悪口を言いふらすと名誉毀損になる?|職場やSNSで悪口を言われた際の対処法
2025年01月8日
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元行政書士のフリーライター。
行政書士・土地家屋調査士の補助者を約10年務めたのち、行政書士として独立。
相続・遺言や農地関係、建設業許可などの業務に携わる。
現在はフリーライターとして、相続・遺言、離婚、不動産関連の記事や資格予備校のコラムなど、日々積極的に執筆活動を行っている。
「誰が読んでもわかる記事」を常に心がけている。
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「職場で不名誉な噂を流されて困っている」
「SNSやブログ、掲示板で秘密を拡散された」
など、同僚や知人に悪口を言いふらされて困っていませんか?
悪口を言いふらす行為は、要件をクリアすれば名誉毀損になります。
「悪口くらいで」と思うかもしれませんが、加害者への刑事告訴や損害賠償請求といった法的措置が可能です。
ただし、悪口を言いふらされれば必ず名誉毀損になるわけではないため注意が必要です。
また、刑事告訴や損害賠償請求にはそれぞれ時効があり、一定期間を過ぎると刑事告訴・損害賠償請求ができなくなることも覚えておきましょう。
この記事では、職場やSNSで悪口を言いふらされたときの対処法を解説します。
SNSで悪口を言いふらした相手を訴える際の流れも解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
記事の要約
- 悪口を言いふらす行為は、要件をクリアすれば名誉毀損罪になる
- 名誉毀損の被害を受けたら、加害者に刑事告訴や損害賠償請求が可能
- 時効完成後は刑事告訴や損害賠償請求ができない
- 被害に遭ったら、弁護士への早めの相談がおすすめ
悪口を言いふらすと名誉毀損になる
職場やSNSで悪口を言いふらす行為は、名誉毀損になる場合があります。
ただし、すべてのケースがあてはまるとは限りません。
ここでは、名誉毀損罪の成立要件や侮辱罪との相違点などを解説します。
名誉毀損罪の成立要件
名誉毀損罪の成立要件は以下のとおりです。
公然と | 不特定多数が見たり聞いたりできる状況か |
---|---|
事実の摘示 | 真実か嘘かに関係なく、特定の人物の社会的評価を下げる内容を具体的に示したか |
人の名誉を毀損した | 実際に被害はなくても、特定の人物の社会的評価が下がるおそれのある状況を生み出したか |
いくら「悪口を言われて精神的に傷ついた」と思っても、上記の要件をクリアしないと名誉毀損にはなりません。
一対一での会話や個人的なメール・LINEのやりとりの中で罵られても、不特定多数がその状態を認識できなければ「公然と」とはいえないためです。
また、前科を公表されれば社会的評価に影響するおそれがありますが、単に「◯◯は頭が悪い」と噂されただけでは具体性に欠けるうえ社会的評価が下がるとまではいえないでしょう。
ただ、「人の名誉を毀損した」といえるか否かは、実際に社会的評価が下がることまでは求められません。
たとえばSNSに特定の誰かを実名で誹謗中傷する書き込みをした場合、その人物の社会的評価を下げるおそれがあるなら、実際に被害を受けなくても充分名誉を毀損したと判断できるでしょう。
侮辱罪との違い
名誉毀損罪に似た犯罪に「侮辱罪」があります。
第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
引用元:刑法第二百三十一条|e-Gov法令検索
侮辱罪は、不特定多数の人に知れ渡るリスクのある状況で他者を侮辱した際に問われる罪です。
一対一で罵倒されたり、個人間のやりとりの中で悪口を言われたりしたときは、侮辱罪にはあたりません。
しかし公衆の面前や第三者に知れ渡るおそれのある状況で言われたとき、SNSで拡散された場合は成立する可能性が高いです。
対象となる言動には「バカ・ブス・デブ・キモい」などがあげられ、以下の行動を組み合わせることによって侮辱罪が成立します。
- 公共の場に貼り紙をする
- 大勢の前で罵る
- SNSに投稿する
- ブログのコメント欄に書き込む
- メルマガで発信する
名誉毀損罪との相違点は、事実の摘示の有無です。
前項で解説したとおり、名誉毀損罪の成立要件の1つは事実の摘示です。
