相続トラブルを防ぐ養子縁組の基礎知識とデメリット|事例と対処法を解説
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元行政書士のフリーライター。
行政書士・土地家屋調査士の補助者を約10年務めたのち、行政書士として独立。
相続・遺言や農地関係、建設業許可などの業務に携わる。
現在はフリーライターとして、相続・遺言、離婚、不動産関連の記事や資格予備校のコラムなど、日々積極的に執筆活動を行っている。
「誰が読んでもわかる記事」を常に心がけている。
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「養子縁組は相続トラブルのもとになる?」
「将来相続トラブルが起きないよう養子縁組するにはどうすればいい?」
養子縁組を検討しているものの、将来の相続トラブルを懸念している方も多いのではないでしょうか。
養子縁組をすると、養子は養親の財産を相続する権利を得ます。
再婚家庭で配偶者の連れ子に相続権を与えたり、相続税の基礎控除額を増やして節税したりといった目的で活用されることが多い制度です。
しかし、家族に説明せずに養子縁組を進めてしまうと、相続発生後に実子と養子の間でトラブルになるおそれがあります。
そのため家族への事前の説明や弁護士への相談、弁護士保険などで事前に備えておくのがおすすめです。
本記事では、相続トラブルを防ぐ養子縁組の基礎知識やデメリット、対処法について解説します。
最後まで読むことで、損をしない相続税対策や相続トラブルの回避方法がわかるでしょう。
記事の要約
- 養子縁組をすると相続税の基礎控除額が増えるため節税につながる
- 養子が加わると実子の相続分が減るためトラブルになりやすい
- 事前に家族と話し合い、遺言書を作成して相続分を明確にすることが重要
- 弁護士保険に加入すれば、トラブル時の弁護士費用を軽減できる
相続と養子縁組の基本知識
養子縁組を行うと法律上の親子関係が成立し、養子は養親の財産を受け継ぐ権利を得ます。
そのため親族以外の人物にも財産を残せる手段として活用されており、再婚家庭や事業継承の場面で選ばれることが多いです。
ただし、養子縁組には普通養子縁組・特別養子縁組の2種類があり、成立方法や実親との親子関係、相続権などさまざまな違いがあります。
そのため制度の違いをよく理解し、目的に合った方法を選ぶことが重要です。
ここでは、普通養子縁組と特別養子縁組の違いや養子縁組による相続権、相続税における養子の取り扱いや控除について解説します。
養子縁組とは?普通養子縁組と特別養子縁組の違い
養子縁組とは、血縁関係がない者同士が法律上の親子になる制度です。
養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」があります。
多くの点が異なりますが、
戸籍上でも、普通養子縁組をすると実親の氏名が記載されますが、特別養子縁組の場合は実親との法律上のつながりがなくなり、養親の実子として続柄が記載されます。
以下の表は、普通養子縁組と特別養子縁組の主な違いをまとめたものです。
| 比較項目 | 普通養子縁組 | 特別養子縁組 |
|---|---|---|
| 成立方法 | 養親・養子本人の合意 ※養子が15歳以上なら自分で合意でき、15歳未満なら法定代理人が代わりに承諾する ※養子が未成年なら家庭裁判所の許可が必要 |
家庭裁判所の決定 ※原則実父母の同意が必要 |
| 実親との親子関係 | 縁組後も継続する | 縁組によって終了する |
| 相続権 | 養親・実親両方の法定相続人になる | 養親の法定相続人になる |
| 養親の要件 | 成人であること | 夫婦の一方が25歳以上、他方が20歳以上の夫婦であること |
| 養子の要件 | ・養親の尊属でないこと ・養親より年上でないこと ※尊属:上の世代の血族 |
申立時に原則15歳未満であること |
| 戸籍上の記載 | 実親の氏名が記載され、養親の養子または養女と表記される | 実親の氏名は記載されず、養親の長男・長女などと表記される |
| 縁組の解消 | 養親・養子の合意があれば離縁可能 | 原則として離縁できない ※養子の利益を著しく害する特別な事情がある場合のみ家庭裁判所の審判で離縁可能 |
