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少額訴訟にはデメリットはある?注意点についても解説

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少額訴訟にはデメリットはある?注意点についても解説

この記事を書いた人

鷹見ゆり
鷹見ゆり
元行政書士のフリーライター。
行政書士・土地家屋調査士の補助者を約10年務めたのち、行政書士として独立。
相続・遺言や農地関係、建設業許可などの業務に携わる。
現在はフリーライターとして、相続・遺言、離婚、不動産関連の記事や資格予備校のコラムなど、日々積極的に執筆活動を行っている。
「誰が読んでもわかる記事」を常に心がけている。

「知人に貸したお金が返ってこない」
「とはいえ少額であるため、弁護士を雇って裁判を起こすのは気が引ける」
という状況から、「少額訴訟」を検討している人もいるのではないでしょうか。
少額訴訟は、弁護士に依頼せず自分で手続きできる簡易的な訴訟です。
しかし簡易的とはいっても、ある程度制度について学んだうえで不備がないよう提起すべき点や、敗訴しても「控訴」できないところなど、いくつかデメリットが存在します。
この記事では、少額訴訟のデメリットや注意点について解説します。
手続きの流れや費用、必要書類についても丁寧に解説しているため、少額訴訟を検討している人はぜひ参考にしてください。

記事の要約

  • 「少額訴訟」とは、60万円以下の金銭を請求する際に利用できる簡易的な裁判のこと
  • 少額訴訟には、「書類や証拠に不備がないよう注意する必要がある」「控訴できない」といったデメリットがある
  • 一方で、「勝訴の可能性が高い」「時間・費用をかけずにできる」といったメリットもある

「少額訴訟」とは

「少額訴訟」とは、60万円以下の金銭を請求する場合に限って利用できる簡易的な裁判のことです。
たとえば建物の明渡請求や物の引渡し、登記の請求といった内容では利用できません。
裁判官の判断で2回目の期日が指定されることもありますが、原則は一度の期日で審理が終了するため、問題の早期解決が期待できます。

訴状の提出先 簡易裁判所
利用できるケース 元本が60万円以下の金銭の請求
※利息・遅延損害金は含まない
少額訴訟に向いているトラブル ・敷金返還請求
・個人間での金銭の貸し借り
・未払い給料の請求
・商品代金の未払い請求

参照:少額訴訟|裁判所

通常の訴訟と少額訴訟は何が違う?

通常の訴訟と少額訴訟の違いは以下のとおりです。

  通常の訴訟 少額訴訟
訴訟の目的 制限なし 金銭の請求に限られる
訴訟額 制限なし 60万円以下
控訴 できる できない
※異議申し立ては可能
判決にかかる時間 数カ月〜数年かかる可能性がある 基本的に即日
回数制限 なし 年間10回まで
直接送達か公示送達か 直接送達・公示送達 直接送達
裁判費用 ケースによる
※高額になる場合もあり
1万円程度
証拠調べ 制限なし 時間がかかる証拠調べはできない
反訴 できる できない
裁判所の種類 簡易・家庭・地方・最高裁判所 簡易裁判所
裁判の雰囲気 法廷にて厳粛な雰囲気の中行われる 円卓を囲んで和やかに行われる

このように、通常訴訟と少額訴訟にはさまざまな違いがあります。
なお、「控訴」「反訴」の概要は以下のとおりです。

【控訴とは】
第一審の判決に納得できない場合に、判決を下した裁判所ではなく、それより上級の裁判所に不服を申し立てること。
【反訴とは】
原告(訴えた側)が起こした訴訟の中で、被告(訴えられた側)が原告を訴え返すこと。

裁判費用に関しては、少額訴訟なら手数料に郵便切手代を含めても1万円程度で済みますが、通常訴訟は訴訟額に制限がないため一概に「いくら」とはいえません。
ただし少額訴訟でも、弁護士に手続きを依頼する場合は別途弁護士費用がかかります
通常訴訟は手続きが複雑で専門知識が必要になるため、弁護士に依頼するケースがほとんどです。
訴訟額によっては、裁判費用も弁護士費用も高額になる可能性があります。
手数料は、以下のとおり訴訟額に応じて異なります。

訴訟額 手数料
10万円まで 1,000円
20万円 2,000円
30万円 3,000円
40万円 4,000円
50万円 5,000円
60万円 6,000円
100万円 1万円
500万円 3万円
1,000万円 5万円

