カスハラ被害を訴えるまでの流れとは?裁判例や有効なカスハラ防止策も紹介!
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- 大学を卒業後、地方新聞社で経済、行政記者として活動する。法律分野については、通信制大学での勉強のほか、フリーランスとして弁護士事務所の案件をこなす中で目覚める。2025年に行政書士事務所を開業。
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カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客や取引先からのクレーム・言動のうち、クレーム・言動の要求内容や要求を実現するための手段・態様が社会通念から著しく外れた迷惑行為です。カスハラを放置すると、離職者が相次いだり、業務効率が低下したりする悪影響が職場に及ぶとされています。
カスハラによる被害を最小化するためには、民事上あるいは刑事上の措置を通じてカスハラ加害者を法的に訴えることが重要です。法的手段によって特定の加害者によるカスハラが停止するほか、加害者に対する損害賠償も可能となります。
一方、カスハラをどう訴えればよいかその手順がわからず、提訴や告訴に二の足を踏んでいる企業経営者は少なくありません。
そうした実情を踏まえ、本記事では、企業がカスハラに対して毅然として態度で法的対応を取れるよう、カスハラ被害を訴えるまでの流れについて解説します。裁判例や有効なカスハラ防止策についても解説するため、参考にしてください。
記事の要約
- カスハラとは、顧客という優位な立場を利用し、従業員に対して言いがかりや理不尽なクレーム・侮辱などをする迷惑行為
- カスハラ被害は証拠の収集、弁護士への相談、示談交渉といった流れを経て、ようやく提訴に至る
- カスハラ被害を最小化するには、相談窓口の設置や被害防止のマニュアル整備などが重要
- カスハラ被害の解決を弁護士に任せると、被害拡大を防げたり、本業に集中できたりする
カスハラとは?
カスハラとは、顧客という優位な立場を利用し、従業員に対して言いがかりや理不尽なクレーム・侮辱などをする迷惑行為です。
カスハラには、規制する法律がないこともあり、法的な定義がありません。それでも、厚生労働省は、カスハラについて、次のように定義しています。
出典:厚生労働省カスタマーハラスメント対策企業マニュアル作成事業検討委員会「 カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」
厚労省の定義で注目すべきは、実際の加害行為に関して、内容の妥当性と手段・態様の両方を判断基準にしている点です。つまり、定義にクレーム自体が妥当でも、従業員に暴言を吐いたり、性的な発言をしたりするといった形で手段が妥当でなければ、カスハラに該当することになります。
就業環境が害されると明記されている点も注目に値します。ここでいう「就業環境が害される」とは、労働者が人格や尊厳を侵害する言動により身体的・精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなり、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどの支障が生じることです。
顧客の言動・行為をカスハラと認定するうえでは、それらの言動・行為の結果として就業環境が害されたかどうかも考慮すべきだとされています。
カスハラが企業に及ぼす悪影響
カスハラが企業に及ぼす影響については、次のようなものがあります。
| 従業員への影響 |
|---|
| ・業務のパフォーマンス低下 ・健康不良(頭痛、睡眠不良、精神疾患、耳鳴り、など) ・現場対応への恐怖、苦痛による従業員の配置転換、休職、退職 |
| 企業への影響 |
| ・時間の浪費(クレームへの現場での対応、電話対応、謝罪訪問、弁護士への訪問、など) ・業務上の支障(顧客対応によって他業務を行えない、など) ・人員確保(従業員離職に伴う従業員の新規採用、教育コスト、など) ・金銭的損失(商品、サービスの値下げ、慰謝料要求への対応、代替品の提供、など) ・店舗、企業に対する他の顧客などのブランドイメージの低下 |
| 他の顧客等への影響 |