| 相続税の計算上の取り扱い | 被相続人に実子がいる場合は1人まで、いなければ2人まで法定相続人の数に含まれる | 実子として扱われるため、法定相続人の数の制限を受けない |
養子の相続権や相続税の計算方法については、次項以降で詳しく解説します。
養子縁組による相続権について
養子は養子縁組が成立した時点で、実子と同じ順位(第1順位)の相続権を獲得します。
例えば被相続人に配偶者がいる場合、配偶者が相続財産の2分の1を取得し、残りの2分の1を子ども全員で均等に分けます。
この「子ども全員」には実子も養子も同じように含まれ、それぞれの相続分に差はありません。
そのため、配偶者と子ども2人(実子1人+養子1人)が相続人になるときは、実子も養子も全体の4分の1を取得します。
なお、普通養子縁組は縁組後も実親との親子関係が続くため、養親だけでなく実親の財産も引き継がれます。
ただし特別養子縁組をした場合は実親との親子関係が消滅するため、実親が亡くなっても相続権は発生しません。
相続税における養子の取り扱いと控除について
相続税は、相続財産から債務や葬式費用などを差し引いて残った金額が、「基礎控除額」を上回る際にかかる税金です。
基礎控除額は、3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)で求めます。
養子は普通養子縁組・特別養子縁組にかかわらず法定相続人の数に含められるため、養子を迎えるとその分法定相続人の数が増え、基礎控除額が養子1人につき600万円上乗せされます。
ただし、普通養子縁組の場合、相続税の計算で法定相続人に含められる養子の数には上限がある点に注意が必要です。
- 実子あり:1人まで
- 実子なし:2人まで
例えば実子が1人・養子が2人いるケースなら、養子は1人分しか基礎控除の計算に反映されません。
そのため、法定相続人の数は実子1人+養子1人=合計2人として計算します。
この場合、相続財産から債務や葬式費用を引いた金額が4,200万円を超えていると相続税がかかります。
なお、特別養子縁組の場合は養子でも実子として扱われるため、法定相続人の数に上限はありません。
養子縁組で起こりやすい相続トラブルとは
養子縁組には、再婚相手の連れ子に相続権を与えたり相続税対策になったりとさまざまなメリットがありますが、トラブルのきっかけになることもあります。
ここでは、養子縁組でよくあるトラブルと、実際にあったトラブル事例を紹介します。
よくあるトラブルは?
養子縁組で起こりやすいトラブルには、例えば以下のものがあります。
養子が加わることで法定相続人の数が増え、実子1人あたりの相続分が必然的に減少します。例えば、実子2人だけなら相続分は2分の1ずつですが、養子が1人加わって法定相続人が3人になると、相続分は3分の1ずつになります。
認知症が進行した親が養子縁組をしていた場合、実子が「縁組当時、親には意思能力がなかった」と主張し無効を求めるケースがあります。意思能力がなかったことを実子が証明した場合、原則として養子縁組は無効になります。
子どもの配偶者や再婚相手の連れ子を養子にしたあと、離婚しても養子縁組は自動的に解消されません。離縁届を提出しない限り相続権は消滅しないため、そのままにしておくと相続発生時にトラブルになるおそれがあります。
被相続人(養親)が遺言で養子に多くの財産を残した場合、実子が養子に対して遺留分侵害額を請求する可能性があります。養子と実子の間で金銭的な請求が発生し、関係が悪化するケースも少なくありません。
このようなトラブルを防ぐためには、事前に専門家に相談し、家族に説明したり遺言書を作成したりといった対策が必要です。
なお、「遺留分」とは、兄弟姉妹以外の相続人に保証される最低限の取り分のことをいいます。
遺留分を侵害された相続人は、財産を多く受け取った人に対して遺留分に相当する金額を請求する「遺留分侵害額請求」が可能です。
実際にあった相続×養子縁組トラブル事例
ここでは、実際に裁判で争われた養子縁組と相続のトラブル事例を紹介します。
同様の状況を避けるための参考にしてください。
相続税対策目的の養子縁組
「孫と養子縁組すれば相続税の基礎控除額が増えて節税になる」と聞いたAさんは、長男の息子である孫を養子にしました。
しかしAさんが死亡したあと、長女・次女は養子縁組が節税のためだけに行われたもので、真に親子になる意思がなかったとして無効を主張。
