戒告処分とは?意味・流れ・注意点を徹底解説【事例付き】
この記事を書いた人

-
元行政書士のフリーライター。
行政書士・土地家屋調査士の補助者を約10年務めたのち、行政書士として独立。
相続・遺言や農地関係、建設業許可などの業務に携わる。
現在はフリーライターとして、相続・遺言、離婚、不動産関連の記事や資格予備校のコラムなど、日々積極的に執筆活動を行っている。
「誰が読んでもわかる記事」を常に心がけている。
最新の投稿
弁護士保険2025.12.26自動車保険の弁護士特約は日常生活で使える?対象範囲や弁護士保険との違いを解説
職場2025.12.22退職させてくれないのは違法?会社に引き止められた時の正しい対処法を解説
職場2025.12.02みなし残業はおかしい?違法ケースの見分け方と対処法を解説
ハラスメント2025.11.25職場の飲み会で起きる「ハラスメント」とは?アンケートで見えた実態と防止策を解説
「どのような問題行動が戒告処分の対象になる?」
「トラブルなく戒告処分を行うには?」
問題のある従業員に対して処分を検討しているものの、このようなことで悩んでいませんか?
戒告処分は、比較的軽い懲戒処分です。
しかし、だからといって事実確認を怠ったり処分理由が曖昧だったりすると、トラブルに発展してしまいます。
また、安易に処分を行えば、職場全体のモチベーション低下や会社への不信感につながるでしょう。
本記事では、戒告処分を行う際の流れや注意点、トラブル対策について解説します。
最後まで読むことで、戒告処分を適正かつ安全に行うための実践的な知識が身につくでしょう。
記事の要約
- 戒告処分は比較的軽い懲戒処分だが、安易に行うと処分無効や訴訟リスクが高まる
- 職場全体のモチベーション低下や会社への不信感防止を防ぐには、処分後のフォローや職場環境への配慮が重要
- トラブルを防止するには、弁護士への早期の相談がおすすめ
- 事前に備えておくなら「事業者向けの弁護士保険」の活用が有効
戒告処分とは?基本知識と他処分の中での位置づけ
戒告処分(かいこくしょぶん)とは、従業員の就業規則違反や問題行動に対して実施する比較的軽い懲戒処分です。
主に再発防止や注意喚起を目的とし、戒告処分を適切に行うことで職場の秩序維持やトラブルの防止につながります。
会社員だけでなく公務員にも適用される処分で、国家公務員法や地方公務員法にも規定があります。(国家公務員法第82条第1項・地方公務員法第29条第1項)
懲戒処分には戒告処分のほかにも減給や出席停止などさまざまなものがあり、もっとも重い処分は「懲戒解雇」です。
懲戒処分ごとの内容と従業員が受ける経済的不利益を、軽いものから順に見ていきましょう。
| 懲戒処分の種類 | 内容 | 従業員が受ける経済的不利益 |
|---|---|---|
| 戒告・譴責・訓告 | 今後同じ失敗・問題を起こさないよう文書で注意する | なし |
| 減給 | 給与を1回減らす | 問題行動1回につき半日分の給与が限度額 |
| 出勤停止 | 一定期間出勤を禁じ、その間の給与を無給にする | 出勤停止30日なら30日分の給与 |
| 降格 | 退職届の提出を強く勧め、提出されなければ懲戒解雇する | 退職金は通常通り支払われる会社が多い |
| 懲戒解雇 | 従業員をクビにする | 退職金の全部または一部が支払われないことが多く、解雇予告手当が支払われないのが通常 |
このように、戒告処分はほかの懲戒処分より軽く、経済的不利益を伴わないのが特徴です。
なお、「譴責(けんせき)」や「訓告(くんこく)」も戒告と同様に、「これからは気をつけなさい」という再発防止を促すための処分です。
しかしまったく同じではなく、以下のような違いがあります。
- 戒告:厳しい注意処分。始末書は求めないことが多い。
- 譴責:戒告と類似しているが、始末書の提出を求める。
- 訓告:戒告よりも軽く扱われることが多い。始末書は不要。
ただし戒告処分でも、同じ過ちを繰り返すとさらに重い処分を受ける場合があります。
戒告処分の対象になる可能性のある行為