ここでいう「事実」とは、本当か虚偽かではなく、社会的評価を下げる具体的な内容を指します。
たとえば「◯◯はアホ」「◯◯はブサイク」などの言動は具体性に欠けるため、侮辱罪にあたります。
一方、「◯◯は△△と不倫している」「◯◯が△△で万引きした」といった言動は具体的といえるため、たとえ虚偽でも名誉毀損罪成立の余地があるといえるでしょう。
どちらにあてはまるかは判断が難しいため、判断に迷ったら弁護士への相談をおすすめします。
名誉毀損罪・侮辱罪が成立した具体的な事例
職場やSNSなどで悪口を言いふらすことが、名誉毀損罪・侮辱罪に該当した例はいくつか存在します。
ここでは具体的な事例を紹介します。
職場やSNSで不名誉な噂を流された
職場やSNSで不名誉な噂を拡散された場合、名誉毀損にあたることがあります。
例を見てみましょう。
- ◯◯は上司と不倫しており、コネで出世した
- ◯◯は多重債務者で自己破産の手続きをした
- ◯◯は窃盗の常習犯で、◯◯がいると必ず誰かの持ち物がなくなる
上記の例は、いずれも職場やSNSという不特定多数の目や耳にとまるリスクのある場所で噂を流されています。
また、実名で具体的な内容を言いふらされています。
本当かどうかは別として、上記の噂が周囲で広まれば社会的評価が下がるおそれがあるため、充分名誉毀損になる可能性があるといえるでしょう。
人前で暴言を吐かれた
人前で暴言を吐く行為は、侮辱罪にあたる場合があります。
例を見てみましょう。
2. SNSの配信動画で「BM、ブタ」と放言された
3. 社内で同僚から「バカ」「仕事ができない」「給料泥棒」などと怒鳴られた
上記の例は路上やSNS、社内といった、他人の目や耳があるところで行われており、不特定多数に知れ渡るリスクがあるといえます。
ただし、具体性がないため名誉毀損は成立しません。
なお、上記のうち1、2は侮辱罪にあたり、各加害者に9,900円の科料が科されています。
参照:侮辱罪の事例集|法務省
悪口を言いふらされても名誉毀損にならないケースもある
悪口を言いふらされても、名誉毀損になるとは限りません。
ここでは、名誉毀損にならないケースについて解説します。
成立要件を満たしていない
悪口を言いふらされて精神的ダメージを受けても、「名誉毀損罪の成立要件」で解説した要件をクリアしなければ相手を罪に問えません。
例を見てみましょう。
- 相手と二人きりのときに罵られた
- 個人間でやりとりしているメールやLINEの中で悪口を言われた
- 「キモい」「ブサイク」と罵倒された
- SNSで噂を拡散されたが、「社会的評価が下がるおそれがある」とはいえない
上記の例は、すべて成立要件を満たしていません。
ただし、会話が外に漏れておりほかの従業員に知れ渡ってしまった場合や、メールの一斉送信・グループLINEで複数の人に拡散されたときは、「公然と」の要件が認められる余地があります。
その悪口が「自分のことを言っているのか」が特定できない
「自分のことを言っているのか」が特定できない悪口も、名誉毀損には該当しません。
名誉毀損罪の成立には、前章で紹介した3つの要件とは別に、「同定可能性」があることも重要になるためです。
第三者から見て、誰のことを指しているかが特定できること。
名指しで噂を広められたりSNSに投稿されたりした場合は「同定可能性がある」といえますが、第三者から見て誰のことを言っているのかわからないようであれば同定可能性があるとはいえません。
たとえばSNSに「◯◯は自己破産をした」と実名で書かれれば、誰のことを指しているかは一目瞭然です。
しかし「あの人は自己破産した」という書き方なら、「あの人」が誰を指すのかは書き込んだ本人にしかわからないため名誉毀損の要件を満たしません。
なお、実名ではなく、イニシャルやあだ名、SNSで使用しているハンドルネームなどで悪口を言いふらされたときでも、第三者がその人であると特定できるようなケースは同定可能性が認められ、名誉毀損罪が成立する可能性があります。
悪口の内容が「違法性阻却事由」に該当する
前章で解説した3つの要件を満たしていても、悪口の内容が「違法性阻却事由」に該当するなら名誉毀損にはあたりません。
本来は違法として扱われる行為だが、特別な事情によって例外的に違法を否定し、犯罪を成立させないこと。
刑法では、以下のように定められています。
第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
