ホワイトハラスメントとは?2026年調査で分かった実態とよくある事例を解説
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元弁護士の専業ライター。
弁護士として8年間、民事・家事・刑事事件・企業法務など幅広い分野の案件を担当。
現在は法律専門のライターとして、法的トラブルに悩む一般の方から企業法務担当者まで、幅広い読者に向けて執筆している。
難しい法律用語や制度をかみ砕き、誰が読んでも理解できる「わかりやすい法律記事」を心がけている。
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近年、「パワハラ」や「セクハラ」などのハラスメント対策が企業に強く求められるようになりました。その一方で、ハラスメントを過度に恐れるあまり、上司が必要な指導を避けてしまうという、いわゆる「ホワイトハラスメント(ホワハラ)」が職場で問題視されています。
仕事上の注意の仕方、チャット中心のやり取りなど、一見「優しさ」に見える対応が、かえって部下の成長機会を奪ってしまうケースもあります。
本記事では、ホワイトハラスメントの意味やパワハラとの違い、2026年のアンケート調査から見えた実態、よくある事例や対処法までをわかりやすく解説します。
企業の人事担当者や管理職の方はもちろん、職場で「指導が足りない」と感じている方もぜひ参考にしてください。
記事の要約
- 「ホワイトハラスメント」とは近年過度な配慮で指導を避けること
- 指導を控える行為は「過小要求型パワハラ」に当たる可能性がある
- 改善しない場合は社内相談や弁護士相談も有効な選択肢となる
ホワイトハラスメントとは?意味と定義をわかりやすく解説
近年、企業のハラスメント対策が進む一方で、「指導が弱くなりすぎている」という新たな課題も指摘されています。以下では、ホワイトハラスメント(ホワハラ)の意味と背景、パワハラとの違いを整理します。
ホワイトハラスメントの定義
ホワイトハラスメントとは、ハラスメントと受け取られることを過度におそれ、上司や企業が必要な指導・注意・業務命令を避ける行為を指す言葉です。
法律上の正式な用語ではありませんが、次のような場面で使われます。
- ミスをしても具体的な注意をしない
- 明らかな能力不足でも指摘を避ける
- 業務改善のための厳しいフィードバックをしない
一見すると「優しい」「配慮がある」対応に見えますが、結果的に部下の成長機会を奪ったり、職場全体の生産性を低下させたりする可能性があります。
パワハラ(パワーハラスメント)との違い
ホワイトハラスメントは「配慮しすぎて指導や仕事を与えない状態」を指す言葉ですが、内容によっては、パワーハラスメントとして問題になる行為の一つである「過小な要求」に該当する可能性があります。
厚生労働省はパワハラの類型の一つとして、能力や経験とかけ離れた程度の低い業務しか与えない行為(過小な要求)を挙げています。
過剰な配慮を理由に、
- 重要な仕事を任せない
- 能力に見合わない軽微な業務のみ命じる
- 成長機会やキャリア形成を妨げる
といった状態が続く場合、実質的にはこの「過小な要求」に当たります。
このような場合、ホワイトハラスメントは単なる配慮の問題ではなく、民法上の不法行為や労働契約法上の安全配慮義務違反として違法と評価され、損害賠償責任が生じる可能性があります。
アンケート調査で分かった「ホワイトハラスメント」の実態
ホワイトハラスメントは概念として語られることが多いものの、実際に職場でどの程度起きているのかは見えにくい問題です。そこで参考になるのが、上司・部下双方の意識を調べた調査結果です。2026年に実施された株式会社エレメントの調査では、「厳しくできない上司」と「もっと指導してほしい部下」のギャップが明らかになりました。
調査結果によると、ハラスメント対策の進展により指導の萎縮が生じている実態が確認できます。過度な配慮が成長機会の不足につながらないよう、企業は「適切に伝える指導文化」を整備する必要があります。
上司の約7割が、ハラスメントを恐れて指導を「ためらっている」
株式会社エレメントの2026年調査によると、「本来はもっと厳しく指導すべきと思いつつ、ハラスメント(パワハラ)と言われることを恐れて指導を控えた経験はありますか」という質問に対し、68.34%の上司が「ある」または「意識して手加減する」と回答しました。
- 頻繁にある:11%
- たまにある:25.67%
- あまりないが、意識して手加減することはある:31.67%
- 全くない(または厳しく指導している):31.67%

この結果から、多くの上司が「指導したいが、パワハラと受け取られることが怖い」という葛藤を抱えていることが分かります。特に「意識して手加減することはある」が3割を超えている点は、指導萎縮が広く浸透していることを示しています。
“ゆるい職場”の部下の過半数が、実は「もっと指導してほしい」
一方、部下側に対し「上司の指導についての本音」(複数回答)を尋ねたところ、次のような結果となりました。
- チャットやメールだけでなく、対面で納得感のあるフィードバックがほしい:26.98%
