ペットの鳴き声で苦情が出てしまった!対策はどうすればいい? | | 弁護士保険ステーション

ペットの鳴き声で苦情が出てしまった!対策はどうすればいい?

吠える犬

ペットを飼っている以上、どうしても鳴き声が響いてしまうものです。

ペット不可のマンションや賃貸アパートでペットを飼っている場合には明らかに飼い主に非がありますが、ペット可のマンションや一軒家に住んでいるからといって周囲を気にしなくても良いというわけではありません。近所の方々の迷惑になってしまわないかと気にしながら、ペットを飼っている方も少なくないことでしょう。

騒音に気を付けながらペットを飼っていても、最悪の場合、ペットの鳴き声で苦情が発生してしまうケースもあります。
この記事では、ペットの鳴き声で苦情が出てしまったときの対処法について案内します。

ペットの鳴き声によって苦情が起こる背景

生活騒音の中で、近隣住宅のペットの鳴き声を不快に感じている人は少なくありません。
少し古いデータですが平成24年に大阪府が成人1,312人に対して行った、「生活騒音の中でどのような音が気になるか?」というアンケートに対して30%近く物回答者が「犬などのペットの鳴き声」と回答しています。
これは、「自動車・バイクの空ぶかし音」に次いで二位です。
ペットの鳴き声が不快に思われる背景について解説します。

犬の鳴き声はボリュームが大きい


飼い主にとってはかわいい鳴き声でも、犬の鳴き声のボリュームは想像以上に大きなものです。
東京都環境局のホームページによると、犬の鳴き声は90~100デシベルの騒音レベルであるとされています。
犬が室内にいる場合でも10~15デシベルほどしか緩和されないとのことです。
ちなみに、猫は75デシベルとされています。
犬よりは小さいですが、十分にクレームが起こりうるボリュームです。
この数値がどれほどのものかイメージしづらいかと思いますが、ピアノの音が80~90デシベル、電話のベルの音が64~70デシベルということで、生活騒音としては最大レベルのものとなっています。
住宅環境によって、音量についての基準値というものが定められていますが、最大でも65デシベルが基準値となっていますので、基準値を超えている非常に大きなボリュームであることが、データとして確認できます。

心情の違い


ペットは飼い主の方にとっては家族同然ですが、他人からみればそのような事情は全く関係ありません。
むしろ、騒音のトラブルが発生する際には、憎しみの対象にもなります。
ペットの騒音トラブルは、飼い主と周辺住民の方との関係性が良好なほど起こりにくい問題といわれています。
日ごろの付き合いの深さにもよりますが、相手の目線で考えることが重要なポイントです。

鳴き声がうるさいと苦情が来てしまったら

「ペットの鳴き声がうるさい」と苦情が来てしまった場合の流れについて解説します。

苦情の3パターン


ペットの騒音による苦情には、大きく分けて3つのパターンがあります。
(1)直接、あるいはマンションの大家さんを通じて苦情を言われるケース
(2)警察に通報されるケース
(3)保健所を通じて苦情を言われるケース
ペット不可のマンションにおいて無許可でペットを飼っている場合を除き、いずれの手段においても強制力はありません。

ペットの騒音に対する飼い主の責任


強制力がないからと言って、無視をしてよいわけではありません。
飼い主には「動物の愛護及び管理に関する法律」の第7条で、以下のように責任が記載されています。
(第7条)動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者としての責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

ここでは、罰則規定は明記されていませんが、近隣の住民が迷惑に感じていて不眠に陥ったり、ストレスで体調を悪化させてしまったりした場合には、損害賠償を請求される可能性があります。

ペットの鳴き声トラブルの実例


ペットの鳴き声によるトラブル例を紹介します。

平成27年に大阪で起こった事件です。
元々、原告は閑静な住宅地に暮らしていましたが、30m離れた住宅でペットとして犬が飼われることになり昼夜を問わず大きな鳴き声を上げるので睡眠障害を伴う神経症を発症してしまい、損害賠償を求めて裁判を起こしました。大阪地方裁判所は、原告の訴えを認め、心療内科に通院した治療費、薬代、交通費、慰謝料、弁護士費用など合計約38万円の賠償を飼い主に命じました。

このような騒音に関するトラブルは数多く事例がありますが、損害倍書の支払いを命じられるのは以下のケースに該当する場合です。
・鳴き声のボリュームや頻度が、常識的なレベルを超えているとき
・近隣の住民から苦情や相談がなされても、対応をせずに放置をした場合
・ペットを飼うための飼い主としての責任を果たしていない場合

苦情が起こった時に誠実な対応をおこなうことは、何よりも重要なことなのです。

苦情を言われたときの適切な対応とは


ペットの騒音に対して苦情を言われたときに、現実的に取れる対応としては2点です。
(1)ペットに対してしつけを行う
(2)住居の防音対策を取る
しかし、しつけによってすぐに鳴き声を止めさえることは非常に困難なことであり、防音対策を取ったとしても、室内での鳴き声が屋外の鳴き声と比較して10~15デシベルの軽減に過ぎないことからも困難なことがお分かりいただけるかと思います。
もちろん、誠意を示す意味でできる限りの対応をすることは非常に重要なことですが、抜本的な解決策はないというのが現状です。
最悪のケースとしては、転居やペットを別の場所に預けることも検討しなければならなくなります。

まとめ

吠える犬

ペットの鳴き声による苦情が起こってしまったときの対処法について、その背景も交えながら解説しました。

急に、苦情を受けたり、警察や保健所の方が家に来たりした場合に、大きくショックを受けてしまったり、感情的になってしまったりすることはあるかと思いますが、苦情を受けたときこそ冷静に、そして誠実に対応しなければなりません。

適切な対応を取れない場合には、近隣住民の方々のストレスもさらに大きなものとなってしまい、最悪の場合には裁判に至ってしまう可能性があります。そして、損害賠償の支払いを命じられる可能性があります。

トラブルが起こった時に、冷静に、論理的に話を進めるには、弁護士などの専門家を介することが一つの手段になります。

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