訴訟は控訴審まで進み、控訴審では長女・次女の主張が認められましたが、最高裁は以下のことから控訴審での「専ら節税目的の養子縁組は縁組意思を欠くため無効」との判決を覆しました。(平成29年1月31日 最高裁判所判決)
- 相続税の節税という動機と、養子縁組をする意思は両立できる
- たとえ節税目的でも、それだけで「縁組の意思がない」とは言えない
- 本件では養親と養子の間に親子関係を作る意思があり、縁組意思がないとする事情は見当たらない
- したがって、養子縁組は有効である
隣人による財産目的の養子縁組
Bさんは、自分の長女と高齢で身寄りのないAさんを養子縁組させました。
AさんとBさんは隣人としての付き合いはありましたが、Aさんと長女には全く交流がなく、縁組後も親子としての関係は築かれませんでした。
Aさんが死亡した翌日、長女はAさんの貯金を解約し現金を取得。
その他の遺産についても、速やかに相続手続きを進めました。
裁判所は「専ら身寄りのない高齢者の財産を相続させることのみを目的として行われたものであり、親子としての人間関係を築く意思がなかった」として、Aさんと長女の縁組を無効と判断しています。(平成21年5月15日 大阪高等裁判所判決)
認知症の養親による養子縁組
Aさんは、病院で知り合ったBさんを養子にしました。
Aさんの退院後、BさんはAさんの自宅で暮らし始め、わずか2カ月後に養子縁組の届出をしています。
4カ月にも満たない同居期間中、BさんがAさんを監護したり日常の世話をしたりする様子はありませんでした。
Aさんが再入院を必要とするほど重篤な状態になったときも適切な対応をせず、Aさんの資産で高級外車を購入するなどの散財行為を繰り返し、Aさんの死後も親子としての行動は見られませんでした。
一方Aさんは認知症の疑いがあり、縁組の際には判断能力が著しく減退した状態だったことが認められています。
Bさんとの養子縁組は、Aさんの相続人である親族への反発感情から、相続を阻止する目的で行ったと考えられます。
裁判所は「親子という真の身分関係を形成する意思とは異なり、相続を阻止するための方便として養子縁組を利用したにすぎない」として養子縁組を無効としました。(平成22年4月15日 名古屋高等裁判所判決)
養子縁組のデメリットと注意すべきポイント
養子縁組には相続税を節税できるなどのメリットがある一方で、親族間のトラブルや思わぬ税負担の増加といったデメリットも存在します。
相続税対策として養子縁組を検討する場合は、以下のデメリットや注意点を十分に理解しておきましょう。
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 孫を養子にすると相続税が2割加算される | 孫を養子にした場合、孫が納める相続税が通常の2割増しになる。この加算によって、たいして節税効果を得られないケースもある。 |
| 配偶者の税額軽減で総額が増える場合がある | 法定相続人が増えると配偶者の法定相続分が減るため、配偶者の税額軽減の適用額が減り、全体的に相続税が増える場合がある。 |
| 税務署に否認されるおそれがある | 相続税の節税のみを目的とした養子縁組は「税法上は法定相続人の数に含めない」と判断される可能性があり、否認されると追徴税や加算税が課される。 |
| 相続順位が変わって相続できなくなる人が出てくる | 実子がいない場合、養子縁組によって養子が第1順位の相続人になる。そのため本来相続するはずだった親や兄弟姉妹が相続できなくなる。 |
| 一度養子縁組をすると簡単に解消できない | 普通養子縁組であれば双方の合意で離縁できる。(特別養子縁組は原則離縁できない)しかし一方が拒否しているときは、家庭裁判所での調停や裁判が必要になる。 |
節税目的で養子縁組を検討している場合は、税理士に試算を依頼し本当に節税になるかどうかを確認しましょう。
また、養子縁組によって相続権を失う親族には、前もって説明しておくことが重要です。
養子縁組は、法律上の親子関係を作る重要な選択肢です。
メリットだけでなく上記のようなデメリットや注意点も把握し、必要に応じて弁護士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
相続トラブルを防ぐ対策例を紹介
相続トラブルを防ぐ対策には、以下のようなものがあります。
- 遺言書を活用した相続分の明確化
- 生前贈与や話し合いによるトラブル回避
- 弁護士への早期相談でできるリスク予防