戒告処分の対象になる可能性のある行為には、たとえば以下のものがあります。
- 無断欠勤や遅刻・早退・中抜けなどの勤怠不良
- 勤務時間中の私的行為
- 軽度の業務命令違反
- 職務懈怠(サボり)
- 不適切な言動・素行不良
- 軽度のハラスメント行為
- 会社や同僚の悪口をSNSに書き込む
このような行為は、職場環境や業務の進行に悪影響を与えるおそれがあるため、会社側が注意喚起を行う必要があります。
ただしどの行為が戒告処分の対象になるかは、各会社の就業規則や懲戒事由の定めによって異なります。
そのため、まずは就業規則を確認するようにしましょう。
なお、上記の行為は、従業員が行ったからといって直ちに戒告処分の対象になるわけではありません。
まずは口頭で注意・指導を行い、それでも改善が見られない場合や悪質性が高いときに戒告処分を検討しましょう。
無断欠勤や遅刻・早退・中抜けなどの勤怠不良
無断欠勤や遅刻、早退、中抜けなどの勤怠不良は戒告処分の代表例です。
このような勤怠不良は業務に支障をきたすだけでなく、ほかの従業員の負担が増加したり職場全体の士気が低下したりといった問題も招きます。
たとえば無断欠勤が多い、定時前に帰宅するといった行動をとる従業員がいる場合、放置すると職場環境が悪化するおそれがあるため早期の対応が必要です。
ただし体調不良や家庭の事情など、やむを得ない理由での欠勤や遅刻、早退などは、必ずしも本人の責任とは言い切れません。
風邪やインフルエンザ、家族の急病などについては、会社側も柔軟に対応すべきでしょう。
なお、体調不良でも頻繁に欠勤したり無断欠勤を繰り返したりするときは医師の診断書を求め、必要に応じて休職や業務配慮を検討するのもひとつの方法です。
正当な理由なく勤怠不良が続いているなら、注意・指導を検討しましょう。
勤務時間中の私的行為
勤務時間中に以下のような私的行為を行っている場合、戒告処分の対象になる可能性があります。
- スマートフォンの私用利用
- ネットサーフィン
- 私用メールやLINEのやりとり
- ゲームや株取引
上記の行為は業務効率の低下につながるだけでなく、情報漏洩を招くおそれがあります。
たとえば、会社のパソコンでネットサーフィンをしてウイルスに感染したり、SNSの投稿にパソコンの画面や書類が写り込んで未公開情報が漏れたりといったリスクがあげられます。
会社としては、就業規則で私的行為の範囲や禁止事項を明確に定め、従業員に周知することが重要です。
軽度の業務命令違反
従業員が上司や会社からの業務命令に正当な理由なく従わない場合、軽度の業務命令違反として戒告処分の対象になることがあります。
たとえば意図的に作業を遅らせたり、報告を怠ったりする行為が該当します。
軽度の違反でも、繰り返し発生するなら早期に対応する必要があるでしょう。
対応を怠るとほかの従業員への規範が保てなくなり、職場全体の規律や信頼が損なわれるおそれがあります。
職務懈怠(サボり)
職務懈怠(しょくむけたい)とは、つまり「サボり」のことです。
たとえば従業員が上司の指示を無視して私的な時間を過ごしたり、与えられた仕事を意図的に遅らせたりする行為を指します。
会社側が職務懈怠を見逃せば、業務の遅れやほかの従業員への負担増加が生じるでしょう。
組織全体の士気に関わるため、会社側は早期発見と適切な対応を徹底する必要があります。
不適切な言動・素行不良
不適切な言動や素行不良は、職場の秩序や人間関係に悪影響を与えます。
たとえば以下のような行為が該当し、放置すると職場内の雰囲気が悪くなったりトラブルが発生したりする危険性があります。
- 勤務時間中の居眠り
- 上司への反抗的な態度
- 同僚への無礼な発言
職場の規律を守るために重要なのは、不適切な言動や素行不良を見て見ぬ振りせず、就業規則に基づいて迅速かつ公正に対処することです。
特定の人間関係が問題行動の原因になっている場合は、配置換えなどの人事異動も検討すべきでしょう。
軽度のハラスメント行為
軽度のハラスメント行為も、戒告処分の対象になり得ます。