参照:手数料額早見表|裁判所

少額訴訟を行うデメリット

少額訴訟を行うデメリットは以下のとおりです。

  • 書類や証拠に不備がないよう注意する必要がある
  • 通常に移行する可能性がある
  • 敗訴したときに「控訴」ができない
  • 審理は基本的に1度しか行われない
  • 原告側に有利な判決が出るとは限らない
  • 1年間に提起できる回数が決まっている

それぞれ解説します。

書類や証拠に不備がないよう注意する必要がある

少額訴訟の手続きを自分で行うなら、書類や証拠に不備がないよう注意する必要があります。
少額訴訟は訴訟額が小さいため、弁護士に頼らず自分で対応するケースがほとんどです。
通常訴訟よりも簡単にできる手続きですが、訴訟のための書類作成や証拠集めを自分でするとなると、神経を使います。
訴訟でうまく主張できない場合や有効な証拠を提出できないときは、敗訴する可能性があるためです。
さらに少額訴訟は控訴できないため、債権が回収できなくなるかもしれません。
そのため、相手がどのように反論してくるかを想定したうえで、主張や証拠をしっかり準備するべきでしょう。
おすすめは、弁護士の無料相談を受けることです。
正式に依頼しなくても、アドバイスをもらっておきましょう。

通常訴訟に移行する可能性がある

少額訴訟を提起しても、通常訴訟に移行する可能性があります。

(通常の手続への移行)
第三百七十三条被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。
引用元:民法第三百七十三条|e-Gov法令検索

通常訴訟に移行するのは、たとえば以下のケースに該当した場合です。

  • 被告が審判を拒否したり通常訴訟を希望した
  • 裁判官が通常訴訟で審理すべき問題であると判断した

被告が通常訴訟を希望している場合、その理由は問われません。
原告は拒否できず、はじめから通常訴訟を提起したケースと同様に扱われます。
また、裁判官の判断によっても通常訴訟に移行します。
通常訴訟に移行した際の注意点は、複雑な書類の作成や裁判所への度重なる出頭など、当事者に大きな負担がかかる点です。
そのため弁護士に対応を依頼するのが望ましいですが、費用面の問題から通常訴訟に移行すると困るケースもあるでしょう。
その場合は、少額訴訟を取り下げるのも1つの手段です。

敗訴したときに「控訴」ができない

敗訴したときに「控訴」できないのも、少額訴訟のデメリットの1つです。
つまり、勝訴しても敗訴しても、その時点で判決は確定します。

(異議)
第三百七十八条少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は第二百五十四条第二項(第三百七十四条第二項において準用する場合を含む。)の調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。
引用元:民法第三百七十八条|e-Gov法令検索

ただし相手にもいえることであるため、考えようによってはメリットであるかもしれません。
なお、上級裁判所に不服を申し立てる「控訴」は認められなくても、判決を下した裁判所に直接不服を申し立てる「異議申し立て」は可能です。
注意点は、異議を申し立てても、必ずしも判決が覆るとは限らないことです。
また、覆ったとしても、初回の判決よりよい結果になるという保証はなく、異議申し立てできる回数も一度きりと決まっています。
少額訴訟を行うなら、勢いで申し立てるのではなく、敗訴する可能性はないかをよく検討してから実行すべきでしょう。

審理は原則一度しか行われない

審理が原則一度しか行われない点も、場合によってはデメリットになり得るでしょう。
迅速な解決が期待できる反面、「一度しかチャンスがない」ともいえるためです。
勝訴できるかどうかがその「一度」にかかっていると考えると、プレッシャーに感じる人もいるでしょう。
また、証拠も一度で揃える必要があります。
たとえば通常訴訟のように、訴訟を進めながら証拠集めをし、あとから証拠を追加していくなどということは不可能です。
そのほか、証人に証言してもらうなら、期日当日に証人を呼ばなくてはなりません。

原告側に有利な判決が出るとは限らない

原告側に有利な判決が出るとは限らないところも、少額訴訟のデメリットとして挙げられます。
少額訴訟は、債権者の負担を軽くするのが目的です。
そのため裁判所は、強制執行しなくて済むよう分割払いや支払い猶予、遅延損害金の免除など、債務者が自主的に支払いやすい判決を出すことがあります。
たとえば原告は「一括で返済してもらいたい」と思っていても、希望どおりになるとは限りません。
通常訴訟では一括払いが基本で遅延損害金も請求できます。
しかし少額訴訟では、完済までに時間がかかるリスクや途中で支払いが止まってしまったり遅延損害金が請求できなくなったりなど、原告に有利といえない判決が出る可能性もあることを念頭に置いておきましょう。

