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犬の鳴き声がうるさい時の対処法は?法律や裁判例も紹介!

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犬の鳴き声がうるさい時の対処法は?法律や裁判例も紹介!

この記事を書いた人

山崎 謙司
山崎 謙司
2級FP技能士・AFP/金融・法律ライター
離婚や損害賠償に関して調停・本人訴訟の経験あり。

経験と知識を活かし、離婚や交通事故、相続、不動産を中心に多くの記事を執筆。
トラブルには「備え」も重要という考え方から、トラブルの予防・解決に役立つ情報をわかりやすく発信中。

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環境省によれば、犬の鳴き声は正面5mにおいて約90~100デシベルであり、掃除機や電動工具、ピアノよりもうるさいことがあります。ちなみに、パチンコ店内は約90デシベルです。

近所の犬の鳴き声がうるさいときは、眠りにつけず睡眠障害やノイローゼに至ることもあります。しかし一方で、どこに相談や苦情を入れたらよいのか、警察に通報はしてもよいのかなど、適切な対処法を知っている人は多くありません。

そこで本記事では、犬の鳴き声がうるさくて困っている人が騒音に悩むことなく暮らしていけるように、適切な対処法などを解説します。

記事の要約

  • 犬の鳴き声は正面5mで88~100デシベルであり生活騒音として最大レベル。
  • 動物愛護管理法により、飼い主は、犬のしつけをして他人に迷惑をかけないように努めなければならない。
  • 治療費や慰謝料などの損害賠償請求が認められることもあるが、裁判例をみると認められる慰謝料は30万円以下が一般的。
  • 犬の鳴き声(騒音)問題で泣き寝入りすることがないよう、早めに弁護士保険で備えておくのがおすすめ。

犬の鳴き声は生活騒音として最大レベル

犬の鳴き声のうるささは、冒頭で示したように、正面5mにおいて約90~100デシベルの騒音レベルとされています。ちなみに、猫は75デシベルです。

また、住宅壁の防音性能などによって異なりますが、犬が室内にいる場合でも10~15デシベルほどしか緩和されません。

犬の鳴き声の大きさをイメージするために、生活騒音の音の大きさを下表にまとめました。犬の種類などによって異なりますが、犬の鳴き声は掃除機よりも大きく、ピアノや電動工具、パチンコ店内と同等の大きさです。

音の種類 音の大きさ
犬の鳴き声(正面5m) 88~100デシベル
パチンコ店内 約90デシベル
電動工具(横1m) 80~97デシベル
ピアノ(正面1m) 82~92デシベル
掃除機(真上1m) 53~66デシベル

なお、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準(騒音に係る環境基準)は、一般的な住宅地域で2車線以上の車線がある道路に面する場合でも65デシベル以下です。犬の鳴き声は、生活騒音として最大レベルといえます。

犬の鳴き声に関する法律や規制はある?

犬の鳴き声がうるさいと困っている人がどのように対処すればよいのかを知るためには、まず、犬の鳴き声に関する法律や規制を知っておく必要があります。

犬の鳴き声に関する法律や規制には次の2つがあるので、それぞれ詳しく解説します。

  • 動物愛護管理法による努力義務と行政指導
  • 民法における動物占有者等の損害賠償責任

動物愛護管理法による努力義務と行政指導

動物愛護管理法は、犬などの動物の飼い主について努力義務を課し、一定の場合には都道府県による行政指導の対象となることを規定しています。

動物の飼い主の努力義務

犬などの動物の飼い主は、適当な時期に適正な方法でしつけをして、他人に迷惑をかけないように努めなければなりません。

(動物の所有者又は占有者の責務等)
第七条 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。この場合において、その飼養し、又は保管する動物について第七項の基準が定められたときは、動物の飼養及び保管については、当該基準によるものとする。
引用元:動物の愛護及び管理に関する法律第7条第1項
4 犬の所有者等は、適当な時期に、飼養目的等に応じ、人の生命、身体及び財産に危害を加え、並びに人に迷惑を及ぼすことのないよう、適正な方法でしつけを行うとともに、特に所有者等の制止に従うよう訓練に努めること。