養子縁組による相続トラブルは、事前の準備や対策によって回避できます。
特に重要なのは、養子縁組をする前に家族全員に説明し理解を得ることです。
そのほか、遺言書の作成や生前贈与の活用、専門家への相談といった対策を行えば、相続発生後のトラブルリスクを大きく減らせるでしょう。
ここでは、養子縁組による相続トラブルを防ぐための対策例を紹介します。
遺言書を活用した相続分の明確化
遺言書を作成しておくと養子を含む各相続人の相続分を明確にでき、相続トラブルを回避しやすくなります。
遺言書がない場合、法定相続分を基準に遺産分割協議を行うのが一般的です。
養子が加わると実子の相続分が減るため相続人同士でもめる可能性がありますが、遺言書で「誰に何を相続させるか」を指定し遺言に対する思いを記載しておけば、実子が納得しやすくなるでしょう。
注意点は、「全ての財産を養子に相続する」というような、偏った内容の遺言書にしないことです。
遺言書の内容が不公平だと、トラブルになったり遺留分を侵害された相続人が遺留分侵害額請求をしたりする可能性があるため、各相続人の遺留分を侵害しないようにしましょう。
なお、遺言書には「自筆証書遺言」や「公正証書遺言」などの種類があり、おすすめなのは公正証書遺言です。
| 公正証書遺言 | 公証役場の公証人が作成する遺言書。形式不備で無効になるリスクがなく、原本が公証役場に保管されるため紛失や改ざんの心配もない。 |
|---|---|
| 自筆証書遺言 | 自分で本文を手書きする遺言書。費用はかからないが、ルールに則って作成する必要があり、形式不備で無効になるリスクがある。 |
良かれと思って作成した遺言書が、トラブルのきっかけになることもあり得ます。
そのため遺言書は、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家に相談しながら作成するのがよいでしょう。
生前贈与や話し合いによるトラブル回避
養子縁組前に家族全員で話し合うことがもっとも重要なトラブル予防策です。
実子や親族に説明せず養子縁組を進めると、相続発生後に養子の存在を知った実子や親族が養子縁組の無効を主張したり、遺産分割協議が長期化したりする可能性があります。
そのため、養子縁組をする旨や目的を事前にきちんと説明し、家族の理解を得ておきましょう。
また、生前贈与を活用することでトラブルを回避できる場合もあります。
生前贈与には、以下のようなメリットがあります。
- 養子縁組をせずとも、生前に財産を渡せる
- 贈与税の非課税枠(年間110万円まで)を活用できる
- 相続税の課税対象額を減らせる
ただし、相続開始前の一定期間内に行った贈与は相続財産に加算されます。
加算期間は従来3年でしたが、令和6年以降は段階的に延長され、令和13年以降は7年になります。
そのため、生前贈与を行うなら早めの対応が必要です。
そのほか、生命保険を活用して相続税の納税資金を確保し、相続トラブルを防ぐ方法もあります。
養子が増えると「500万円×法定相続人の数」の生命保険金非課税枠も増えるため、節税効果が高まります。
受取人を指定すれば特定の相続人に確実に現金を残せるため、遺留分侵害額請求への備えとしても有効です。
ただし、実子やほかの相続人への配慮を欠くとトラブルの原因になるため、生前贈与や生命保険を活用する際は、バランスを考えて行いましょう。
弁護士への早期相談でできるリスク予防
養子縁組による相続トラブルを防ぐためには、弁護士への早期相談が重要です。
弁護士に相談することで、以下のようなリスクを予防できます。
- 養子縁組の無効を主張されるリスク
- 遺留分侵害額請求をされるリスク
- 親族間で対立するリスク
- 税務署に否認されるリスク
例えば認知症が疑われる親の養子縁組では、後日「縁組当時に意思能力がなかった」と主張されることがあります。
弁護士に相談すれば、診断書の取得に関するアドバイスや本人が養子縁組について説明している映像の用意など、縁組時の意思能力を証明できるようサポートしてくれるでしょう。
また、各相続人の遺留分を侵害しないよう、遺言書の作成やチェックも依頼できます。
そのほか、家族会議に同席して養子縁組の仕組みや相続への影響を説明してもらったり、税理士と連携して税務署に否認されないようアドバイスしてもらったりすることも可能です。
相続トラブルの備えにもなる「弁護士保険」とは?