1年間に提起できる回数が決まっている

少額訴訟では、同じ人や法人が同一の簡易裁判所に提起できるのは「1年間に10回まで」と決まっています。
とはいえ、貸金業者でもない限り、1年に10回以上少額訴訟を起こすとは考えられないため、デメリットになるケースはあまりないでしょう。
念のため、知識として知っておきましょう。

少額訴訟を行うメリット

少額訴訟を行うメリットは以下のとおりです。

  • 弁護士に依頼しなくても自分で対応できる
  • 勝訴の可能性が高い
  • 時間や費用をかけずにできる
  • 勝訴すると「強制執行」ができるようになる

それぞれ解説します。

弁護士に依頼しなくても自分で対応できる

少額訴訟のメリットの1つは、弁護士に依頼しなくても自分で充分対応できるところです。
少額訴訟は通常訴訟よりも簡易的な手続きです。
もちろん準備やある程度の知識は必要ですが、複雑な書類の作成や高度な知識までは求められません。
また、裁判官や司法委員、書記官と当事者が円卓を囲み、比較的和やかな雰囲気で進められるため、弁護士がついていなくても不安を感じにくいでしょう。
通常訴訟であれば、弁護士の力を借りずに行うのは困難です。
そのため、もし通常訴訟に移行するなら弁護士への相談を検討したほうがよいですが、少額訴訟で決着がつく問題であれば、1人で問題なく対応できるでしょう。

勝訴の可能性が高い

勝訴の可能性が高いところも、少額訴訟のメリットの1つです。
少額訴訟では、8〜9割の確率で原告側が勝訴するといわれています。
原告側が勝訴しやすい理由として、以下のことが挙げられます。

  • 専門知識がなくても提起できる
  • 証拠が不十分でも主張が通る可能性がある

また、和解によって解決するケースも多く、3割以上の事件が和解しています。
「迅速・円満な解決を目指す」という観点から、裁判所から和解を勧められることも少なくありません。
和解できればより早期に解決でき、敗訴も回避できます。
妥協しなければならない部分が出てくる可能性もありますが、お互いが歩み寄ることで、相手が約束を守ってくれやすくなったり関係性の悪化を防げたりといった効果も期待できるでしょう。

時間や費用をかけずにできる

時間や費用をかけずに訴訟を提起できる点も、少額訴訟のメリットといえるでしょう。
前述のとおり、少額訴訟は1回の審理で終了します。
例外もありますが、通常訴訟のように何度も出頭する必要はありません。
審理自体も30分〜2時間程度で完了するため、あっという間に決着がつきます。
また、弁護士に依頼しなければ費用も1万円程度で済みます。
訴訟額が10〜20万円であれば、1万円もかかりません。
何より、勝訴すれば裁判費用は被告に請求できるため、実質0円で申し立てられる場合もあるでしょう。
少額訴訟の費用については「少額訴訟にかかる費用」、費用負担については「少額訴訟の費用は誰が負担する?」でそれぞれ詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。

勝訴すると「少額訴訟債権執行」ができるようになる

少額訴訟で勝訴すると「仮執行宣言」が与えられ、「少額訴訟債権執行」ができるようになります。

【仮執行宣言とは】
裁判を経ることなく強制執行ができるようになること。

【少額訴訟債権執行とは】
少額訴訟の原告が勝訴した・裁判上で和解したにもかかわらず、被告が金銭を支払ってくれないときに、裁判所が被告に対して強制的に請求権を行使すること。
たとえば財産や預貯金口座を差し押さえ、そこから債権を回収する。
一般的に行われる「強制執行」よりも簡単に手続きできる。

つまり、少額訴訟で勝訴すれば、約束どおり被告が金銭を支払ってくれない場合に、裁判を経ることなく被告の財産を差し押さえられるということです。
被告の財産を差し押さえる際は、少額訴訟で勝訴したときに裁判所から交付される「少額訴訟判決正本」が必要になります。
なお、勝訴したときだけでなく、和解によって解決した場合でも、和解時に作成した「和解調書」をもって強制執行が可能です。
参照:少額訴訟債権執行とは?|裁判所