| ・来店する他の顧客の利用環境、雰囲気の悪化 ・業務遅滞によって他の顧客等がサービスを受けられない、など |
出典:厚生労働省カスタマーハラスメント対策企業マニュアル作成事業検討委員会「 カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」
カスハラがもたらす負の影響のうち、最も深刻なのは、従業員の離職意向や離職率の高まりです。
実際、パーソル総合研究所が2024年に行った調査によれば、カスハラ経験者3,000人のうち、カスハラ被害を受けて「仕事を辞めたいと思った」と回答した割合は38.0%に上りました。また、37.5%が「次の転職時は顧客やり取りの無い仕事につきたい」と回答しています。

出典:株式会社パーソル総合研究所「 カスタマーハラスメントに関する定量調査」
また同調査では、1年以内のカスハラ被害あり層と被害なし層を比較した場合、被害あり層は「他の会社に転職したい」「今の会社を辞めたい」といった転職意向が1.8〜1.9倍高いことが判明しています。年間の離職率平均も1.3倍高いという調査結果も出ました。

出典:株式会社パーソル総合研究所「 カスタマーハラスメントに関する定量調査」
これらの調査結果を鑑みると、カスハラが頻発する職場では、人が次々と辞めていくうえに、求職者が集まりにくく、慢性的な人手不足にも陥っているといえます。
実際に企業が受けたカスハラの具体例
実際に企業が受けたカスハラの具体例には、次のようなものがあります。
| 時間拘束 |
|---|
| ・1時間を超える長時間の拘束、居座り ・長時間の電話 |
| リピート型 |
| ・頻繁に来店し、その度にクレームをつける ・度重なる電話 ・複数部署にまたがる複数回のクレーム |
| 暴言 |
| ・大声、暴言で執拗にオペレーターを責める ・店内で大きな声をあげて秩序を乱す ・大声での恫喝、罵声、暴言の繰り返し |
| 正当な理由のない過度な要求 |
| ・言いがかりによる金銭要求 ・私物の故障についての金銭要求 ・遅延したことによる運賃の値下げ要求 ・備品を過度に要求する ・制度上対応できないことへの要求 ・契約内容を超えた過剰な要求 |
| 脅迫 |
| ・脅迫的な言動、反社会的な言動 ・物を壊す、殺すといった発言による脅し ・SNSやマスコミへの暴露といったほのめかした脅し |
| セクハラ |
| ・特定の従業員へのつきまとい ・従業員へのわいせつ行為や盗撮 |
出典:厚生労働省カスタマーハラスメント対策企業マニュアル作成事業検討委員会「 カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」
カスハラのうち、特に被害件数として多いのが、暴言や脅迫です。実際、パーソル総合研究所が行った前述の調査によれば、カスハラの被害内容は、「暴言や脅迫的な発言(60.5%)」が最も多く、「威圧的・乱暴な態度(57.7%)」、「何度も電話やメールを繰り返す(17.2%)」と続いています。

出典:株式会社パーソル総合研究所「 カスタマーハラスメントに関する定量調査」
カスハラの判断基準
厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」によれば、カスハラの判断基準には、次の2つがあります。
2. 要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲か
①については、まず顧客等の主張にかかる事実関係、因果関係を確認するほか、要求の正当性や自社の過失の有無などを精査したうえで、顧客等の主張が妥当であるかを判断します。
たとえば、顧客が購入した商品に明白な傷や汚れ、故障がある場合、謝罪とともに代替品の提供に応じることは妥当です。しかし、商品・サービスに瑕疵があっても、度を超えるとカスハラだと判定されます。
一方、②については、顧客等の要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲であるかを確認します。要求内容に妥当性があっても、その言動が暴力的、威圧的、継続的、差別的、性的である場合は、社会通念上不相当であると考えられ、カスハラとみなされるでしょう。
カスハラを訴えることができる?