軽度のハラスメント行為とは、初期段階のパワハラやセクハラといった行為を指します。
会社側がハラスメントを見過ごすと被害者の心理的負担が増し、職場環境の悪化を招きかねません。
また、行為がエスカレートし被害が大きくなると、加害者だけでなく会社も訴えられる可能性があるため、ハラスメントの芽は早期に摘み取ることが重要です。
なお、ハラスメントの程度によっては、戒告処分ではなく減給や出勤停止、降格、懲戒解雇など、さらに重い処分を検討する必要性が出てきます。
会社や同僚の悪口をSNSに書き込む
会社や同僚の悪口をSNSに書き込む行為は、会社の信用や職場の人間関係に重大なダメージを与えます。
たとえば、以下のような投稿が該当します。
- 社名を明かしたうえで「ブラック企業」「上司がパワハラ」などと書く
- 「同僚の◯◯は無能」「社長がワンマン」など、特定の人物を名指しで批判する
- 「残業代が出ない」など、事実かどうかにかかわらず会社の社会的評価を下げる内容を拡散する
- 匿名掲示板や口コミサイトに会社の悪評や虚偽の情報を書き込む
- 会社の内部情報や未公開のプロジェクト内容を漏らす
どのような処分が妥当かは、投稿内容の悪質性や拡散状況、会社への影響によって異なりますが、戒告や譴責、減給、出勤停止といった比較的軽い処分にとどまるケースが多いです。
ただし、名誉毀損や情報漏洩によって会社に大きな損害が生じたときは、懲戒解雇や損害賠償請求といった厳しい対応がとられることもあります。
戒告処分の流れ5STEP
戒告処分は、主に以下の流れで行います。
2. 就業規則・懲戒事由の確認
3. 面談・弁明の機会付与
4. 戒告処分の決定・通知書の作成
5. 始末書の提出
戒告処分は、対象となる行為があったからといってすぐに実行できるものではなく、段階を踏んで進めていく必要があります。
また、まずは注意・指導を行い、それでも改善しない場合に戒告処分へと進むのが一般的です。
それぞれ順番に解説します。
1.事実確認・証拠収集
問題行動が発生したら、まずは事実確認と証拠収集を行います。
ほかの従業員からの報告だけで事実と断定するのではなく、実際に問題を起こしたのかを確認しなければなりません。
事実確認や証拠収集を怠ると、のちのち問題を起こした従業員からの不服申立て・訴訟リスクが高まるため、慎重に進める必要があるでしょう。
なお、事実確認や証拠収集の際は、以下のような記録や証言を集めることが重要です。
- 勤怠記録:出退勤や遅刻・早退・欠勤などの客観的データ
- メール・チャット履歴:業務連絡や命令違反、問題発言などの証拠
- 業務日誌・日報:本人や上司が記載した日々の行動
- 監視カメラ映像・ICカード記録:職場での行動や入退室履歴
- 指導書・注意書:会社が戒告処分前に行った注意・指導の内容を記録したもの
- 第三者の証言:問題行為の目撃者や普段から関わりのある同僚などから得た証言
さらに、過去に同様の問題行動があった場合は、その際の始末書や懲戒処分通知書も反省の有無や処分歴の証明として活用できます。
2.就業規則・懲戒事由の確認
処分を検討するときは、必ず就業規則や懲戒事由の内容を確認しましょう。
就業規則に明記されていない行為を理由に処分すると、無効と判断される可能性があります。
たとえば就業規則を確認する際は、該当条文や過去の処分事例を確認し根拠を明確にします。
このあと発行する「懲戒処分通知書」には、就業規則の該当条文を明記しなければならないため、そのためにも確認は必須です。
また、懲戒処分の際は「平等取り扱いの原則」「合理性・相当性の原則」といった懲戒処分の原則を守る必要があります。
同じような事案には同程度の処分を行い(平等取り扱いの原則)、処分が妥当か(合理性・相当性の原則)を慎重に判断することで、トラブルを回避しやすくなるでしょう。
3.面談・弁明の機会付与
問題の従業員とは必ず面談を行い、弁明の機会を与える必要があります。
一方的な処分はトラブルのもとになるため、従業員の問題行動が明らかでも、本人の意見や事情を丁寧にヒアリングしましょう。