少額訴訟を行う際の流れ

少額訴訟は以下の流れで行われます。

  誰が行うか 何を行うか
1 原告 裁判所に訴訟を提起する
2 裁判所 ・訴状を受け付け、審査を行う
・審理の日程を決める
・訴状の副本・呼出状・答弁書・証拠書類を被告に発送する
3 被告 訴状の副本・呼出状・答弁書・証拠書類を受け取る
4 被告 答弁書・証拠書類を裁判所に提出する
5 裁判所 被告の答弁書を受理する
6 原告 被告の答弁書・証拠書類を受け取る
7 原告・被告 追加の証拠書類を提出し、証人を準備する
8 原告・裁判所・被告 審理
9 裁判所 和解案の提示・判決
10 原告・被告 異議申し立て(判決に異議がある場合)
11 原告 少額訴訟債権執行

参照:少額訴訟|裁判所

訴訟の提起は、訴状と証拠書類を裁判所に提出することで行います。
簡易裁判所は訴状を審査し審理の日程を指定したら、被告に対して訴状や呼出状、証拠書類を郵送し、書類を受け取った被告は答弁書や証拠書類を裁判所に提出します。

【答弁書とは】
訴状に対する反論を書き、裁判所に返送する書類のこと。
答弁書を期日までに提出せず審理にも出席しない場合、原告の主張を認めたとみなされ欠席裁判になる可能性がある。

審理では、原告と被告がそれぞれ自分の言い分を述べ、裁判所は双方の言い分や証拠をもとに判断します。
ただし和解が成立すれば、判決を得ることなく審理は終了します。
ケースにもよりますが、被告も審理に出席しているときは、裁判官から和解案を提示されるのが一般的です。
和解に合意しなかった場合は、原則その日のうちに判決が下されます。
なお、原告も被告も、判決の内容に納得いかなければ判決を下した裁判所に対して「異議申し立て」が可能です。
期限は「判決を受け取った日の翌日から2週間以内」であるため、必ず期限内に申し立てましょう。
その後、被告が和解した内容や判決に従わないときは、少額訴訟判決や和解の内容を実行するための「少額訴訟債権執行」が行えます。

少額訴訟にかかる費用と必要書類

少額訴訟には、どのような費用や書類が必要なのでしょうか。
ここでは、少額訴訟にかかる費用と必要書類について解説します。

少額訴訟にかかる費用

少額訴訟には、以下の費用がかかります。

訴訟手数料(収入印紙代) 訴訟額によって異なる

・〜10万円:1,000円
・20万円:2,000円
・30万円:3,000円
・40万円:4,000円
・50万円:5,000円
・60万円:6,000円

予納郵券代(郵便切手代) 裁判所によって異なる

【例】
・東京簡易裁判所:6,000円
(内訳:500円×8枚・110円×10枚・100円×5枚・50円×5枚・20円×5枚・10円×5枚)

※相手方が1人増えるごとに+2,440円
(内訳:500円×4枚・110円×4枚)

その他費用 ・交通費
・証拠書類のコピー代
・証人の日当
・弁護士費用など

参照:郵便切手一覧表(東京簡易裁判所)|裁判所

このように、少額訴訟にはさまざまな費用がかかりますが、証人を手配したり弁護士に依頼したりしなければ、1万円程度で済むケースがほとんどです。
なお、「予納郵券代」とは、裁判所が被告に訴状の副本などを郵送する際にかかる費用です。
裁判所によって金額や内訳が異なるため、以下の「電話番号一覧」から管轄の簡易裁判所に確認することをおすすめします。
参照:各地の裁判所の所在地・電話番号等一覧|裁判所

少額訴訟の必要書類

少額訴訟には、以下の書類が必要です。

訴状 正本1通+被告の人数分の副本

事件名や原告・被告の氏名・住所・勤務先などを記載

印鑑 ・個人:認印
・法人:代表者印
証拠書類の写し 契約書や借用書、見積書など
身分証明書 ・当事者が法人:登記事項証明書
・当事者が未成年:親権者の戸籍謄本

※戸籍謄本は市町村役場、登記事項証明書は法務局またはオンラインで取得可能

参照:少額訴訟|裁判所

訴状は書式が決まっています。
裁判所のホームページでダウンロードしたものや、裁判所に備えつけてあるものを使用しましょう。
また、正本1通に加え、被告の人数分の副本が必要です。
「正本」「副本」といっても、同じもので構いません。
被告が複数人いる場合は、人数分用意しましょう。
参照:民事訴訟・少額訴訟で使う書式|裁判所

少額訴訟の費用は誰が負担する?

