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自動車保険の弁護士特約は日常生活で使える?対象範囲や弁護士保険との違いを解説

自動車保険の弁護士特約は日常生活で使える?対象範囲や弁護士保険との違いを解説

この記事を書いた人

鷹見ゆり
鷹見ゆり
元行政書士のフリーライター。
行政書士・土地家屋調査士の補助者を約10年務めたのち、行政書士として独立。
相続・遺言や農地関係、建設業許可などの業務に携わる。
現在はフリーライターとして、相続・遺言、離婚、不動産関連の記事や資格予備校のコラムなど、日々積極的に執筆活動を行っている。
「誰が読んでもわかる記事」を常に心がけている。

「自動車保険に付いている弁護士特約って、日常生活のトラブルでも使えるの?」
「弁護士保険とはどう違うの?」

自動車保険に付帯している弁護士費用特約は、自動車事故の際にかかった弁護士費用を補償してくれるものです。
契約の内容によっては、自転車事故やペットの咬傷事件といった日常のトラブルもカバーできる場合があります。
ただし多くの場合、労働問題や離婚、相続など、けがや物損を伴わないトラブルは対象になりません。
それに対して弁護士保険は、幅広い法律トラブルを対象としており、弁護士費用特約では対応できない分野のトラブルも補償される場合があります。
本記事では、弁護士費用特約の基本的な仕組みや補償内容、弁護士保険との違いについて解説します。
最後まで読めば、弁護士費用特約でどこまでカバーできるのか、弁護士保険も含めてどのように備えるべきかがわかるでしょう。

記事の要約
  • 弁護士費用特約は弁護士への相談・依頼費用が補償される特約
  • 日常生活型なら自転車事故やペットの咬傷事件なども対象になる
  • けがや物損を伴わないトラブルは対象外になることが多い
  • 交通事故や日常のけが・物損だけなら特約で十分

自動車保険の弁護士費用特約とは?

弁護士費用特約とは、弁護士への相談・依頼にかかる費用を、あらかじめ決められた上限額の範囲で補償してもらえる特約です。
自動車保険にオプションとして付帯するのが一般的ですが、ほかにも火災保険や傷害保険、個人賠償責任保険などに特約としてセットできる商品もあり、日常生活のトラブルに備えるタイプも増えています。
弁護士に相談すると30分あたり5,000〜1万円程度、依頼すると着手金や報酬金などを含めて百万円近い費用がかかることも珍しくありません。
しかし弁護士費用特約を付帯していれば、こうした費用の大部分を保険会社が負担してくれるため、費用面の不安から弁護士への相談を諦めずに済むでしょう。
ここでは、弁護士費用特約の基本と、自動車事故型・日常生活型の違いについて解説します。

弁護士費用特約の基本

弁護士費用特約は、法律トラブルが起きたときに発生する以下のような弁護士費用を、一定の上限額まで保険でまかなえるオプションです。

  • 法律相談費用
  • 依頼費用(着手金・報酬金・日当・実費など)

法律相談料は1回の事故につき補償対象者1名あたり10万円まで、依頼費用も1名あたり300万円まで補償される商品がほとんどで、上限額を超えなければ基本的に全額補償されます。
一般的な個人トラブルであれば、自己負担なく依頼できるケースが大半でしょう。
また、多くの商品では、契約者本人だけでなく、同居家族や別居している未婚の子どもなどにも適用されます。
ただし、特約が使えるのは、主に自分や家族が被害者として相手に損害賠償を請求するケースです。
中には、事故の加害者になり刑事事件として扱われた場合の弁護士費用まで補償される商品もありますが、加害者側として利用できないことのほうが多い点に注意が必要です。
さらに商品によっては、保険会社が紹介する弁護士に依頼しないと補償の対象にならないこともあり、保険会社への事前承認も必要です。
自己判断で先に弁護士へ相談・依頼してしまうと保険が使えないおそれがあるため、まずは保険会社に連絡することを徹底しましょう。

「自動車事故型」と「日常生活型」の違い

自動車事故型と日常生活型の違いは、補償される事故の範囲が「自動車に関わる事故に限定されるか、日常生活全般の事故まで広げるか」にあります。

自動車事故型 走行中の衝突や駐車場での接触など、自動車の運行に関わる事故で被害者になった際の弁護士費用をカバーするタイプ
日常生活型 自動車事故に加え、日常生活で起こる偶然の事故によってけがや物の損害が生じたケースも対象になるタイプ

このように、日常生活型では日常生活で起こるトラブルも補償の対象になりますが、自動車事故型では車以外のトラブルは原則として補償されません。
日常生活で対象となるトラブル例については、次章で詳しく解説します。

弁護士費用特約は日常生活で使える?対象となるトラブル例

では、日常生活型の弁護士費用特約を付帯していた場合、どのようなシーンで特約を利用できるのでしょうか?
ここでは、弁護士費用特約が日常で使えるケースと使えないケースを紹介します。