相続トラブルに備えるなら、弁護士保険の加入を検討するのがおすすめです。
ここでは、弁護士保険の概要や相続問題で使えるシーン、弁護士費用、弁護士保険の選び方を解説します。
弁護士保険とは?相続問題で使えるシーン
弁護士保険とは、法的トラブルが発生したときにかかった弁護士費用を補償してくれる保険です。
弁護士保険に加入していれば、日常生活で起こり得るさまざまな法的トラブルに備えられます。
弁護士保険には、大きく分けて「偶発事故」と「一般事件」の2つの補償対象があります。
| 偶発事故 | 交通事故や傷害事件など、偶然かつ突発的に発生した事故のこと |
|---|---|
| 一般事件 | 相続トラブルや離婚、近隣トラブル、労働問題など、偶発事故以外の法的トラブルのこと |
相続問題は上記のうち「一般事件」に該当し、例えば以下のシーンで弁護士保険を利用できます。
- 遺産分割協議でもめたとき
- 遺留分侵害額請求するとき・されたとき
- 養子縁組の無効を主張するとき・されたとき
- 遺言書の有効・無効を争うとき
弁護士保険に加入していれば、このようなトラブルが発生した際の弁護士費用が補償されます。
そのため、金銭的な不安なく弁護士への相談・依頼が可能です。
相続・養子縁組トラブルで弁護士に依頼すると費用はいくら?
例えば遺産分割協議の際に実子と養子がトラブルになり、弁護士に対応を依頼した場合、以下のような費用がかかります。
| 費用項目 | 相場 |
|---|---|
| 法律相談料 |
30分あたり5,000円〜1万円 ※初回無料の事務所もあり |
| 着手金 | 20万円〜30万円 |
| 報酬金 | 済的利益の金額によって変動する |
| 日当 | ・半日:3万円〜5万円 1日:5万円〜10万円 |
| 実費 | 数千円 |
なお、報酬金については、現在は廃止されている「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」を参考にしている事務所も多く存在します。
| 経済的利益の額 | 料率 |
|---|---|
| 300万円以下 | 16% |
| 300万円超3,000万円以下 | 10%+18万円 |
| 3,000万円超3億円以下 | 6%+138万円 |
| 3億円超 | 4%+738万円 |
具体的な費用例を見てみましょう。
以下は、弁護士保険に加入している場合としていない場合の費用を比較した一例です。
実際にかかる費用は、トラブルの内容や依頼する法律事務所によって異なります。
遺産分割協議がまとまらなかったため弁護士に依頼し、相手と交渉してもらった結果1,000万円の遺産を相続したケース
・実際にかかった弁護士費用:150万円
・弁護士保険に加入していた場合の自己負担額:29万8,000円
※法律相談料100%・その他の費用が80%補償されるプランに加入していた場合
| 費用項目 | 実際にかかった弁護士費用 | 弁護士保険に加入していた場合の自己負担額 |
|---|---|---|
| 法律相談料 | 1万円 | 0円 |
| 着手金 | 20万円 | 4万円 |
| 報酬金 | 118万円 | 23万6,000円 |
| 日当 | 10万円 | 2万円 |
| 実費 | 1万円 | 2,000円 |
| 合計 | 150万円 | 29万8,000円 |
上記の例では、弁護士保険に加入していたことで自己負担額を100万円以上軽減できています。
弁護士保険には月々数千円程度で加入できるため、費用対効果は非常に大きいといえるでしょう。
弁護士保険があると安心な理由と選び方
費用が高額になることを恐れて、弁護士への相談をためらう人は少なくありません。
しかし弁護士保険に加入していると、費用を気にせず早期に弁護士に相談できるためトラブルの深刻化を防げます。
