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離婚したら養育費の計算はどうすればいい? 計算方法をわかりやすく解説

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離婚したら養育費の計算はどうすればいい? 計算方法をわかりやすく解説

この記事を書いた人

鷹見ゆり
鷹見ゆり
元行政書士のフリーライター。
行政書士・土地家屋調査士の補助者を約10年務めたのち、行政書士として独立。
相続・遺言や農地関係、建設業許可などの業務に携わる。
現在はフリーライターとして、相続・遺言、離婚、不動産関連の記事や資格予備校のコラムなど、日々積極的に執筆活動を行っている。
「誰が読んでもわかる記事」を常に心がけている。

離婚を検討している人の中には、「養育費をいくらもらえるのか計算したいけど、方法がよくわからない」「簡単に養育費がわかる手段があれば知りたい」という人もいるのではないでしょうか。
養育費は、家庭裁判所の「養育費算定表」で確認できます。

ただし、算定表で確認できる金額はあくまでも「目安」です。
適正な金額を知りたいなら、「父母の基礎収入」や「子どもの生活費」などをもとに細かく計算する必要があります。

また、通常よりも子どもにかかる費用が多くかかる事情がある場合は、その事情も考慮すべきです。
「複雑なケースで計算方法がわからない」「自分で計算するのは不安」なら、弁護士に相談・依頼しましょう。

この記事では、離婚した場合の養育費の計算方法についてわかりやすく解説します。
状況別にモデルケースも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

記事の要約

  • 養育費に法的なルールはなく、夫婦で合意すればその金額で決定できる
  • 養育費の目安は「養育費算定表」で確認可能
  • 正確な養育費は「父母の基礎収入」や「子どもの生活費」から計算する必要がある
  • 養育費の金額は、特別な事情を考慮したうえで設定する

養育費の金額にルールはない

養育費の金額に、法的なルールはありません。
夫婦で話し合った結果お互いが納得すれば、その金額で決定できます。

たとえば相場からかけ離れた金額でも、夫婦間で話がついているなら問題ありません。
上限も設けられていないため、「夫婦間の合意があれば、いくらでも設定できる」と思っておいてよいでしょう。

しかし「いくらでもよい」となると適切な金額がわかりづらく、金額についてなかなか合意できないケースもあるでしょう。
そのようなときのために、家庭裁判所は「養育費算定表」という養育費の金額を決める際の基準となる早見表を公表しています。

なお、話し合いで金額を決められないときは、家庭裁判所に調停を申し立てるのが一般的です。
調停は、調停委員を介して話し合う方法です。

それでも決まらなければ、裁判所に判断してもらう「審判」に移行します。
家庭裁判所の「養育費算定表」の見方については、次章で解説します。

養育費は「養育費算定表」でざっくり計算できる

家庭裁判所の「養育費算定表」を利用すれば、おおよその養育費を計算できます。
養育費を算出するにあたって参考にするケースは多いため、養育費算定表=相場と考えてもよいでしょう。
以下は、0〜14歳の子どもが1人いるケースの算定表です。
養育費・子1人表(子0〜14歳)を示すグラフ。縦軸は養育費の年額(万円)、横軸は扶養親の年収(万円)を表す。年収と養育費の関係が段階的に示されており、年収が増えるにつれて養育費も増加する傾向が見られる。養育費は0〜1万円から4.8〜5.0万円までの範囲で9段階に分けられている。
出典:(表1)養育費・子1人表(0〜14歳)|裁判所

金額を算出するのに必要な情報は以下の4つです。

  • 義務者の職業:自営業
  • 義務者の年収:527万円
  • 権利者の職業:会社員
  • 権利者の年収:300万円

ただし、算定表はあくまでも簡易的に養育費を計算する方法です。

また、子どもが4人以上いる場合や給与所得者の義務者が年収2,000万円を超えているときなど、算定表では対応できないケースもあります。
正確な金額を算出しようと思ったら、父母の年収や基礎収入、子どもの生活費などをもとに、自ら計算する必要があることを念頭に置いておきましょう。
正確な金額の計算方法については、次章で詳しく解説します。