弁明の機会を設けることで事実誤認や不当な処分を回避し、将来的な紛争リスクを軽減できます。
4.戒告処分の決定・通知書の作成
ここまでの手順を経て戒告処分が決定したら、「懲戒処分通知書」を作成し問題の従業員に交付します。
通知書には、以下の事項を記載します。
- 書面のタイトル(「懲戒処分通知書」が一般的)
- 通知書の発行日
- 懲戒対象者の氏名・所属部署・役職
- 会社名・代表者名
- 懲戒処分の種類(戒告)と内容
- 懲戒処分の効力発生日
- 懲戒処分の理由
- 就業規則上の根拠条文
- 始末書や誓約書を提出する旨と提出期限(提出を求める場合)
- 今後同様の行為を繰り返さないよう注意する旨
このほか、会社印を押印するケースも多いです。
必須ではありませんが、法的効力を重視する場合や処分の証拠性を高めたいときは押印することをおすすめします。
「懲戒処分の理由」には、どのような問題行動があったかをできるだけ具体的に記載します。
注意点は、理由をあとから変更できない点です。
最高裁判例でも、「懲戒処分後に判明した事実を処分理由として後付けで追加することは認められない」とされており、たとえば遅刻を理由に戒告処分を行ったら、あとからほかの理由が判明しても遅刻以外の理由を追加できません。
5.始末書の提出
始末書は、従業員が自身の問題行動を反省し、改善を約束するために提出する書類です。
会社側が始末書を求める理由は、問題の再発防止と処分の記録にあります。
始末書の提出を指示することで従業員本人に問題を自覚させ、将来的なトラブルや追加で処分を行う際の証拠として活用できます。
なお、戒告処分は始末書の提出を伴わない処分とされており、始末書を求めないケースが一般的です。
ただし会社によってルールが異なるため、必ず自社の就業規則を確認するようにしましょう。
戒告処分が会社・従業員に与える影響
戒告処分は、会社にも従業員にも影響を与えます。
ここでは、会社・従業員別に、戒告処分が与える影響について解説します。
会社に与える影響
会社にとって戒告処分は、職場環境の維持やほかの従業員への注意喚起として機能します。
戒告処分を受けた従業員を見て、ほかの従業員も「自分も気をつけなければ」と気を引き締めるでしょう。
ただし不適切に行うと、労使トラブルや訴訟リスクの増加につながる点に注意が必要です。
たとえば、事実確認が不十分なまま処分を下すと、従業員からの不服申立てや訴訟に発展する可能性があります。
また、職場環境の維持を重視しすぎて厳格な処分を続けると、従業員のモチベーション低下や離職の原因になります。
組織を健全に運営していくには、処分の公平性や透明性を確保しつつ、就業規則や法令に則った適正な手続きを踏むことが重要です。
従業員に与える影響
戒告処分は、減給や賞与カットといった直接的な経済的不利益を伴うものではありません。
しかし人事評価や昇進、賞与の査定で不利になる場合があり、昇給や出世が遅れたり、将来的にさらに重い懲戒処分を受ける際、過去の戒告歴が響いたりする可能性があります。
また、戒告処分を受けた従業員がストレスや孤独感を感じ、同僚との関係悪化や働きづらさから出社できなくなることも考えられます。
会社としては、処分後の定期的な面談や相談体制を設け、従業員の再発防止と職場復帰をサポートする姿勢が重要です。
人事考課や賞与査定の基準は明確にし、一貫性のない評価や過度の不利益が生じないよう配慮しましょう。
戒告処分にまつわるトラブル事例と対策
ここからは、戒告処分にまつわるトラブル事例とその対策を見ていきましょう。
事実確認が不十分で戒告処分が無効になる
まずは、会社側の事実確認が十分に行われず、戒告処分が無効になったケースです。
たとえば、休憩時間中に無許可でビラ配りをしたことを理由に戒告処分を行った事例では、会社側は「就業規則違反」であると主張したものの、実際ビラ配りは平穏に行われ、職場環境を乱すおそれがないものでした。
そのため裁判所は「就業規則違反にあたらない」として、戒告処分を無効と判断しました。(昭和58年11月1日 最高裁判所)
