連れ子も遺産は相続できるの?
2018年03月27日
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親が亡くなれば、子どもが相続することは、広く知られています。
もっとも、子どもと言っても、必ずしも血がつながっている実子ばかりではありません。実子ではない場合、相続することはできるのでしょうか。
夫が死亡したとき、妻の連れ子は、相続できるか?
例を挙げましょう。A子さんは、C美ちゃんという連れ子を連れて、B雄さんと再婚しました。
B雄さんには、母親D子がいました。数年後、B雄さんは、3000万円の預金を残して亡くなりました。相続はどうなるでしょうか。
B雄さんは、遺言書を残していないので、相続は、民法が定める法定相続によります。
法定相続人には、法定相続人には、2つの類型があります。配偶者と血族相続人です。
このうち、血族相続人とは、子、直系尊属(両親、祖父母)、兄弟姉妹です。
これには、優先順位があり、第一優先順位である子が存在すれば、優先順位の劣る直系尊属や兄弟姉妹は相続人とはなれません。
「血族」とは、血のつながりを意味しますが、生物学的に血がつながった実子だけでなく、法律的な親子関係も含まれます。
これを「法定血族」と言います。養子縁組をした養親子の関係がそれです。
再婚相手の連れ子であるC美ちゃんは、実子ではなく、養子縁組もしていませんので、法律上の「子」ではありません。
したがって、相続権はありません。
上の例の場合は、妻A子さんが3分の2の2000万円、実母D子さんが3分の1の1000万円を相続します。
連れ子に相続をさせたい場合は、養子縁組をする
実子でない連れ子に、相続をさせたいときは、養子縁組を行って、法定血族になることです。
養子縁組には、普通養子と特別養子という2種類の制度がありますが、そのどちらでも、相続権を発生させることができます。
上の例で、B雄さんが、C美ちゃんと養子縁組をしていれば、遺産は、A子さんとC美ちゃんが、それぞれ1500万円ずつ相続することになります。
相続対策としての養子縁組には相続税法上の制限がある
相続税の計算をする場合、遺産の総額から一定金額を差し引いて計算することが許されます。
これが基礎控除です。
基礎控除の金額は、「3,000万円+(600万円☓法定相続人の人数)」と計算されます。
養子も法定相続人ですから、養子が増えれば、基礎控除額が増えることになります。
しかし、これを無制限に認めると、養子縁組が節税手法として悪用されてしまいます。そこで、基礎控除算定にあたってカウントしてもらえる養子は、養子以外の実子がある場合は1名まで。
実子がいない場合は最大2名までと制限されています。
この制限を超える人数の養子は、相続はできても、相続税の基礎控除の計算においては、いないものとして扱われるということです。
ただし、これはあくまでも養子制度の悪用を防止するためですから、上に挙げた例のように、配偶者の連れ子を、養子とした場合は、相続税法上は実子として取り扱われ、人数の制限からはずしてもらえます。
まとめ
血の繋がりがない子には、相続する権利がないこと、ただし養子縁組をすれば相続する権利が生じること、相続税法上の取扱では、養子の人数に制約があることを説明しました。
養子縁組は、一度、縁組をしてしまうと、後に縁組を解消したいと思っても、簡単には離縁できず、トラブルのもととなることがあります。養子縁組をお考えの際は、法律の専門家である弁護士に相談されることがおすすめです。
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