参照:平成30年度司法研究(養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について|裁判所

正確な養育費を計算する4つのステップ

前述のとおり、正確な養育費を算出するなら父母の年収や基礎収入、子どもの生活費などをもとに細かく計算する必要があります。
計算の手順は以下の4ステップです。

1.父母の年収を確定する
2.父母の「基礎収入」を計算する
3.子どもの生活費を計算する
4.養育費の金額を算出する

流れに沿って解説します。

1.父母の年収を確定する

まずは父母の年収を確定させます。
年収の確認方法は、給与所得者か自営業者かによって異なります。

  • 給与所得者(会社員・パートなど):源泉徴収票・課税証明書で確認する
  • 自営業者:確定申告書で確認する
「年収」について
「年収」とは、手取りではなく総支給額を指します。
手取りは、税金や社会保険料が引かれたあとの金額です。
収入を最大限子どもと分け合うべきとする「生活保持義務」の考え方から、養育費においては総支給額から計算することとされています。なお、養育費の計算には、原則前年の年収を使用します。
ただし、収入が大きく減少しているなどの事情があるときは、無理に前年の年収で計算せず事情を考慮したうえで金額を設定するようにしましょう。また、働けるにもかかわらず働いておらず無収入の場合や、養育費を払いたくないがためにあえて収入を抑えているようなケースは、「潜在的稼働能力」にもとづいて実際の収入以上の額を年収として定めることもあります。
潜在的稼働能力とは
働こうと思えば働ける、稼ごうと思えばさらに稼げるにもかかわらず、働かなかったり収入を抑えたりしているような場合に、「実際にはこの程度稼げるであろう」と予想できる金額を収入とする考え方のこと。

給与所得者の場合

会社員やパート、アルバイトなどの給与所得者の年収は、「源泉徴収票」や「課税証明書」で確認できます。
それぞれの取得方法は以下のとおりです。

  • 源泉徴収票:勤務先からもらえる
  • 課税証明書:市区町村役場で取得する

源泉徴収票は、12月31日時点で会社に在籍していれば「年末調整」のあとに発行されます。
もらえるタイミングは勤務先によって異なる可能性がありますが、多くの場合は年末調整が完了したあと、年明けにもらえます。

源泉徴収票で年収を確認するなら、「支払金額」を見ましょう。
支払金額=年収です。
課税証明書は、市区町村役場で取得できます。

年収を確認する際は「給与収入」を見ましょう。

自営業者の場合

自営業者の年収は、「確定申告書」で確認します。
チェックすべき箇所は「課税される所得金額」です。

ただし、「課税される所得金額」の金額をそのまま「年収」とするのではなく、記載されている金額を「所得控除を差し引く前の金額」に戻します。
これは、前述した「生活保持義務」の考え方によるものです。

課税される所得金額に加算する必要があるのは、「社会保険料控除」以外の所得控除です。

たとえば以下の所得控除が該当します。

  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 障害者控除
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除
  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 寄附金控除
  • 青色申告控除
  • 実際には支払っていない専従者給与

「課税される所得金額」に、上記の所得控除を足した金額が自営業者の年収です。
正確な年収が分からなくなるため、漏れがないように注意しましょう。

2.父母の「基礎収入」を計算する

父母の年収が確定したら、今度は父母それぞれの「基礎収入」を計算します。

基礎収入とは
年収から「養育費に充てるべきではない」と判断される費用を引いた収入のこと。「養育費に充てるべきではない費用」には、たとえば税金や仕事にかかる経費、家賃、水道光熱費などが該当する。

基礎収入は、以下の計算式で求めます。

年収×基礎収入割合

基礎収入割合は、給与所得者・自営業者別に定められており、年収に応じて異なります。
▼給与所得者

年収 基礎収入割合
0〜75万円 54%
〜100万円 50%
〜125万円 46%
〜175万円 44%
〜275万円 43%
〜525万円 42%
〜725万円 41%
〜1,325万円 40%
〜1,475万円 39%
〜2,000万円 38%

▼自営業者

年収 基礎収入割合
0〜66万円 61%
〜82万円 60%
〜98万円 59%
〜256万円 58%
〜349万円 57%
〜392万円 56%
〜496万円 55%
〜563万円 54%
〜784万円 53%
〜942万円 52%
〜1,046万円 51%
〜1,179万円 50%
〜1,482万円 49%
〜1,567万円 48%