弁護士費用特約が日常で使えるケース

弁護士費用特約が日常で使える可能性があるのは、例えば以下のようなケースです。

  • スマートフォンを操作しながら走行していた自転車にはねられてけがをしたため、相手に治療費や慰謝料を請求したい
  • 他人の飼い犬に噛まれてけがをしたため飼い主に治療費を請求したいが、相手が交渉に応じてくれない
  • マンションの上階からの水漏れで自宅の家具や家電が水浸しになったが、上階の住人が被害額を支払ってくれない
  • 駐輪場に停めていた自転車を近隣住民に壊されたため修理費を請求したいが、相手が交渉に応じてくれない
  • 財布やバッグなどの貴重品を盗まれ、その後加害者が捕まったため損害賠償を請求したい

このように、日常で起きた思いがけない事故によって、けがを負ったり物が損害を受けたりした場合に対象になります。
ただし、上記はあくまでも一例です。
実際に利用できるかどうかは保険会社や契約内容によって異なるため、必ずしも対象になるとは限らない点に注意しましょう。

また、盗難に遭ったケースでは、加害者が特定できており、警察に被害届を提出していることが条件です。
加害者がわからない場合は特約を利用できない可能性があるため、保険約款を確認することをおすすめします。

弁護士費用特約が日常で使えないケース

日常生活型の弁護士費用特約でも、以下のようなトラブルについては補償されないことが一般的です。

  • 離婚や婚約破棄、夫婦・親子関係などの身分関係に関するトラブル
  • 遺産分割や遺留分紛争など、相続に関するトラブル
  • 職場でのパワハラやセクハラ、解雇など労働関係に関するトラブル
  • SNSやネット上での誹謗中傷、名誉毀損など人格権が中心となるトラブル
  • 純粋な金銭貸借トラブルなど、けがや物損を伴わないもの

このようなトラブルはけがや物の損害が前提ではないため、多くの場合弁護士費用特約の補償対象外とされています。
日常生活型の弁護士費用特約は、偶然の事故によるけがや物損のトラブルを想定した補償です。
そのため、人間関係や契約上のトラブルには使えないことが多いと理解しておきましょう。
自分が遭ったトラブルが対象になるかどうか判断に迷ったら、約款を確認したうえで保険会社に問い合わせることをおすすめします。

弁護士費用特約の選び方と確認しておきたいポイント

弁護士費用特約を効果的に活用するには、自分や家族の契約内容を把握しておく必要があります。
ここでは、契約時や見直し時にチェックしておきたいポイントを紹介します。

【契約タイプ(自動車事故型or日常生活型)】
自分の契約が自動車事故型・日常生活型のどちらに該当するかを確認しましょう。契約前であれば契約のしおり、契約後は保険証券や、保険会社のマイページなどで確認できます。
「自動車事故型になっているが日常生活のトラブルにも備えたい」という場合は、日常生活型に変更できないか、保険会社や代理店に相談してみるとよいでしょう。

【補償上限額】
法律相談料が10万円まで、着手金や報酬金などの依頼費用が300万円までとされている商品がほとんどです。(いずれも1回の事故につき補償対象者1名あたりの上限)
念のため、自分の契約でいくらまで補償されるか確認しておきましょう。

【家族の適用範囲】
弁護士費用特約は、被保険者本人だけでなく以下の家族にも適用されるのが一般的です。

  • 配偶者
  • 被保険者本人・配偶者の同居の親族
  • 別居している未婚の子ども

家族のうち誰かが特約を付帯していれば、ほかの家族も補償を受けられる場合があります。
複数の保険で重複して加入していないか、一度整理しておきましょう。

【事前承認の徹底】
弁護士に相談・依頼する前に、事前承認が必要です。承認を得ずに依頼してしまうと特約が使えない可能性があるため、トラブルが起きたときは、まず保険会社に連絡することを徹底しましょう。
【等級への影響】
弁護士費用特約を利用しても、自動車保険のノンフリート等級には影響しません。
そのため、対象となるトラブルに見舞われたときは、等級ダウンを気にせず積極的に特約の利用を検討してもかまいません。

なお、弁護士費用特約では補償されない分野のトラブル(労働問題・離婚・相続・近隣トラブル・誹謗中傷など)に備えたいなら、弁護士保険など別の補償もあわせて検討すると安心です。

弁護士保険との違いは?カバー範囲を比較

弁護士費用特約と似た仕組みに「弁護士保険」があります。
どちらも弁護士への相談・依頼にかかる費用を補償するものですが、カバーできる範囲や加入形態が異なります。
ここでは、弁護士保険の基本や弁護士費用特約との違い、どちらを選ぶべきかの判断ポイントを見ていきましょう。

