報オンライン「『個人情報保護法』をわかりやすく解説個人情報の取扱いルールとは?」
個人情報保護法って何?事務所に所属しているYouTuberは要チェック
個人情報保護法は個人情報の有用性と個人の権利・利益の保護を両立させる事を目的として2003年に制定され、2005年に施行されました。個人情報を取り扱う全ての事業者が個人情報保護法の対象です。
例えば事務所に所属するYouTuberが事務所の監督下で撮影し、個人情報の取り扱いに問題があった事で情報が漏えいした際には、事務所は個人情報保護法違反である可能性があります。
個人情報保護法これまで3度の大きな見直しが行われ、2022年にも改正されています。
2022年の主な改正点は以下の通りです。
2.漏えいなどが発生した場合の個人情報保護委員会への報告・本人通知の義務化
3.仮名加工情報(他の情報と照らし合わさない限り、特定の個人を識別できないように個人情報を加工して得られる情報)についての制度を創設
4.不適正な方法により個人情報を利用してはならない旨を明確化
5.データの提供先において個人データとなることが想定される「個人関連情報」について、第三者提供にあたっての本人同意が得られていることなどの確認を義務付け
個人で活動しているYouTuberにとって個人情報保護法は適用対象外です。
「YouTuberとは言っても個人情報は出していない」という方は多いでしょう。しかし個人の「特定」をする人たちにより「身バレ」してしまう可能性があります。
具体的な「身バレ」事例を見ていきましょう。
YouTuberの個人情報漏えい・特定7つの事例
- 本名で活動している
- 店舗のレシート・惣菜などのパック
- 郵便物や宅配便
- 窓に映っている建物・部屋の間取り・日当たりなど
- 屋外の撮影場所からの身バレ
- 発言が個人情報特定につながってしまう
- 制服・ジャージなど
1.本名で活動している
本名で活動している場合、FaceBookや卒業アルバムなどから他の個人情報(顔写真・住所など)に紐付き漏えいしてしまうリスクがあります。
会社のインタビューや受賞歴などで過去にネット記事に掲載されたものが残っており、特定に繋がってしまう事もあります。
本名での活動はリスクが高い事を把握しておきましょう。
2.店舗のレシート・惣菜などのパック
近所のスーパーやコンビニで食べ物や日用品などを購入した際には、動画撮影で購入した惣菜などのパックやレシートが写り込まないよう気をつけましょう。
レシートやパックには店名と住所が記載されています。
旅行先などめったに行かない場所であれば問題ありませんが、頻繁に行く店舗の場合は他の個人情報と紐付け自宅を特定されてしまう恐れがあります。
3.郵便物や宅配便
動画に郵便物や宅配便が映っており、記載された住所が視聴者に見えてしまう事例があります。
4.窓に映っている建物・部屋の間取り・日当たりなど
自宅で撮影をしているYouTuberは、窓に映っている近隣の建物から自宅を特定されてしまう事例が多いです。「窓の外に○○会社の支店の看板が見える」という情報からインターネットで住所を特定される、Googleストリートビューでマンション・アパートを特定されるなどのリスクがあります。
マンション・アパートなどの集合住宅では、間取りや日光の入り方によって「以前この部屋に住んでいた」「友人のマンションと間取りが同じ」という視聴者の情報から住所を特定されてしまう事もあります。
5.屋外の撮影場所からの身バレ
撮影に近所の公園やレジャースポットを利用している場合、住所が特定されてしまう可能性があります。
特に同じ場所を複数回に渡り撮影場所として使用すると、「近所に住んでいるのでは」と身バレのリスクが高くなりますので注意しましょう。
6.発言が個人情報特定につながってしまう
自分では大丈夫と思っていても、発言が個人の特定につながってしまう事もあります。
「以前は○○市に住んでいて、現在は▲▲市に住んでいる」
「××高校出身でサッカー部だった」など、発言し過去に関わった人や「特定班」(個人情報を特定する人々)にバレてしまう可能性があります。
また、特定の地域にしか売っていない銘菓やグッズなどを購入し、動画に上げると「住所バレ」のリスクが高くなってしまいます。
7.制服・ジャージなど
学生は制服・ジャージ・学校指定のカバンなどにより、学校が特定されてしまう事例があります。
個人情報漏えい・特定は犯罪になる?4つの対処法
例えば個人情報が特定され、暴露動画で漏えいされた場合にはプライバシー侵害にあたる可能性が高いでしょう。個人情報流出の経緯や詳細によっては、民法上では損害賠償の請求ができるかもしれません。
刑法上では名誉毀損罪に該当する可能性があります。名誉毀損罪とは、刑法230条「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する」という条文に基づくものです。
個人情報が漏えいしないように、自分でできる対処法と法的な対処法を解説していきます。
1.個人が特定されるような情報を発信しない
動画を撮影する際には、プライベートな情報や個人が特定されてしまう情報は発言しない、映り込まないように注意しましょう。
1つ1つは些細な情報でも、続けて動画を閲覧した視聴者に情報を紐付けられると身バレしてしまう可能性があります。
自宅の中でも窓のない部屋で撮影する、無機質なレイアウトの部屋で配信するなどの工夫をしているYouTuberも存在します。
2.声だけの出演やバーチャルキャラクターの活用
自分を動画に登場させるのではなく、声だけ出演するYouTuberやバーチャルキャラクターを使う配信者(VTuber)が増えています。
個人情報の露出を最低限に控えた配信が可能となります。ただし、動画の内容によってはインパクト不足で視聴者数が稼げないというデメリットもあります。
3.情報開示を求め、相手を特定する
利用規約によるとYouTubeは Google LLCが提供しており、サービスの利用にあたっては、規約・YouTube コミュニティガイドライン・ポリシー、セキュリティ・著作権のポリシーが適用されます。
個人情報漏えいや特定行為によって「損害賠償を請求したい」「相手が誰か知りたい」といったケースでは、プロバイダ責任制限法を基にコンテンツプロバイダであるGoogle LLCに暴露動画をアップした人の「発信者開示請求」をします。
プロバイダ責任制限法はインターネットの権利侵害についてより円滑に被害者救済を図るため、2022年10月に改正されました。
以前は権利侵害をした発信者を特定するために、SNS事業者からの開示と通信事業者からの開示という2回の裁判手続きが必要でしたが、1つの手続きで開示が可能になる制度が創設されました。
出典 総務省「プロバイダ責任制限法の一部を改正する法律(概要)」
4.弁護士に相談
「特定班」による暴露や個人情報漏えいなどのトラブルに巻き込まれた時には、ネットの問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。
法律の知識や経験に基づいた対処法や手続きを教えてもらえるでしょう。
トラブルに巻き込まれたら早めに弁護士に相談を
「暴露系YouTuberに動画内で住所や氏名を公開されてしまった」「コメント欄に個人情報を書き込まれた」などトラブルに巻き込まれた際には早めに弁護士へ相談してみましょう。
SNSを中心にインターネットは情報拡散が早く、スクリーンショットなどを撮られ「デジタルタトゥー」になってしまう恐れがあります。被害を最小限にとどめるためにも、ネットトラブルに強い弁護士への相談、弁護士保険への加入を検討しましょう。
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