たとえば、夫(自営業者)の年収が400万円、妻(会社員)の年収が300万円のケースの基礎収入は以下のとおりです。

  • 夫:400万円×55%=220万円
  • 妻:300万円×42%=126万円

3.子どもの生活費を計算する

基礎収入を計算したら、子どもの生活費を求めます。
求め方は以下のとおりです。

義務者の基礎収入×{子どもの生活費指数合計÷(100+子どもの生活費指数合計)}

「子どもの生活費指数」とは、大人を「100」としたときに子どもに割り振られる生活費のことです。
割合は、子どもの年齢に応じて以下のように異なります。

  • 0〜14歳:1人あたり62
  • 15歳以上:1人あたり85

例を1つ見てみましょう。

  • 子どもの人数・年齢:2人・14歳+15歳
  • 義務者(養育費を払う人)の基礎収入:220万円

たとえば上記の条件なら、以下のように計算します。

220万円×{147÷(100+147)}=130万9,312円

4.養育費の金額を算出する

子どもの生活費が計算できたら、以下の計算式を用いて養育費の金額を算出します。

子どもの生活費×{義務者の基礎収入÷(権利者の基礎収入+義務者の基礎収入)}÷12
  • 子どもの人数・年齢:2人・14歳+15歳
  • 子どもの生活費:130万9,312円
  • 義務者の基礎収入:220万円
  • 権利者の基礎収入:126万円

※「2.父母の「基礎収入」を計算する」「3.子どもの生活費を計算する」で使用したものと同様の条件です。
上記のケースであれば、毎月約7万円が適正な養育費であるとわかります。

130万9,312円×{220万円÷(126万円+220万円)}÷12=6万9,376円(月額)

今すぐ目安を知りたいなら「養育費計算ツール」を活用する

前章で解説したとおり、正確な養育費を算出しようと思うと手間暇がかかります。

今すぐ目安を知りたいなら、「養育費計算ツール」を活用するのもよいでしょう。
養育費計算ツールは、義務者・権利者それぞれの年収や子どもの年齢を入力するだけで目安となる金額を算定できるツールです。
法律事務所のホームページや弁護士を検索できるポータルサイトなどで公開されており、誰でも無料で利用できます。

ただしあくまでも「目安」であるため、正確な金額を知りたいなら、やはりきちんと計算することをおすすめします。
「計算が複雑でわかりづらい」「自分で計算すると間違えそうで不安」という場合は、離婚問題に精通している弁護士に相談するとよいでしょう。

実際に養育費はいくらもらえる?状況別モデルケース

「正確な養育費を計算する4つのステップ」では、例を交えて計算方法を解説しました。

ここではさらに、さまざまな状況を想定したモデルケースを紹介します。
自分の状況に合ったケースを参考にしてください。

会社員の夫と専業主婦の妻が離婚したケース

まずは、会社員の夫と専業主婦の妻が離婚し、妻が親権者になったケースです。
養育費算定表では6〜8万円、正確に計算した場合の金額は以下のとおりです。

▼子どもが14歳以下(1人)

  • 夫(義務者)の基礎収入:210万円(500万円×42%)
  • 妻(権利者)の基礎収入:0円
  • 子どもの生活費:80万3,704円(210万円×{62÷(100+62)})
  • 養育費(月額):6万6,975円(80万3,704円×{210万円÷(0円+210万円)}÷12)

▼子どもが15歳以上(1人)

  • 夫(義務者)の基礎収入:210万円(500万円×42%)
  • 妻(権利者)の基礎収入:0円
  • 子どもの生活費:96万4,865円(210万円×{85÷(100+85)})
  • 養育費(月額):8万405円(96万4,865円×{210万円÷(0円+210万円)}÷12)

共働きの夫婦が離婚したケース

続いては、共働き(会社員)の夫婦が離婚し、夫が親権者になったケースです。
養育費算定表では2〜4万円、正確に計算した場合の金額は以下のとおりです。
▼子どもが14歳以下(1人)

  • 妻(義務者)の基礎収入:168万円(400万円×42%)
  • 夫(権利者)の基礎収入:210万円(500万円×42%)
  • 子どもの生活費:64万2,963円(168万円×{62÷(100+62)})
  • 養育費(月額):2万3,813円(64万2,963円×{168万円÷(210万円+168万円)}÷12)