相手方が示談交渉に応じない場合、カスハラを受けた企業は法的手段を用いて、相手方を訴えることが可能です。
相手方を訴える方法には、民事上の措置と刑事上の措置の2種類があります。ここからは、それぞれ解説するため、参考にしてください。
民事上の措置でカスハラを訴える
顧問弁護士を介してカスハラに対する警告文を送っても、カスハラ行為が止まらない場合は、民事上の措置でカスハラを訴えることになります。
民事上の措置とは、最終的に判決によって解決を図る民事訴訟や、法的に現状を固定したり、一定の地位を仮に認めさせたりする仮処分などです。
これらの民事上の措置を講じるうえで考えられる要求には、次のようなものがあります。
- 店舗への架電や訪問といった行為を禁止するよう仮処分を申し立てる(架電禁止の仮処分命令申立て)
- カスハラによって生じた損害について損害賠償を請求する(カスハラで生じた風評被害に対する賠償や従業員のカスハラ対応で生じた残業代など)
- カスハラに対応する義務がないことを確認してもらう(債務不存在確認訴訟など)
このほか、裁判官や調停委員といった第三者を介して、話し合いをする民事調停でカスハラ問題の解決を目指す方法もあります。
刑事上の措置でカスハラを訴える
刑事上の措置では、カスハラ加害者を刑事告訴するという方法があります。
刑事告訴とは、犯罪の被害者が、警察や検察に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示です(刑事訴訟法第230条)。カスハラが次に紹介する犯罪に該当する場合は、刑事告訴を検討してください。カスハラが次に紹介する犯罪に該当する場合は、刑事告訴を検討してください。
- 傷害罪(刑法第204条):従業員を殴打する、従業員に足蹴りする
- 暴行罪(刑法第208条):従業員に物を投げつける、唾を吐く
- 脅迫罪(刑法第222条):従業員や従業員の親族に危害を加えるような言動を行う
- 恐喝罪(刑法第249条):従業員を大声でしつこく責め立て、金銭を要求する
- 強要罪(刑法第223条):従業員に謝罪の手段として土下座するよう強要する
- 名誉毀損罪(刑法第230条):多数の人がいる前で従業員の名誉を傷付ける言動を行う
- 侮辱罪(刑法第231条):従業員の人格を否定するような言動を行う
- 威力業務妨害罪(刑法第234条):大声を上げる、机を叩く
- 不退去罪(刑法第130条):従業員に店舗から退去するように言われたにもかかわらず、正当な理由なく長時間にわたって居座り続ける
出典:東京都産業労働局雇用就業部「カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)」
そのほか、軽犯罪法で、日常生活の道徳規範に反する軽微なものが処罰の対象とされており、カスハラに類する行為がさまざまな法律・規制に抵触する可能性があります。
カスハラ被害を訴えるまでの流れ
カスハラ被害を訴えるまでの流れは次のとおりです。
2. 弁護士に相談する
3. 弁護士を通じて示談交渉を持ち掛ける
4. 訴訟の手続きを進める
これらの時系列に沿って対応を進めると、トラブルを解決できる可能性が高まります。ぜひ参考にしてください。
カスハラ被害を受けている証拠を集める
法的手段でカスハラを解決する場合は、弁護士などの法律の専門家に相談する前に、カスハラ被害の証拠を集めなければなりません。
証拠になるものとして有効なのは、次のとおりです。
- カスハラ被害を受けている音声データや通話記録
- カスハラに対応した日時や時間の記録
- カスハラ被害を受けている様子を撮影した防犯カメラの映像や画像
- カスハラ被害を受けた従業員に精神的な不調が生じた場合は診断書
このほかにも、集められそうな証拠は、客観的に証明できる形でそろえておきましょう。
加害者の来店や訪問によってカスハラ発生が予想できる場合は、「録音や録画を取らせていただきます」と伝えると、相手がクールダウンする可能性があります。なお、承諾なしに記録しても、相手を特定できる形でインターネット上に公開しない限り、法律上の問題は生じません。
弁護士に相談する
企業としてカスハラを訴える方針が固まったら、弁護士に相談しましょう。
民事上の措置を取るか、刑事告訴するかは、弁護士の意見を聞いたうえで決めることをおすすめします。
弁護士は実際にカスハラで損害が出ている場合は民事訴訟として損害賠償請求を、架電や訪問を止めさせたい場合は仮処分命令申立てを提案してくれるでしょう。また、暴力行為やセクハラなど、悪質性が高いカスハラを受けた場合は、刑事告訴を提案してくれます。