会社側は、就業規則違反という形式だけにとらわれず、職場環境にどのような影響を与えていたのかを丁寧に確認し、慎重に判断すべきだったといえるでしょう。
念入りな事実確認や証拠の収集、弁明の機会付与など、全ての手続きを慎重に進めることがトラブル防止につながります。
戒告処分の理由が不明確・不合理で争いに発展する
戒告処分の理由が不明確だったり合理性を欠いていたりすると、従業員との間で争いに発展しやすくなります。
たとえば、就業規則に明確に違反していない行為や、会社の名誉や秩序に悪影響がない行為を理由に戒告処分を行うと、従業員が納得できず労働審判や訴訟を起こす可能性があります。
実際に、従業員が本を出版したことを理由に会社が戒告処分を行ったケースでは、裁判所が「出版の目的や内容には相当な理由があり、会社の名誉を著しく傷つけるものではない」と判断し、戒告処分を無効としました。(平成12年4月17日判決 大阪地方裁判所)
また、形式的には就業規則違反といえるケースでも、実際には職場環境を乱すおそれがないなど、処分に合理性が認められないときは、裁判で無効と判断される場合があります。
このようなトラブルを防ぐためには、戒告処分の理由や根拠を具体的かつ明確に示し、従業員に示すことが重要です。
戒告処分後に職場環境が悪化する
戒告処分後に、職場環境が悪化する可能性があります。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。
- 処分を受けた従業員が孤立・モチベーションが低下する
- ほかの従業員が「自分も処分されるかも」と不安になり職場全体がぎくしゃくする
- 処分を受けた従業員が業務から外れ、ほかの従業員に業務負担が集中する
- 処分をきっかけにチーム内でのコミュニケーションが減る
- 働きづらさを感じた従業員が離職・メンタルヘルスに問題を抱える
- 会社への不信感が広がる
こうしたリスクを防ぐため、会社側は処分後のフォローや面談を徹底し、従業員のケアや職場の信頼回復に努める必要があります。
定期的なコミュニケーションや相談体制の整備が、職場環境の改善と再発防止につながります。
参考:起業のリスクは何がある?事前に知っておきたい起業のリスク一覧と対処法
戒告処分を行う際の注意点
実際に戒告処分を行う際は、以下の点に注意しましょう。
- 懲戒権の濫用を避ける
- 戒告処分通知書を作成し記録を保存する
- トラブル回避のため弁護士に相談する
戒告処分は、会社が従業員の問題行動に対応するための手段です。
しかし、方法を誤ると労使トラブルにつながるおそれがあります。
上記のポイントを押さえ、適正かつ公平な処分を行うことが重要です。
ひとつずつ見ていきましょう。
懲戒権の濫用を避ける
従業員に対して戒告処分を行う際、会社は懲戒権の濫用にあたる行為を回避しなければなりません。
「懲戒権の濫用」とは、会社の都合や感情で一方的に処分を決定したり不当に重い処分を科したりすることをいい、たとえば以下のようなことが該当します。
- 一度の遅刻や些細なミスに対して直ちに懲戒処分を行う
- 懲戒事由や処分内容が就業規則に明記されていない、あるいは合理的でない
- 同様の違反であるにもかかわらず、人によって処分の重さに差がある
- 処分が違反行為の内容や状況に対して重すぎる
- 事実確認を行っていない、従業員に弁明の機会を与えていない
懲戒権の濫用に該当すると、処分が無効になる可能性があります。
労働契約法第15条でも、以下のように定められています。
つまり、就業規則や法令に基づいて、違反行為の内容や程度、状況を総合的に判断し、常識的な範囲で適切に懲戒処分を行わなければなりません。
懲戒処分通知書を作成し記録を保存する
戒告処分を行う際は、必ず「懲戒処分通知書」を作成し、内容や交付記録を保存しておきましょう。
処分の理由や根拠を明確にし、将来的な紛争や訴訟に備えるためです。
たとえば、従業員から処分の無効を主張されたり労働審判や裁判に発展したりしたときに通知書が作成・保存されていれば、会社が「適切な理由と手続きで懲戒処分を行ったこと」の裏付けになります。