▼子どもが15歳以上(1人)

  • 妻(義務者)の基礎収入:168万円(400万円×42%)
  • 夫(権利者)の基礎収入:210万円(500万円×42%)
  • 子どもの生活費:77万1,892円(168万円×{85÷(100+85)})
  • 養育費(月額):2万8,589円(77万1,892円×{168万円÷(210万円+168万円)}÷12)

夫と妻が1人ずつ子どもを引き取ったケース

最後に、夫と妻が1人ずつ子どもを引き取ったケースです。
このようなケースは、養育費算定表では対応できません。

ここでは、以下の条件で妻が夫に請求できる養育費を計算します。

  • 夫(給与所得者)の基礎収入:400万円(1,000万円×40%)
  • 妻(給与所得者)の基礎収入:126万円(300万円×42%)
  • 子どもの年齢:(長男15歳・長女10歳)
  • 長男の親権者:夫
  • 長女の親権者:妻

まず、妻が子ども2人を養育する場合の養育費を計算します。

  • 子どもの生活費:400万円×{(62+85)÷(100+62+85)}=238万567円
  • 養育費(年間):238万567円×{400万円÷(126万円+400万円)}=181万317円

子ども2人の養育費が出たら、そこから長男分を引きます。

  • 長男の養育費:181万317円×{85÷(85+62)}=104万6,782円
  • 長女の養育費:181万317円ー104万6,782円=76万3,535円(月額6万3,628円)

妻が夫に対して請求できる長女の適正な養育費は、月額6万3,628円です。

適切な額の養育費を受け取るためのポイント

適切な額の養育費を受け取るためには、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、適切な額の養育費を受け取るためのポイントを紹介します。

相手の収入を把握する

適切な額の養育費を受け取るためには、相手の収入を把握することが重要です。
相手の収入を把握できなければ、正確な養育費が算出できないためです。

夫婦でも、自分の収入をそれぞれが管理をしており、相手の収入がよくわからないケースは少なくありません。
相手が収入を少なく申告すると、権利者はその分受け取れる養育費が少なくなる可能性があります。
義務者であれば、多く支払わなければならなくなるかもしれません。

離婚後は相手の源泉徴収票や確定申告書などが入手しにくくなると考えられるため、離婚前に資料を集めておいたほうがよいでしょう。
もし資料が入手できず、相手の正しい収入がわからないときは、弁護士に相談することをおすすめします。

特別な事情も含めて金額を設定する

養育費の金額は、特別な事情を考慮したうえで設定することをおすすめします。
養育費算定表や記事の中で紹介した計算方法は、あくまでも標準的な金額を割り出すための手段であるためです。

たとえば以下のような事情があるなら、事情も含めて金額を設定しましょう。

  • 子どもに持病や障害があり、通常よりも医療費がかかる
  • 子どもが私立学校に通学している・志望している
  • 子どもが多くの習い事をしており、そのことについて義務者が認めている

重要なのは、「通常よりも多く養育費をもらいたい特別な事情がある」ことを裏付ける資料を提示することです。

たとえば、領収書や金額がわかる書類など、費用の内訳がわかるものを用意しましょう。
資料を提示したうえで請求すれば、義務者の理解を得られやすいでしょう。

また、相手の同意を得られず調停や審判に発展しても、特別な事情があることを証明できる資料があることで、標準的な金額を超えた養育費が認められる可能性が高くなります。

養育費に関する取り決めを「公正証書」にしておく

養育費に関する取り決めを「公正証書」にしておくことも大切なポイントです。
いくら適正な金額がわかって夫婦間で合意できても、その約束が守られるとは限らないためです。

公正証書とは
国の機関である公証役場の「公証人」が作成する公文書のこと。
証明力があるため、養育費に関する取り決めを公正証書にしておけば、約束どおりに養育費が支払われないときに証拠として利用できる。
さらに「強制執行認諾の文言」を記載することで、調停や訴訟を経ることなく強制執行が可能になる。

厚生労働省が公表する資料「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によると、養育費を現在も受給している母子世帯は28.1%、父子世帯で8.7%というデータが出ています。
「約4人に3人の母親が養育費をもらっていない」「父子世帯に至っては、約10人に1人の父親しか養育費を受け取っていない」と考えると、いかに養育費の受給率が低いかがわかるのではないでしょうか。