引用元:刑法二百三十条の二第一項|e-Gov法令検索
つまり、以下に該当するケースについては「名誉毀損罪として罰しない」ということです。
- 公共の利害に関する事実である
- 目的に公益性があると認められる
- 事実であることが証明されている
たとえば、政治家の汚職問題や企業の不祥事などがあげられます。
ただし、違法性阻却事由にあたるかどうかの見極めは、専門家でなければ難しいかもしれません。
わからなければ弁護士に相談し、判断を仰ぐとよいでしょう。
悪口を言いふらされたときにとれる法的手段
職場やSNSなどで悪口を言いふらされたことが名誉毀損にあたる場合、加害者に対して刑事上・民事上の責任を問えます。
ここでは、悪口を言いふらされたときにとれる法的手段について解説します。
刑事告訴をする
1つ目は刑事告訴をし、加害者に刑事上の責任を負わせる方法です。
流れは以下のとおりです。
2. 捜査が行われ、名誉毀損行為が明らかになれば刑事手続きが進む
3. 加害者が起訴される
4. 裁判が行われ、有罪判決が出れば加害者に刑事罰が下される
順番に解説します。
1.警察署に告訴状を提出する
まず、警察署に告訴状を提出します。
法律上はどこの警察署に提出してもよいことにはなっていますが、事件が発生した場所を管轄する警察署に提出するのがベストです。
別の地域の警察署に提出すると、管轄の署に提出するよう言われてしまう可能性が高いうえ、受け付けてくれたとしても時間や手間がかかるためです。
告訴状が受理されたら、警察の捜査がスタートします。
なお、刑事告訴をするときは、自分で告訴状を用意していなくても、警察署で話した内容を警察官がまとめてくれます。
引用元:刑事訴訟法第二百四十一条|e-Gov法令検索
その際、以下の内容を聞かれるため答えられるようにしておきましょう。
自分で告訴状を用意するなら、同様の内容を記載します。
- 被害者の氏名・住所・連絡先
- 加害者の氏名・住所・連絡先(わかる場合)
- 被害に遭った日時・場所
- 被害に遭った際の状況
- 被害の内容・程度
- 証拠や目撃者の情報
証拠がなければ受理してもらえません。
相手のSNSの投稿やLINEのやりとり、音声などがあれば提出しましょう。
自分で証拠を用意できない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
2.捜査が行われ、名誉毀損行為が明らかになれば刑事手続きが進む
警察によって捜査が行われ、その結果加害者の行為が名誉毀損にあたることが明らかになると、刑事手続きが進みます。
このとき逮捕に踏み切る場合もありますが、加害者に逃亡の可能性がなければ在宅での捜査が一般的です。
3.加害者が起訴される
捜査が終わると、事件は警察から検察庁に送致されます。
取調べの結果、起訴の必要性があると判断されると、検察官によって加害者が起訴され裁判が開始されます。
なお、不起訴になれば事件は終了し、裁判は開始されません。
4.裁判が行われ、有罪判決が出れば加害者に刑事罰が下される
裁判の末有罪判決が出れば、加害者に刑事罰が下され前科がつきます。
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
引用元:刑法第二百三十条|e-Gov法令検索
ただし無罪判決が出ると加害者は罪に問われないことになり、身柄を拘束されていた場合でも釈放されます。
民事上の損害賠償を請求する
2つ目は損害賠償を請求し、加害者に民事上の責任を負わせる方法です。
加害者に罰を与えるより謝罪や慰謝料を求めたいときは、こちらを選択することになります。
流れは以下のとおりです。
2. 弁護士が加害者と交渉し示談に向けて話し合う
3. 示談が成立しなければ調停・民事訴訟を行う
順番に解説します。
1.弁護士に相談する
まずは弁護士に相談しましょう。
自力で請求する場合、損害賠償を請求しようにも相場がわからなかったり、相手に請求した時点で相手が弁護士をつけたりする可能性があるためです。
相手に弁護士がついていると、相手の弁護士に丸め込まれてしまうおそれがあるため1人で対応するのはおすすめできません。
2.弁護士が加害者と交渉し示談に向けて話し合う
弁護士に正式に依頼すると、その後は弁護士が加害者側と交渉してくれるため、直接相手と会ったり話し合ったりする必要がなくなります。
知識や経験を活かし、戦略的に進めてくれるでしょう。