いずれにせよ、どのような法的手段を取るかは、弁護士と相談したうえで決めましょう。
弁護士を通じて示談交渉を持ち掛ける
いきなり法的措置に出るのではなく、委任契約を締結した顧問弁護士を通じて示談交渉を持ち掛けるのも1つの選択肢です。
弁護士は、紛争・訴訟解決の専門家です。深刻な紛争・訴訟にならないよう、紛争解決を念頭に窓口対応や代理交渉に努めてくれます。
示談交渉では、顧問弁護士は不当な金銭要求に対してはっきりと「ノー」と返答してくれるほか、相手側と話し合い、和解による解決を図ってくれる場合があります。弁護士が法定代理人として対応すると聞き、引き下がってくれるケースもあるでしょう。
訴訟の手続きを進める
相手方が示談交渉に応じない場合は、訴訟の提起、あるいは刑事告訴の準備を進めていきます。
法的な手続きを進めるにあたっては、顧問弁護士とよく連携することが重要です。具体的には、より効果的な訴状や告訴状を作ってもらうために、打ち合わせを重ねるほか、提出する証拠を提供しましょう。
カスハラ関連の裁判例
カスハラ関連の裁判例には、次のようなものがあります。
- 電話での対応や面談の要求などの禁止を認めた裁判例
- カスハラ対策としての取引停止処分の正当性を認めた裁判例
- 従業員に対する安全配慮義務違反が争点になった裁判例
裁判例がわかれば、いざ提訴したときの判決も予測しやすくなります。ぜひ参考にしてください。
電話での対応や面談の要求などの禁止を認めた裁判例
電話での対応や面談の要求などの禁止を認めた裁判例には、大阪地方裁判所判決平成28年6月15日判決があります。
この裁判は、大阪市が多数回にわたって情報公開請求したり、応対した職員に暴言を浴びせたりした男性に対し、面談強要行為等の差止めを求めるとともに、対応にかかった職員の人件費相当の損害賠償を求めた事案です。
裁判所は、不法行為に基づく損害賠償の請求だけではなく、平穏に業務を遂行する権利に基づいて、妨害行為の差止めを請求できると解するのが相当と判断。この判断に基づき、電話での対応や面談の要求、被告の質問に対する回答の強要、大声、罵声を浴びせたりしてはならない旨の言い渡しのほか、80万円の損害賠償請求も認めました。
カスハラ対策としての取引停止処分の正当性を認めた裁判例
カスハラ対策としての取引停止処分の正当性を認めた裁判例には、東京地裁令和元年11月29日判決があります。
この裁判は、獣医師に対する付きまとい行為のあった飼い主の診療を拒否したことにつき、飼い主から動物病院と獣医師に対し、診療義務違反を含む損害賠償請求がされた事案です。獣医師法第19条第1項に規定される診療義務の違反の有無が争点となりましたが、裁判所は、診療義務には正当な理由があり、診療義務違反は成立しないとして、原告の請求を棄却しました。
従業員に対する安全配慮義務違反が争点となった裁判例
カスハラを巡っては、被害を受けた従業員がカスハラ対策が不十分であり、安全配慮義務に欠けるとして、雇用主を訴える場合があります。そんな従業員に対する安全配慮義務違反が争点となった裁判例には、横浜地裁川崎支部令和3年11月30日判決があります。
この裁判は、NHKの視聴者対応のコールセンター業務を受託する企業の女性職員が、視聴者からの暴言やわいせつ発言に対し、企業が十分に対応しなかったとして企業を訴えた事案です。
この事案で、被告の企業は誤解に基づく申し出や苦情を訴える顧客への対応について、入社時にテキストを配布して苦情を申し出る顧客への初期対応を指導したうえで、サポートデスクや近隣店舗のマネジャーに連絡できるようにしていました。また、わいせつ発言や暴言、著しく不当な要求から従業員の心身の安全を確保するためのルールを策定したうえで、ルールに沿って対処していました。
これらの事情を踏まえ、裁判所は企業にただちに民事・刑事などの法的措置をとる義務があると認められないとして、安全配慮義務違反の主張を退けました。
カスハラ被害を訴える前に企業が取るべき対応
カスハラ被害を訴える前に企業が取るべき対応には、次の4つがあります。
- 取組姿勢の明確化、従業員への周知・啓発
- 相談窓口の設置
- 被害防止のマニュアル整備
- 従業員への研修の実施
これらの対策を取ることで、カスハラ被害を最小化できる可能性が高まります。ぜひ参考にしてください。
取組姿勢の明確化、従業員への周知・啓発
まずは企業として、カスハラを撲滅する旨の方針を明確化したうえで、トップ自らが発信することが重要です。
企業としてカスハラ対策の基本方針や基本姿勢を明確にすることで、企業が従業員を守り、尊重しながら業務を進めるという安心感が従業員に育まれます。企業の姿勢が明確になることで、カスハラを受けた従業員や周囲の従業員も、トラブル発生に関する発言がしやすくなり、結果、トラブルの再発につながるでしょう。