原因の1つとして考えられるのは、そもそも養育費についての取り決めをしていない世帯が多いことです。
母子世帯で53.2%、父子世帯で71.8%と、母子世帯・父子世帯ともに半数以上が養育費について取り決めをしていません。

養育費についてきちんと取り決めをし、「強制執行認諾の文言付きの公正証書」を作成しておけば、万が一途中で養育費の支払いが止まってしまっても強制執行が可能です。
養育費は、子どもが持つ正当な権利です。
適正な額を長く受け取るために、取り決めた内容は公正証書にしておきましょう。

離婚問題に精通した弁護士に相談・依頼する

離婚問題に精通した弁護士に相談・依頼することも重要です。
豊富な実績を持つ弁護士であれば、知識や経験をもとに的確なアドバイスをしてくれるほか、そのケースに適した金額を請求できるようサポートしてくれるでしょう。

また、弁護士に依頼すると以下のようなメリットがあります。

  • 相手と直接会ったり話したりする必要がない
  • 養育費だけでなく、ほかの問題についても相談できる
  • 不利な条件で離婚せずに済む可能性が高まる
  • 調停や訴訟に発展しても対応してもらえる

弁護士が相手と交渉してくれるため、直接会ったり話したりする必要がありません。
「相手と関わりたくない」「相手と話すのが怖い」と思っているなら、依頼を検討することをおすすめします。

また、養育費の問題以外に、慰謝料や財産分与、別居中の婚姻費用といった問題についても相談できるため、離婚をするにあたって決めるべき事項を漏らしてしまう心配がありません。
不利な条件で離婚せずに済む可能性が高まる点もメリットの1つです。
たとえ夫婦でも対等とは限らず、中には相手に強く出られてしまうと自分の意見を言えないケースもあります。

しかし弁護士が間に入ることで、不利な条件を飲んでしまったり相手の言いなりになってしまったりするのを防げます。
そのほか、交渉がうまくいかず調停や訴訟に発展した場合でも、弁護士にそのまま対応してもらえる点もメリットといえるでしょう。

たとえば訴訟代理人として、依頼人に代わって裁判所に出頭してもらうことも可能です。

弁護士に相談・依頼すべきケース

養育費を計算するにあたって、弁護士に相談・依頼すべきケースは以下のとおりです。

  • 子どもが4人以上いる
  • 夫婦のうち片方もしくは双方の年収が高い
  • 子どもに持病がある・私立学校に通っているなど、通常よりお金がかかる事情がある
  • 夫婦それぞれが子どもを引き取ることになった

「養育費算定表」は、子どもが4人以上いるケースには対応していません。
そのため、適切な養育費を知りたければ自分で計算する必要がありますが、難しい場合は弁護士を頼るとよいでしょう。

夫婦のうち片方、もしくは双方の年収が高いときも同様です。
以下の年収を超えており自力での計算が難しいなら、弁護士に相談することをおすすめします。

義務者 ・給与所得者:2,000万円まで
・自営業者:1,567万円まで
権利者 ・給与所得者:1,000万円まで
・自営業者:763万円まで

また、通常より子どもにお金がかかる事情があるときも、どの程度事情を考慮すればよいのかはなかなか素人ではわかりません。
弁護士に計算してもらったほうが、より正確な金額を算出してもらえるでしょう。

そのほか、夫婦それぞれが子どもを引き取るケースも、計算方法については「夫と妻が1人ずつ子どもを引き取ったケース」で解説していますが、複雑であるため弁護士に任せたほうがよい可能性があります。

まとめ

離婚した場合の養育費の計算方法について解説しました。
養育費の目安は、裁判所が公表している「養育費算定表」で確認可能です。
しかし、算定表で求められる金額はあくまでも「目安」です。

また、子どもが4人以上いる場合や、父母の年収が多いケースなどには対応していません。
正確な養育費が知りたいときは、記事の中で紹介した計算方法を用いて、自分で計算してみましょう。

自分での対応が難しいときや複雑なケース、通常よりも子どもに多くお金がかかる事情があるときは、弁護士への依頼がおすすめです。
離婚問題に精通している弁護士なら、知識や経験をもとに適切な養育費を算出してくれるでしょう。

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