引用元:家庭動物等の飼養及び保管に関する基準

ただし、「努めなければならない」とあるとおり、あくまでも努力義務の位置付けです。

適正なしつけが行われておらず鳴き声で迷惑をかけたとしても、それだけでは懲役や罰金といった罰則規定はありません。したがって、警察に相談しても十分な対応をしてもらえない可能性が高いでしょう。

飼い主に対する行政指導

都道府県は、騒音などによって周辺の生活環境が損なわれている事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者(飼い主など)に対し、必要な指導・助言・勧告・措置命令をすることができます。(動物愛護管理法第25条

周辺の生活環境が損なわれている事態とは、具体的には次のとおりです。(動物愛護管理法施行規則第12条第1号

  • 鳴き声が頻繁に発生していること
  • 周辺住民の日常生活に著しい支障を及ぼしていると認められること
  • その鳴き声が周辺住民の間で共通の認識となっていると認められること

周辺住民の間で共通の認識となっているかどうかは、複数の周辺住民から苦情があったかどうかなどで判断されます。

飼い主に行政指導が入ったにもかかわらず、飼い主が次のような行為をした場合には罰則があります。(動物愛護管理法第46条の2同法第47条の3

違反行為 罰則の内容
措置命令に違反した 50万円以下の罰金
都道府県から求められた報告をしない 20万円以下の罰金
都道府県から求められた報告をしない 20万円以下の罰金
都道府県に虚偽の報告をした 20万円以下の罰金
都道府県の検査を拒否した 20万円以下の罰金
都道府県の検査を妨害した 20万円以下の罰金
都道府県の検査を忌避した 20万円以下の罰金

なお、環境省の動物愛護管理行政事務提要(令和4年度版)によれば、令和3年度の行政指導件数は次のとおりでした。

行政指導 件数
指導・助言 200件
勧告 0件
措置命令 2件
立入検査 75件

指導・助言によって改善されたために勧告に至る件数が少ないのか、それとも改善がされなくても指導・助言で留まってしまうのかは不明です。しかし、海外では犬の撤去や飼い主の懲役刑がある国・地域もあるため、日本は比較的規制が緩いといえます。

民法における動物占有者等の損害賠償責任

犬の鳴き声(騒音)を止める直接的な効果はありませんが、飼い主に対して、民法における動物占有者等の損害賠償責任を追及できる場合があります。つまり、慰謝料を請求できる可能性があるということです。

(動物の占有者等の責任)
第七百十八条 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
2 占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。

引用元:民法第718条

適正にしつけをしていたなど、相当の注意をもって犬の管理をしていたときは損害賠償責任を追及できませんが、そのような事情は飼い主が主張して立証しなければなりません。

ただし注意しておきたいのは、認められる慰謝料の額は裁判例からして30万円以下と比較的少額であることです。1つ裁判例を紹介します。

大阪地判平成27年12月11日(判時2301号103頁)
山間部の閑静な住宅地に暮らしていた被害者が、道路を挟んで約30mの距離にある住宅で飼われていた犬が昼夜を問わず鳴くため、睡眠障害などの神経症を発症したとして治療費や慰謝料などの支払いを求めた事案です。
被害者は深夜や早朝などの時間帯に犬の鳴き声を録音していたため、裁判所は犬の鳴き声が平均64.5デシベルであり、犬が日常的に鳴き続けていたという事実を認定しました。
さらに、この事案では飼い主が苦情を言われたり、調停を申し立てられたりしても適切な措置をとらなかったことから、飼い主側の免責事由である「相当の注意」をしていなかったことが示されています。
結果として被害者の心療内科の治療費や薬代、交通費、録音機材の購入費、慰謝料25万円、弁護士費用の一部3万円の損害賠償請求が認められました。

犬の鳴き声で損害賠償を請求するときのポイントは、裁判所に「社会生活上受忍すべき限度を超えて平穏な生活を営む権利(利益)を侵害した」と認められるかどうかです。事案によっては、地域性や犬の鳴く時間によって損害賠償請求が認められなかったものもあります
(東京地判平成23年5月19日)

飼い主に対して損害賠償請求を考えている人は、できるかぎり早めに弁護士に相談して対応するのがおすすめです。ただし、認められる慰謝料の額と比べて、弁護士費用は安くありません。