相談窓口の設置
カスハラに対して適切に対応できるよう、気軽に相談できる相談対応者を決めたり、相談窓口を設置したりしましょう。
相談対応者や相談窓口については、実際に従業員が利用できるものでなければなりません。また、従業員が利用しやすいよう、面談だけでなく、電話やメールなど、複数の方法で相談を受けられる体制を整備しましょう。
被害拡大防止のマニュアル整備
カスハラが起きたときに対応できるよう、被害拡大防止を目的としたマニュアルを整備しておきましょう。
マニュアルに盛り込むべき内容は、従業員がカスハラを受けた場合の顧客等への対応例です。対応例を作成する際は、カスハラ加害者に複数名で対応する、一次対応者に代わって現場監督者が対応するといった形で、従業員の安全に配慮した内容を記載しましょう。
また、カスハラにはさまざまなパターンがあります。したがって、それぞれの状況に応じた柔軟な対応例をマニュアルに盛り込むことが欠かせません。また、状況によっては警察や弁護士への連携が考えられることから、あらかじめさまざまな想定をしておくことが重要です。
従業員への研修の実施
カスハラに対応できるよう、日頃から研修を通じて従業員への教育研修を実施することが大切です。
研修に盛り込むべき内容としては、既定の対応方法や手順、カスハラ加害者への接し方へのポイントといった接客実務に関する内容が挙げられます。このほか、研修に盛り込むべき内容は次のとおりです。
- 悪質なクレームの定義や行為例
- カスハラの判断基準やその事例
- パターン別の対応方法
- 苦情対応の基本的な流れ
- 顧客等への接し方のポイント(謝罪、話の聞き方、事実確認の注意点など)
- 記録の作成方法
- 各事例における顧客対応での注意点
- ケーススタディ
出典:厚生労働省カスタマーハラスメント対策企業マニュアル作成事業検討委員会「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」
従業員以外にも、経営層や上司、現場監督者といった相談対応者への教育・研修を行いましょう。
カスハラ被害を訴える際に弁護士へ相談するメリット
カスハラ被害の解決を弁護士に一任すると、企業は被害拡大を防げる可能性があります。弁護士が法定代理人として矢面に立つと、さすがの加害者も訴訟リスクをおそれ、カスハラ行為を停止せざるを得ないためです。
弁護士に示談交渉から法的手続きまでの一連の対応を任せることで企業が得られるメリットは、事案の解決だけではありません。企業は訴訟にかかる書類の整備や裁判所での口頭弁論といった法的手続きを能動的にする必要がなくなり、本業に集中できるでしょう。
また弁護士と問題発生前から顧問契約を締結していれば、弁護士がカスハラ問題が起きた際の法的リスクを最小限に抑える方法について適切なアドバイスをしてくれます。
カスハラ被害で弁護士に対応を任せる際は事業用弁護士保険に加入しておくのがおすすめ
カスハラ被害で弁護士に対応を任せる際は事業用弁護士保険に加入しておくことをおすすめします。
事業型弁護士保険とは、悪質なクレーマーや代金未払いなど、事業上のトラブルに対する弁護士費用を補償する弁護士保険です。平生より加入しておくと、トラブル対応に際して弁護士を利用する場合に費用を補償してもらえます。
たとえば、ミカタ少額短期保険株式会社が提供する「事業者のミカタ」は、弁護士費用を9割負担してもらえます。1,000万円の損害賠償請求事件に際して61万円の着手金と法律相談料がかかった場合、55.1万円を負担してくれるとのことです。
このほか、事業型弁護士保険には、弁護士直通ダイヤルや弁護士紹介サービスといった付帯サービスもあります。
まとめ
カスハラは従業員に過度に精神的なストレスを与えると同時に、通常の業務に悪影響をおよぼすなど、企業の経営環境の悪化を招く重大な課題です。したがって、企業はカスハラに対して従業員を守るだけでなく、悪質な場合は法的措置を辞さない厳正な態度で臨む対応が求められます。
法的措置を取る場合は弁護士に相談しましょう。労働法制や刑法に精通した弁護士はカスハラの発生予防や被害拡大を念頭に置いた対応を取り、企業をカスハラから守ってくれます。
また、カスハラ対策に際して企業と契約を締結する場合は、事前に事業型弁護士保険に加入しておくことをおすすめします。事業型弁護士保険に加入しておけば、突発的な弁護士費用が発生しても、費用負担を最小限に抑えられるでしょう。
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