- 指導が抽象的、あるいは放置されていると感じる:17.46%
- ミスをしても過剰に配慮され、成長の機会を奪われていると感じる:12.70%
- ハラスメントを恐れているのか、もっと踏み込んだ指導(厳しい指摘)をしてほしい:6.35%
- 現在の指導に満足している:45.24%

満足している層が約45%いる一方で、半数以上の部下が「指導の量・質」に何らかの課題を感じていることがわかります。
特に「対面で納得感のあるフィードバックがほしい」が最多となっている点から、単に指導が少ないだけでなく、コミュニケーションの質への不満も存在していると考えられます。
これらの結果は、ホワイトハラスメントが単なる上司側の問題ではなく、職場全体の指導文化やコミュニケーションのあり方に関わる課題であることを示しています。
ホワイトハラスメントの事例
ホワイトハラスメントによる過度な配慮や指導回避によって部下の成長機会や職場環境に影響が出るケースが多く報告されています。以下では、企業現場でよく見られるホワイトハラスメントの典型例を紹介します。
ミスをしても具体的に注意しない
部下が業務ミスをしても、「強く言うとパワハラになるかもしれない」と考え、曖昧な指摘や軽い注意にとどめるケースです。
たとえば、
- 「次から気をつけてね」としか言わない
- ミスの原因や改善方法を伝えない
- 再発しても深く指摘しない
といった対応です。
このような状況では、本人が何を改善すべきか理解できず、同じミスを繰り返す可能性があります。結果として評価が下がる場合、部下にとっては不利益につながります。
問題行動があっても指導せず放置する
遅刻や業務態度、能力不足などの問題があっても、指導や注意を避けて関わらなくなるケースです。
- 注意や面談をしない
- 改善指導を行わない
- 評価も曖昧なままにする
一見すると「干渉しない配慮」に見えますが、本人の改善機会を奪い、職場の不公平感を生む可能性があります。
重要な仕事を与えず成長機会を奪う
トラブルや指導を避けるために、問題が起きそうな業務を与えないケースです。
- 顧客対応から外す
- 責任のある仕事を任せない
- 難しい業務を別の社員に回す
これは「配慮」のつもりでも、長期的にはキャリア形成に悪影響を及ぼす可能性があります。場合によっては不利益取扱いと評価されるリスクもあります。
コミュニケーションを避ける(対面指導をしない)
ハラスメントリスクを避けるため、指導や注意をチャットやメールだけで行うケースも増えています。
しかし、真意が伝わりにくい、納得感が得られない、信頼関係が築けないといった問題が生じやすくなります。部下が対面での具体的フィードバックを求めている場合はこうした配慮がかえって逆効果となることがあります。
評価やフィードバックを曖昧にする
トラブルを避けるため、評価コメントや指導内容をぼかすケースもあります。
- 「全体的に頑張りましょう」など抽象的評価
- 改善点を書かない
- 面談で踏み込んだ指摘をしない
このような対応では、本人が何を改善すべきか分からず、成長やキャリア形成に支障が生じます。
ホワイトハラスメントを防ぐためにできること
ホワイトハラスメントは、上司個人の配慮の問題というより、企業の指導文化や評価制度のあり方にも影響されます。そのため、防止には上司・企業側と部下側の双方の取り組みが重要です。
上司・企業側ができること
ホワイトハラスメント対策として上司や企業が気をつけるべきポイントには、下記のようなものがあります。
- 指導とパワハラの線引きを明確にする
- 評価・指導の基準を可視化する
- 定期的な面談・フィードバックの仕組みを整える
- 業務配分の偏りをチェックする
以降でそれぞれ詳しく解説します。
指導とパワハラの線引きを明確にする
「どこまでが適切な指導か」が曖昧だと、上司は萎縮しやすくなります。
企業としては、
- 業務上必要な指導の範囲
- NGとなる言動例
- フィードバックの方法
を明確にし、研修などで共有することが重要です。
評価・指導の基準を可視化する
評価基準や期待役割が不明確だと、指導もしづらくなります。
- 職種ごとの評価基準
- スキル要件
- 成長ステップ
を明文化することで、指導は「個人的意見」ではなく「制度に基づく説明」になります。
定期的な面談・フィードバックの仕組みを整える
日常の指導が難しい場合でも、制度化された面談があれば指導機会を確保できます。
- 1on1面談
- 半期評価面談
- 目標設定面談
などを活用し、対話ベースで改善点や期待を伝えることが有効です。
業務配分の偏りをチェックする
特定社員に仕事が与えられていない状態は、ホワイトハラスメントリスクとなります。
- 業務量の偏り
- 重要案件の配分
- 成長機会の偏在
を管理職・人事が定期的に確認する体制が望まれます。
部下側ができること
ホワイトハラスメント対策として部下側ができることには、下記のようなものがあります。
- フィードバックを具体的に求める
- 業務機会への希望を伝える
- 評価や業務の偏りを早めに相談する
以降でそれぞれ詳しく解説します。