少額訴訟の費用は、基本的に敗訴したほうが負担します。
ただし、敗訴したほうが支払うのは、少額訴訟に関するすべての費用ではありません。
支払ってもらえる費用と自分で支払う費用は、それぞれ以下のとおりです。

支払ってもらえる費用 ・訴訟費用(訴訟手数料・予納郵券代)
・当事者・代理人・証人の日当(1日3,950円)
・当事者・代理人・証人の交通費(最低額300円・1kmごとに30円を加算)
自分で支払う費用 弁護士費用

弁護士費用は、勝訴しても相手方に支払ってもらえません。
「敗訴したほうが全額支払う」というものではない点に注意しましょう。

少額訴訟を行う際の注意点

少額訴訟を行う場合、どのような点に注意すべきなのでしょうか。
ここでは、少額訴訟を行う際の注意点について解説します。

相手の所在がわからない場合は提起できない

訴訟を提起したくても、相手の所在がわからなければ提起できません。
少額訴訟に限らず、訴訟を行う際は、被告となる相手に対して訴状の副本や呼出状などを送付し、訴訟が提起されたことを知らせなければならないためです。
ただし勤務先がわかれば、住所ではなく勤務先に訴状を郵送すればよいため訴訟を提起できます。
「氏名+住所(または勤務先)がわからないと訴訟を起こせない」と覚えておきましょう。
もし住所も勤務先もわからないなら、自力での調査は困難です。
そのようなときは弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士であれば、職権で住民票を取得したり、弁護士会照会を利用して電話番号から氏名や住所を確認したりといったことが可能です。
まずは無料相談を受けてみるとよいでしょう。

弁護士に依頼すると費用倒れになる可能性がある

弁護士に依頼した場合、費用倒れになる可能性があります。
前述のとおり、少額訴訟は60万円までの金額しか対象にならない手続きです。
そのため回収できる金額よりも、弁護士費用が上回ってしまうケースも考えられます。
とくに通常訴訟に移行すると、費用倒れのリスクが高まります。
訴訟を提起する前に、費用について弁護士に細かく確認しておいたほうがよいでしょう。
なお、「弁護士保険」に加入している場合は、自己負担額を大幅に減らせる可能性があります。

【弁護士保険とは】
法的トラブルで弁護士に相談・依頼した場合にかかった費用が保障される保険のこと。
保険会社がやプランによって保障内容は異なるが、債権回収や賃金未払いなど、少額訴訟向きの案件にも対応しているものが多い。

勝訴しても債権を回収できるとは限らない

勝訴して相手に支払命令が出ても、債権を回収できるとは限らない点にも注意が必要です。
結局は、相手が借金を踏み倒せばそれ以上回収できなくなるためです。
中には、「支払う気はあるが経済状況が悪化して支払えなくなった」というケースもあるでしょう。
少額訴訟に勝訴しても相手が判決に従わないときは、相手の財産を差し押さえるしかありません。
その場合、相手の財産調査を行い、相手の銀行口座を把握する必要があります。
相手の財産がわからなければ、財産を差し押さえられず債権の回収ができないためです。
なお、相手の銀行口座は、「第三者からの情報取得手続」を利用することで調査できます。
弁護士会経由で銀行口座を調査できる「弁護士会照会」という方法もありますが、弁護士会照会を利用できるのは、訴訟手続きを弁護士に依頼したケースです。
「銀行口座の調査だけを弁護士に依頼し、弁護士会照会を利用する」ということはできない点に注意しましょう。
「第三者からの情報取得手続」については、裁判所のホームページを参照してください。
参照:第三者からの情報取得手続|裁判所

まとめ

少額訴訟のデメリットや注意点について解説しました。
少額訴訟は自分でも行える簡易的な手続きです。
また、費用をかけずに提起できるため、「請求額が60万円以下だから少額訴訟を提起しよう」と考える人もいるでしょう。
しかし、「自分でできる簡易的な訴訟」とはいっても、どのような手続きなのかを学んだうえで取り掛かる必要があり、通常訴訟に移行した場合のことも視野に入れて行わなければなりません。
また、提起したからといって必ずしも原告に有利な判決になるとは限らない点や、勝訴しても相手が支払いをやめてしまえばそれ以上回収できなくなるリスクも理解しておく必要があるでしょう。
少額訴訟を行うなら、依頼する・しないは別として、弁護士に相談してから進めることをおすすめします。

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