しかし通知書を作成・保存していなければ、会社は正当性を証明できません。
その結果、以下のような不利益が生じるおそれがあります。
- 従業員が処分の無効を主張したときに会社側が不利になる
- 通知書の未作成自体が就業規則違反になり処分が無効になる(規定がある場合)
- 従業員に処分理由が正確に伝わらず、誤解や不信感、トラブルにつながる
会社の正当性を守りトラブルを回避するためにも、口頭で済まさず懲戒処分通知書を作成・保存するようにしましょう。
トラブル回避のため弁護士に相談する
戒告処分を検討する際は、弁護士への相談をおすすめします。
弁護士には、以下のようなことを相談できます。
- 処分が妥当かどうか
- 処分理由や手続きが法的に適切か
- 証拠収集や書類作成
- 注意・指導の方法や準備
専門家のアドバイスを受けながら進めることで、懲戒権の濫用を避けられます。
また、従業員との間に入ってもらったり交渉を代わってもらったりできるほか、労働審判や訴訟、団体交渉に発展した場合でも、弁護士なら代理対応が可能です。
弁護士のサポートを受けることで、労使トラブルや訴訟リスクを最小限に抑え、安心して戒告処分を進められるでしょう。
事業者向けの弁護士保険でトラブルに備えよう
戒告処分をめぐるトラブルや訴訟リスクに備える方法として、事業者向けの弁護士保険への加入は非常に有効です。
弁護士保険とは、実際にかかった弁護士費用を補償する保険をいい、月額5,000円前後から加入できる商品もあります。
たとえば、従業員から戒告処分の無効を主張されたり労働審判・訴訟に発展したりした場合でも、弁護士保険に加入していれば費用を気にせず早期から弁護士に相談・依頼できます。
さらに、事業者向けの弁護士保険は、従業員とのトラブルだけでなく取引先や顧客との契約トラブル、債権回収、クレーム対応など、事業運営に関わる幅広いリスクをカバーできるのが特徴です。
ひとつ例を見てみましょう。
従業員から戒告処分の不服申立てがあり、労働審判に発展したケース
・実際にかかった弁護士費用:71万円
・弁護士保険に加入していた場合の自己負担額:25万円
※「事業者のミカタ」プレミアムプランに加入していた場合
| 実際にかかった弁護士費用 | 弁護士保険に加入していた場合の自己負担額 | |
|---|---|---|
| 法律相談料 | 1万円 | 0円 |
| 着手金 | 30万円 | 3万円 |
| 報酬金 | 30万円 | 16万5,000円 |
| 日当・実費 | 10万円 | 5万5,000円 |
| 合計 | 71万円 | 25万円 |
上記のように、弁護士費用の大部分が保険でカバーされるため、万が一トラブルが起こっても、会社の負担を大きく抑えられます。
弁護士保険を活用することでリスク管理体制を強化でき、安心して事業を続けられるでしょう。
ただしトラブルが起きてから加入した場合、すでに起きている問題に関しては補償の対象になりません。
そのため日ごろからの備えが重要です。
「事業者のミカタ」は、実績・サポート体制ともに業界トップクラスの弁護士保険です。
もし労務トラブルや法的リスクに不安があるなら、まずは公式サイトでサービスの詳細を確認してみることをおすすめします。
今すぐ安心の備えを始めましょう。
参考:事業者のミカタ
まとめ
戒告処分の流れや注意点、トラブルへの対策について解説しました。
戒告処分は、従業員の就業規則違反や問題行動に対して実施する比較的軽い懲戒処分です。
しかし、軽い懲戒処分だからといって会社の都合で一方的に処分を下してしまうと、問題の従業員とトラブルになったりするだけでなく、職場全体の雰囲気が悪くなったり会社への不信感につながったりする可能性があります。
そのため処分の際は、適正な手続きや公正な運用を徹底する必要があります。
トラブルを回避するためには、専門家への相談や弁護士保険の活用も有効な対策です。
早期に専門家に相談し、適切に対応することで健全な労働環境を守れるでしょう。
戒告処分についてのよくあるご質問
戒告処分とはどのような懲戒処分ですか?