フィードバックを具体的に求める
指導が少ない場合でも、主体的に確認することで改善できます。
- 期待されている役割
- 改善点
- 次に任される業務
を具体的に尋ねることが有効です。
業務機会への希望を伝える
配慮のつもりで仕事を与えられていないケースもあります。
- 「この業務に挑戦したい」
- 「もっと責任ある仕事を任せてほしい」
といった意思表示は重要です。
評価や業務の偏りを早めに相談する
仕事が与えられない状態が続く場合は、
- 上司との面談
- 人事への相談
- 社内窓口の利用
などを検討します。早期の対話が状況改善につながりやすくなります。
ホワイトハラスメントを受けたときの対処法
ホワイトハラスメントは「何もされていないように見える」ため、自覚しにくく相談もしづらい問題です。しかし、仕事を与えられない状態や指導不足が続くと、評価やキャリアに影響する可能性があります。以下では、ホワイトハラスメントを受けたときの具体的な対処法を紹介します。
まずは上司に指導や業務機会を求める
配慮のつもりで業務が制限されているケースもあるため、まずは上司に意思を伝えることが重要です。
- 任せてもらえる業務を増やしたい
- 改善点や期待役割を知りたい
- 成長機会を得たい
といった形で、前向きな意図を示して相談すると伝わりやすくなります。
業務配分や評価の状況を記録する
仕事を与えられていない状態が続く場合は、客観的な記録を残しておくことが重要です。
- 任されている業務内容
- 他の同僚との業務差
- 上司とのやり取り
- 評価面談の内容
これらは後に相談や紛争対応を行う際の根拠になります。
人事・社内相談窓口に相談する
改善が見られない場合は、社内の第三者に相談します。
- 人事部門
- ハラスメント相談窓口
- コンプライアンス窓口
企業にはパワハラ防止措置義務があるため、業務機会の剥奪や放置状態も相談対象になり得ます。
配置・評価への影響がある場合は法的対応も検討
次のような状況では、ホワイトハラスメントが過小要求型パワハラとして違法評価される可能性があります。
- 能力に見合わない軽微な業務しか与えられない
- 重要業務から外され続けている
- 昇進・評価に不利益が生じている
- 職場から隔離されている
このような場合は、弁護士への相談も有効です。
不法行為や安全配慮義務違反として損害賠償請求が可能となるケースがあります。
会社でのトラブルにも使える弁護士保険とは
職場でのハラスメントや不当な扱いなどのトラブルは、弁護士に相談・依頼することで解決が進むケースも少なくありません。しかし、弁護士費用への不安から相談をためらってしまう人も多いのが実情です。こうした不安を軽減する手段として注目されているのが「弁護士保険」です。
弁護士保険とは、法律トラブルが発生した際の弁護士費用(相談料・着手金・報酬金など)を補償する保険です。加入しておくことで、費用負担を気にせず専門家に相談しやすくなります。
保険会社によっては個人向けのプランに加え、フリーランスや副業に関するトラブルにも対応できる事業特約付きのプランも提供しています。これにより、雇用関係だけでなく、業務委託・契約トラブル・取引先との紛争など幅広い仕事上の問題に備えることが可能です。
将来のリスクに備えるためにも弁護士保険への加入を積極的に検討することをおすすめします。
まとめ
ホワイトハラスメントは一見すると配慮のある対応に見える点に注意が必要です。能力に見合わない軽微な業務しか与えない、重要な仕事から外し続けるといった行為は、パワハラとして問題になる行為の一つである「過小な要求」として違法と評価される可能性もあります。
2026年調査では、指導をためらう上司が多い一方で、部下の側には「もっと指導してほしい」というニーズがあることがわかりました。企業には、叱らないことを重視するのではなく、適切に伝えて成長機会を確保する指導環境づくりが求められます。
もし業務機会の制限や評価への影響が生じている場合は、社内窓口や弁護士への相談を検討するとよいでしょう。弁護士保険に加入しておけば費用面の不安なく専門家に相談でき、職場トラブルへの備えとして安心につながります。
ホワイトハラスメントに関するよくあるご質問
ホワイトハラスメントとは?
ホワイトハラスメントは過度な配慮により指導や業務を与えない行為を指します。
内容によっては、パワハラの類型である「過小な要求」に該当し、違法と評価される可能性があります。
上司がハラスメントを恐れて指導を避けている職場はどれくらいありますか?
2026年の調査では、約68%の上司が指導をためらった経験が「ある」または「意識して手加減する」と回答しています。
ホワイトハラスメントを受けた場合、社内で相談できる窓口はありますか?
人事部門やハラスメント相談窓口、コンプライアンス窓口への相談が有効です。
企業にはパワハラ防止措置義務があるため、業務機会の剥奪や放置状態も相談対象になり得ます。
弁護士費用の負担を抑えて職場トラブルに対応できる方法はありますか?
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