こういった状況で泣き寝入りすることがないよう、早めに弁護士保険に加入しておくことをおすすめします。

犬のうるさい鳴き声に悩んだ時の対処法

犬のうるさい鳴き声に悩んだ時の対処法は、次のとおりです。

  • 飼い主に苦情を入れる
  • マンションなど賃貸住宅の場合は管理会社や大家さんに相談する
  • 自治体に相談する
  • 弁護士に相談する
  • 警察に相談する

飼い主に苦情を入れる

まずは、飼い主に苦情を入れることを検討してみましょう。周辺住民にとっては騒音ですが、飼い主にとってはかわいい愛犬の鳴き声であり、騒音を出しているとは気づいていない場合があります。

とはいえ、日頃から飼い主と話ができるほどの面識がある場合を除き、直接苦情を入れるのはトラブルに発展するおそれがあるためおすすめできません。できるかぎり第三者を通じて、犬の鳴き声がうるさく迷惑になっている旨を伝えましょう。

第三者として誰に相談すべきかについては、引き続き紹介していきます。

マンションなど賃貸住宅の場合は管理会社や大家さんに相談する

飼い主がマンションなどの賃貸住宅に住んでいる場合、その賃貸住宅の管理会社や大家さんに相談するのがおすすめです。ペット禁止の賃貸住宅であれば、飼い主はペットを手放すか退去するかのどちらかを選択しなければならないため、騒音は解消されるでしょう。

当然ですが、ペット可の物件であっても、騒音を出してよい物件ではありません。ペット可の物件であっても、集合住宅における動物飼養モデル規程(東京都保健医療局)にあるとおり、「近隣に迷惑をかけないこと」といった条項を含む賃貸借契約が締結されている場合もあります。

騒音トラブルを引き起こす飼い主は賃貸借契約に違反しており、何度注意しても改善しないなど、程度によっては大家さん(貸主)が賃貸借契約を解除することもできると考えられています。したがって、賃貸住宅の場合、まずは管理会社や大家さんに相談しましょう。

自治体に相談する

管理会社や大家さんだけでなく、都道府県や市区町村の役所に騒音について相談するのもおすすめです。前述のとおり、都道府県は動物愛護管理法によって騒音問題を引き起こしている飼い主について行政指導ができる権限があります。

自治体が犬を引き取るなどの措置は期待できませんが、行政が動いてくれれば騒音問題の改善を見込めるかもしれません。

なお、自治体によっては騒音計を貸し出してくれる場合があります。

弁護士に相談する

弁護士に相談すると、犬の飼い主に直接会って話さなくても、弁護士が代わりに苦情を伝えてくれます。また、慰謝料などの損害賠償請求も任せられるでしょう。

ただし、弁護士費用は着手金だけでも30万円以上かかることがあり、もし裁判で請求が認められたとしても自分に残るお金はほとんどない可能性があります。

このような場合でも、弁護士費用保険に加入していれば弁護士費用の負担を気にすることなく弁護士に対応を依頼できます。まだ加入していない人は、ぜひ弁護士費用保険への加入を検討してください。

警察に相談する

警察に相談しても十分な対応してもらえない可能性が高いと説明していますが、場合によっては警察に相談すると飼い主に注意をしてもらうことができ、改善が見込めるかもしれません。

ただし、前述のとおり取締の対象とはなっていないのが通常であるため、刑事事件には発展しません。

犬のうるさい鳴き声は管理会社や自治体、弁護士に相談しよう

犬の鳴き声は正面5mで88~100デシベルであり、生活騒音として最大レベルのうるささです。飼い主が賃貸住宅に住んでいる場合は、管理会社や大家さんに相談しましょう。そうでない場合は、自治体に苦情を入れましょう。

動物愛護管理法により、飼い主は犬のしつけをして他人に迷惑をかけないように努めなければなりませんが、あくまでも努力義務であり実質的な強制力はありません。また、治療費や慰謝料などの損害賠償請求が認められることもありますが、裁判例をみると認められる慰謝料は30万円以下が一般的です。

犬の鳴き声(騒音)問題で泣き寝入りすることがないよう、早めに弁護士保険で備えておくことをおすすめします。

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保険料の相場は月額3,000円程度となっており、着手金の相場額が30万円ということを考えると9年以内に弁護士に依頼を行えば元が取れるという計算になります。

自分で抱えきれない悩みがあった時に、弁護士保険に加入していれば弁護士に気軽に相談・依頼ができるので、トラブルの早期解決に繋げられます。

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