行政事件とは
国や公共団体への訴訟のうち、行為を是正するよう求めるものを指します。行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟、その他公法上の法律関係に係る事件をいいます。
◆行政事件の具体例
行政事件とは何か具体的に見ていきましょう。
- 交通事故の処分取り消し
交通違反をすると、運転免許の停止や取り消しといった行政処分がなされることがあります。内容に不服がある場合は取消訴訟で争うことができます。 - 税金の課税処分取り消し
税金に未納分があった場合、課税処分や滞納処分がなされることがあります。その処分に不服があれば取消訴訟を提起することができます。 - 住民訴訟
地方自治体が違法・不当な公金の支出、財産の管理を行った場合に自治体の居住者は住民監査請求をすることができます。この監査請求の結果に不服がある場合は取消訴訟をすることができます。
◆行政事件で弁護士が行うこと
行政事件を弁護士に依頼した場合、次のような対応を取ります。
- 行政交渉
行政と交渉する窓口になります。行政の仕組みや組織を理解し交渉に当たります - 行政調査の立ち合い
処分の妥当性を争う際に行政調査が行われることがあります。不当な調査、不要な調査が行われないように監視します - 行政訴訟
取消訴訟の窓口になります。訴訟手続き、法廷での証拠提出、主張を行い事件解決まで担当します
◆行政訴訟の多くは判決で解決
行政事件の訴訟の大半は、判決で終了しています。民事事件の多くが判決ではなく、和解や調停で解決しますが、行政訴訟での和解はほとんどありません。行政事件の取消訴訟は処分が妥当かどうかの白黒をはっきりさせる裁判です。民事事件の金銭のように調整したりお互い譲歩したりということができません。また、他の処分者との公平性を期すためにも、行政側が譲歩するということはありません。そのため、長期化し、内容についても大掛かりなものになります。