また、相続した財産以上の費用がかかるリスクを回避できるのも弁護士保険の魅力です。
例えば、弁護士に依頼したことで100万円の遺産を取得できても、弁護士費用がそれ以上かかった場合は費用倒れになってしまいます。
弁護士保険で自己負担額を抑えられれば、費用倒れになるリスクを大幅に減らせるでしょう。
そのほか、選択できる解決方法が増える点も弁護士保険があると安心な理由のひとつです。
費用の心配がなければ、交渉だけでなく調停や訴訟といった高額になりやすい手続きも選択肢に入れられます。
弁護士保険を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
| 待機期間・不担保期間 | 契約後一定期間は補償されない待機期間・不担保期間が設定されていることが多く、相続トラブルの場合は不担保期間が1〜3年程度設定されていることが一般的。事前に確認が必要。 |
|---|---|
| 補償割合・限度額 | 選択する商品によって、着手金や報酬金の補償割合、限度額が異なる。補償割合は50〜90%、限度額は費用項目ごとや1事案ごとに設定されている。 |
| トラブルの補償範囲 | 相続トラブル以外にも、離婚や近隣トラブル、労働問題など、どのようなトラブルが補償対象になるかを事前に確認しておく。 |
| 弁護士の選び方 | 中には保険会社が紹介する弁護士しか対象にならない商品もあるため、提携弁護士しか補償されないのか自分で選んだ弁護士でも補償されるのかを確認する。 |
養子縁組による相続トラブルに備えて、弁護士保険への加入を検討するのもひとつの方法です。
実子や養子など、相続人になる可能性のある方が加入しておけば、将来的にトラブルが発生した際も費用の心配なく弁護士に相談できます。
まとめ
相続トラブルを防ぐ養子縁組の基礎知識やデメリット、対処法について解説しました。
養子縁組をすると、養子は養親の実子と同順位の相続権を獲得します。
また、養子を迎えれば相続税の基礎控除額が1人あたり600万円増えるため、相続税対策としても有効です。
ただし、養子が加わることで実子の相続分が減少したり、相続順位が変わって本来相続するはずだった親族が相続できなくなるデメリットもあります。
そのため、養子縁組を検討している場合は事前に家族全員で話し合い、理解を得ておきましょう。
そのほか、遺言書の作成や弁護士への相談、将来の相続トラブルに備え、実子や養子が弁護士保険に加入しておくことも重要です。
相続と養子縁組に関するよくあるご質問
養子縁組をすると相続税の節税になりますか?
養子縁組をすると法定相続人の数が増え、基礎控除額が1人あたり600万円上乗せされるため節税につながります。
ただし普通養子縁組の場合、実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人までしか基礎控除の計算に含められません。
養子と実子の相続分に違いはありますか?
養子は養子縁組が成立した時点で実子と同じ順位の相続権を獲得するため、相続分に差はありません。
たとえば配偶者と子ども2人が相続人になる場合、実子も養子も全体の4分の1ずつを取得します。
節税目的の養子縁組は無効になりますか?
相続税の節税という動機と養子縁組をする意思は両立できるため、節税目的だけでは無効になりません。
ただし親子関係を作る意思がまったくなく、財産相続のみを目的とした場合は無効と判断される可能性があります。
養子縁組による相続トラブルを防ぐにはどうすればよいですか?
事前に家族全員で話し合い養子縁組の目的を説明して理解を得ることが最も重要です。
加えて遺言書の作成や弁護士への早期相談、弁護士保険への加入などの対策を行うことでトラブルを防げます。
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