戒告処分は比較的軽い懲戒処分で、従業員の問題行動に対して文書で注意を行います。
経済的不利益を伴わないのが特徴です。
戒告処分の対象となる行為にはどのようなものがありますか?
無断欠勤や遅刻、勤務時間中の私的行為、軽度の業務命令違反などがあります。
SNSでの会社批判なども対象になる可能性があります。
戒告処分を行う際に必要な手続きはありますか?
事実確認と証拠収集、就業規則の確認、面談による弁明機会の付与が必要です。
懲戒処分通知書の作成と交付も重要な手続きです。
戒告処分が無効になるケースはありますか?
事実確認が不十分だったり、処分理由が不明確・不合理な場合は無効になります。
懲戒権の濫用に該当すると処分が無効と判断される可能性があります。
個人型の弁護士保険に興味がある方はこちら
弁護士保険ミカタ保険料
2,980円/月払
身近に起こる法律トラブルが不安…
ネットトラブル・いじめ問題・離婚トラブル
ストーカー被害・金銭トラブル・ハラスメント
騒音トラブル・消費者トラブル・医療過誤 など
弁護士保険ミカタであらゆるトラブルに備えましょう!
「もしもの高額な支払いに備える」弁護士保険とは?
弁護士保険とは、弁護士に相談・依頼する際の費用を補償してくれる保険です。
保険料の相場は月額3,000円程度です。そのため、30万円という着手金の相場額を考えると、保険に加入してから9年以内に弁護士に依頼すれば、元が取れます。
現代社会は、交通事故や離婚、労働問題など、さまざまな法律問題に見舞われがちです。そうした法律問題が降りかかってきた時に、弁護士保険に加入していれば弁護士に気軽に相談・依頼ができるので、問題の早期解決につなげられるでしょう。
弁護士保険を活用すると、法律相談料や着手金を全額補償してもらえる場合があるため、金銭的な不安も解消できます。弁護士への依頼に際して金銭的な不安を解消したい方は、弁護士保険に加入することをおすすめします。
「弁護士保険ステーション」では、弁護士保険取扱会社による4つの弁護士保険の「料金」「補償」「付帯サービス」などをわかりやすく比較できます。
保険によっては、保険加入後に弁護士保険に加入していることを示す「リーガルカード」や「ステッカー」が配布されるので、トラブルの抑止効果が期待できます。
そのほか、弁護士保険では、「弁護士紹介サービス」や「相談ダイヤルの設置」など、便利な付帯サービスが用意されています。
どの保険もサービスが充実しているので、ぜひ加入を検討してみてください。
| 法律相談料 | 偶発事故※3 | 一般事件※4 | 通算上限金額 |
|---|---|---|---|
| 100%※1 2.2万円/事案まで |
100%※1 300万円/事案まで |
80% 200万円/事案まで |
1,000万円 |
- ※1 実費相当額
- 単独型 弁護士保険 12年連続(2013~2024)No1!
- 家族特約でご家族の保険料は半額!
- 事業特約で取引先や顧客とのトラブル、また副業やフリーランス、個人事業でのトラブルも補償!
| 法律相談料 | 偶発事故※3 | 一般事件※4 | 通算上限金額 |
|---|---|---|---|
| 100%※1 2.2万円/事案まで |
100%※2 100万円/事案まで |
100%※2 100万円/事案まで |
1,200万円 |
- ※1 実費
- ※2 保険金は(基準額 - 免責金額)×100%です。
報酬金:(基準)×50%
- 20分間の無料弁護士相談など付帯サービスが充実
- 親が加入すれば18歳未満の子は自動的に補償!
- プランごとに報酬金の補償設定あり
| 法律相談料 | 偶発事故※3 | 一般事件※4 | 通算上限金額 |
|---|---|---|---|
| 実費 10万円を限度 |
実費 300万円を限度 |
補償対象外 | - |
- 保険開始から使用可能な痴漢冤罪/被害ヘルプコール付き
- 加害者になった時の対人/対物賠償保険付き
- 気軽に加入できるリーズナブルな保険料
\カンタン3社比較/


