弁護士保険とは

弁護士保険とは、日常的に起こるさまざまな法律トラブルに備えるための保険商品です。
トラブルが発生する前に加入しておくことで、弁護士への相談費用や依頼費用の一部を補償してもらえます。
対象範囲は幅広く、交通事故や人身傷害事故などの特定偶発事故に加え、弁護士費用特約では対象外とされることが多い労働問題や離婚、相続、近隣トラブル、誹謗中傷といった一般事件も補償されるのが一般的です。
また、多くの場合は月額数千円程度の保険料で加入できます。

弁護士費用特約と弁護士保険の違い

弁護士費用特約と弁護士保険は、どちらも弁護士への相談費用や依頼費用を補償してもらえる点では共通しています。
しかし、加入方法やカバーできるトラブルの範囲など、以下のような違いがあります。

項目 弁護士費用特約 弁護士保険
加入方法 自動車保険などの契約に特約として付帯 弁護士保険単体で加入
対応範囲 自動車事故・日常生活での事故など、主にけがや物損を伴うトラブルが中心 労働トラブルや離婚、相続、近隣トラブル、誹謗中傷など、幅広い法律トラブルを対象とする商品が多い
費用 月額数百円〜1,000円程度(保険本体に含まれる) 月額2,000円〜3,000円程度
補償上限 法律相談料10万円、依頼費用300万円が一般的(1回の事故・補償対象者1名あたり) 商品によるが、相談料は100%、着手金や報酬金は50〜90%程度補償されるものが多い

弁護士費用特約は、低コストで備えられる一方で、主に交通事故や日常でのけが、物損トラブルに対象が限られます。
これに対して弁護士保険は、独立した商品であるため保険料は弁護士費用特約よりも高めですが、より幅広い法律トラブルへの備えができる点が特徴です。

弁護士費用特約と弁護士保険、どちらがおすすめ?

どちらが適しているかは、どのようなトラブルに備えたいかによって異なります。
弁護士費用特約で十分といえるのは、例えば以下のようなケースです。

  • 主に自動車事故や自転車事故、ペットの咬傷事件、漏水事故などに備えたい
  • 離婚や相続、労働問題などのトラブルは想定していない
  • 費用を抑えたい

一方で、以下に該当する場合は弁護士保険への加入がおすすめです。

  • 職場でのトラブルや将来の離婚、相続問題に不安がある
  • 近隣トラブルやSNSでの誹謗中傷など、人間関係や情報発信に関するトラブルに備えたい
  • 日常的に法律トラブルのリスクが高いと感じている

自動車事故やけが・物損を伴う日常生活上の事故だけに備えたいのであれば、まずは弁護士費用特約の付帯を検討するのがおすすめです。
しかし、弁護士費用特約では対象にならない分野にも不安を感じているなら、弁護士保険の加入も選択肢に入れるとよいでしょう。
トラブルの種類や起こりやすさに応じて、自分に合った補償を選ぶことが大切です。

まとめ

弁護士費用特約の対象範囲や弁護士保険との違いについて解説しました。
弁護士費用特約は、弁護士への相談費用や依頼費用を一定の上限額まで補償してくれる特約であり、自動車保険や火災保険などに付帯して利用するのが一般的です。
自動車事故に加えて、日常生活での偶発的な事故にも対応できる日常生活型を選べば、自転車事故や他人のペットに噛まれたといった身近なトラブルでも補償の対象になります。

しかし労働問題や離婚、相続、近隣トラブル、誹謗中傷などの、けがや物損を伴わないトラブルについては、多くの商品で対象外とされています。
弁護士費用特約でカバーできない分野のトラブルに不安がある場合は、弁護士保険への加入も視野に入れつつ、自分の生活スタイルに合った備え方を検討しましょう。

自動車保険の弁護士特約(日常生活型)に関するよくあるご質問

弁護士特約(日常生活型)はどのような時に使えますか?

日常生活で起きた偶然な事故により、他人から損害賠償を請求された場合や、逆に損害を被った場合に使えます。

具体的には自転車事故や欠陥商品による被害、物損を伴う事故などが対象です。

弁護士特約(日常生活型)と弁護士保険の違いは何ですか?

弁護士特約は損害保険に付帯する特約であり、主に交通事故や日常でのけが、物損トラブルに対象が限られます。

一方、弁護士保険は単独の保険商品で、離婚や相続など幅広い法的トラブルに対応できる点が特徴です。

弁護士特約(日常生活型)は家族も使えますか?

多くのプランで契約者本人だけでなく、配偶者や同居の親族、別居の未婚の子も補償対象となります。

一つの契約で家族の分もカバーされるため、非常にコストパフォーマンスが高い特約です。

弁護士特約(日常生活型)を利用するとノンフリート等級に影響はありますか?

弁護士特約の利用はノーカウント事故として扱われます。

そのため、ノンフリート等級には影響せず、翌年の保険料が上がることはありません。

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