交渉の結果示談が成立すれば、損害賠償金の金額や支払方法などをまとめた「示談書」を弁護士に作成してもらい、事件は終了します。
なお、謝罪広告の掲載を相手に求める場合は、示談書に謝罪広告に関する内容も盛り込みます。
3.示談が成立しなければ調停・民事訴訟を行う
両者が合意できず、示談が成立しなかったときは、調停や訴訟で解決を目指します。
裁判所の調停委員を介して加害者と間接的に話し合う手続き。あくまでも話し合いによって解決を目指す。
裁判所の判断に委ねる方法。訴えが認められれば、加害者に損害賠償の支払いが命じられる。
調停や訴訟となると裁判所への手数料がかかるほか、弁護士費用も高額になる可能性があります。
示談交渉を行う前に、弁護士と方針をしっかり打ち合わせておく必要があるでしょう。
SNSで悪口を言いふらした相手を名誉毀損で訴える際の流れ
SNSで悪口を言いふらした相手を名誉毀損で訴えるときは、以下の流れで進めます。
2. 方針を決める
3. 悪口を言いふらした相手を特定する
4. 告訴状の提出・損害賠償請求をする
順番に解説します。
1.証拠をそろえる
まずは、名誉を毀損されたことが証明できる証拠をそろえましょう。
たとえば、以下のものが有力な証拠になります。
- SNSの投稿や書き込み、コメントのスクリーンショット、Webページのデータなど
- 加害者の情報(アカウント名やユーザー名、ID、URLなど)
- その投稿や書き込みの閲覧数・コメント数など
重要なのは、削除される前に証拠を押さえることです。
投稿を消されてしまうと、有力な証拠を失ってしまうことになるためです。
証拠がなければ刑事告訴を受理してもらえず、損害賠償請求も認めてもらえない可能性が高くなります。
どこまで押さえる必要があるかは投稿された場所にもよるため、名誉毀損にあたる投稿や書き込みを見つけたら、弁護士に内容を確認してもらい指示を受けるのがよいでしょう。
なお、投稿や書き込みのスクリーンショットは、パソコンで撮るのがおすすめです。
スマートフォンでは、画面上にすべて表示されないことがあるためです。
WebページをPDFで保存しておくとよいでしょう。
2.方針を決める
加害者に刑事責任・民事責任のどちらを問うか、方針を決めておきましょう。
前章で解説したとおり、名誉毀損の被害に遭ったときにとれる法的措置には、刑事告訴と民事上の損害賠償請求があります。
どちらか一方ではなく、両方問うことも可能です。
大切なのは、「自分が相手にどうしてほしいか」です。
罰を受けてほしいなら刑事責任を問う方法、謝罪や慰謝料を求めるなら民事責任を問う方法というように、今後どのように進めたいかを考えておくことをおすすめします。
どうすればよいかわからないときは弁護士に相談し、アドバイスを受けながら決めるとよいでしょう。
3.悪口を言いふらした相手を特定する
加害者が特定できているならよいですが、どこの誰かわからないなら相手を特定しなければなりません。
告訴状を出すにも損害賠償を請求するにも、加害者の情報が必須であるためです。
告訴状は、相手が特定できていない場合でも「氏名不詳・住所不明」として提出できますが、やはり特定できていなければ告訴は難しいと考えたほうがよいでしょう。
相手を特定するには「プロバイダ責任制限法」に基づいて、裁判上で発信者情報を開示請求する必要があります。
X(旧Twitter)のコンテンツプロバイダやブログの管理者に直接情報開示請求する方法もありますが、任意で開示請求に応じてくれるケースはあまりなく、裁判上で請求するのが一般的です。
なお、発信者情報開示請求は裁判所での手続きになるため、弁護士に対応を依頼するのがおすすめです。
開示請求が認められると、まず問題の投稿のIPアドレスやタイムスタンプが開示されます。
その後、開示された情報をもとにアクセスプロバイダに対して契約者情報の開示請求をすると投稿者の氏名・住所がわかりますが、ここでも任意で開示してくれないことが多いです。
そのため、再度裁判上での開示請求が必要になる可能性が高いでしょう。
開示請求が認められ、アクセスプロバイダから開示を受けると投稿者の氏名・住所がわかります。
4.告訴状の提出・損害賠償請求をする
ここでようやく告訴状の提出や損害賠償請求ができます。
それぞれの方法については、「悪口を言いふらされたときにとれる法的手段」を参考にしてください。
なお、告訴状の提出や損害賠償請求は、自分でも手続き可能です。
しかし、スムーズに手続きを進めたい場合や望んだ結果を実現できる可能性を少しでも高めたいなら、弁護士の力を借りたほうがよいでしょう。
悪口を言いふらされたときの注意点
悪口を言いふらされたときは、以下の点に注意しましょう。
- 時効を過ぎると刑事告訴や損害賠償請求ができなくなる
- 名誉毀損罪も侮辱罪も自分で行動しなければ罪に問えない
それぞれ解説します。
時効を過ぎると刑事告訴や損害賠償請求ができなくなる
時効を過ぎてしまうと、刑事告訴や損害賠償請求ができなくなる点に注意が必要です。
気にしなければならない時効は、名誉毀損罪の公訴時効、損害賠償請求の時効、親告罪の告訴期間の3つです。
名誉毀損罪の公訴時効 | 犯罪行為が終わったときから3年 |
---|---|
親告罪の告訴期間 | 加害者を知ったときから6カ月 |
損害賠償請求の時効 | 加害者を知ったときから3年または不法行為のときから20年 |
まず、加害者を知ったときから6カ月経つと、「親告罪の告訴期間」の定めによって刑事告訴できなくなります。
被害者が告訴しなければ検察官が起訴できない犯罪のことで、名誉毀損罪や侮辱罪も該当する。つまり、被害者が告訴しなければ犯罪が成立しないため加害者を罪に問えない。
一定の期間を過ぎると告訴できなくなること。
また、加害者がわからなくても、犯行から3年で名誉毀損罪の公訴時効が完成し、刑事告訴できなくなります。
一方、損害賠償請求の時効は、上記のとおり加害者を知ったときから3年または不法行為のときから20年です。
つまり、加害者が誰であるかを知ってから3年経つと損害賠償請求できなくなり、加害者を知らなくても犯行から20年経つと損害賠償請求権が消滅するということです。
刑事責任・民事責任のどちらを問うにしても時効がつきまとうため、法的な解決を望むならできるだけ早く動き出したほうがよいでしょう。
名誉毀損罪も侮辱罪も自分で行動しなければ罪に問えない
名誉毀損罪も侮辱罪も、自分で行動を起こさなければ加害者を罪に問えません。
前項で解説したとおり、名誉毀損罪も侮辱罪も告訴があってはじめて検察官が起訴できる「親告罪」にあたるためです。
つまり、自分が告訴しなければ、泣き寝入りするしかなくなるということです。
法的に相手を罰したい、慰謝料を支払ってほしいといった気持ちがあるなら、勇気を出して一歩踏み出してみましょう。
悪口を言いふらされたら弁護士に相談しよう
職場やSNSで名誉毀損行為を受けたら、弁護士に相談するのがおすすめです。
名誉毀損に関する手続きを弁護士に相談・依頼するメリットは以下のとおりです。
- 損害賠償請求の手続きを一任できる
- 相手との示談交渉をしてくれる
- 手続きをスムーズかつ有利に進められる可能性がある
- 刑事事件になった場合もサポートしてもらえる
- ネット上で加害者が特定できない場合に、情報開示請求も任せられる
ただし、当然ですが弁護士に依頼すると費用がかかります。
金額はそれぞれのケースや依頼する事務所にもよりますが、高額になることもあるため「弁護士費用が払えないかもしれない」という人も多いでしょう。
このような場合でも、「弁護士保険」に加入していれば弁護士費用が保険によって補償されるため、少しの自己負担で済む可能性があります。
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参照:【2025年】弁護士保険を比較 人気ランキングから保険料、補償比較|トラブル別でおすすめの弁護士保険をご紹介|弁護士保険ステーション
まとめ
悪口を言いふらすと名誉毀損になる可能性があることや職場やSNSで悪口言われたときの対処法について解説しました。
職場やSNSで悪口を言いふらされ、それが「公然と・事実を摘示し・人の名誉を毀損させた」という要件にあてはまる場合、名誉毀損に該当します。
名誉毀損行為を受けたら刑事上・民事上で加害者に罪を問えますが、証拠集めや相手の特定など、自分だけでは対応しきれないケースもあります。
自力では難しいと感じたら、弁護士への相談を検討しましょう。
弁護士に対応を依頼すると、手続きはもちろん加害者との交渉や加害者を特定するための発信者情報開示請求、証拠集めへのアドバイスなどもしてもらえます。
刑事告訴や損害賠償請求には時効があるため、できるだけ早く相談することをおすすめします。
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