親権と監護権の違いとは?分ける際のメリット・デメリットを解説
2024年12月27日
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元行政書士のフリーライター。
行政書士・土地家屋調査士の補助者を約10年務めたのち、行政書士として独立。
相続・遺言や農地関係、建設業許可などの業務に携わる。
現在はフリーライターとして、相続・遺言、離婚、不動産関連の記事や資格予備校のコラムなど、日々積極的に執筆活動を行っている。
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離婚を検討している人の中には、「親権を取りたいけど、難しそうだからせめて監護権だけでも取りたい」「でも、そもそも親権と監護権はどう違うの?」など、疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
「親権」が子どもの財産管理や養育を行う権利義務のことをいうのに対し、「監護権」とは、親権のうち子どもを養育する権利義務のことをいいます。
親権と監護権を分けた場合、親権者は子どもの財産管理や法律行為を行い、監護権者は子どもと生活しながら子どもを育てることになります。
親権と監護権の分離は可能ですが、「親権問題が長期化するのを防ぐ」「父母が協力して子育てできる」といったメリットがある一方で、「離婚後も元配偶者との付き合いが続く」「法律行為がスムーズにいかない可能性がある」などのデメリットもあるため注意が必要です。
本記事では、親権と監護権の違いや分ける際のメリット・デメリットを解説します。
記事の要約
- 親権は子どもの財産管理や養育を行う権利義務のこと
- 監護権は親権のうち、子どもの養育を行う権利義務のこと
- 親権と監護権は分離できるがデメリットがあり、さらに裁判になると裁判所に認められない可能性が高い
- もし親権と監護権を分けるなら、弁護士に依頼し合意書を作成するのがおすすめ
「親権」と「監護権」の違いとは?
親権とは、子どもの財産管理や養育を行う権利義務のことをいい、監護権とは、親権のうち子どもを養育する権利義務のことを指します。
ここではそれぞれの違いについて詳しく解説します。
「親権」とは子どもの財産管理や養育を行う権利義務のこと
親権は、子どもの財産管理や養育を行う権利義務です。
「権利義務」というのは、権利も義務もあわせもっているということです。
親権者は、親権の行使を第三者から妨げられない権利を有すると同時に、子どもの利益のために行使する義務も負います。
なお、親権は、以下の複数の権利から成り立っています。
財産管理権(民法第824条) | 子どもに代わって子どもの財産を管理し、法律行為や身分行為を行う権利義務 |
---|---|
身上監護権 | 子どもが一人前になれるよう養育する権利義務
【監護教育権(民法第820条)】 【子の人格の尊重等(民法第821条)】 【居所指定権(民法第822条)】 【職業許可権(民法第823条)】 |
参照:民法|e-Gov法令検索
財産管理権は、たとえば以下の行為を行う際に必要です。
- 預貯金や相続・贈与などで受けた財産の維持管理
- 不動産の修繕や増築、財産の性質を変えない程度の利用、売却など
- 子どもが交通事故に遭った際の保険会社や弁護士とのやりとり
以前は子どもを罰したり叱ったりする権利義務を指す「懲戒権」が定められていましたが、虐待を助長するという理由から2022年12月10日の民法改正で削除が決定し、2022年12月16日から施行されています。
代わりに新設されたのが「子の人格の尊重等(民法821条)」です。
父母が婚姻している間は、父母が親権者として親権を行使します。
しかし現時点では「単独親権制度」が採用されているため、離婚時に未成年の子どもがいる場合、父母のうちどちらかを親権者に定めなければなりません。
注意点は、親権者を定めない限り離婚できない点です。
離婚届にも親権者を記載する欄が設けられており、親権者の名前が抜けていると離婚が受理されません。
なお、2024年5月17日に成立した法改正により、離婚後共同親権制度の導入が決定しています。
制度は2026年5月24日までに開始され、開始後は離婚後の共同親権が可能になります。
すでに離婚しているときでも、家庭裁判所に親権者変更の調停や審判を申し立て、認められれば共同親権への変更が可能です。
参照:民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について|法務省
「監護権」とは親権のうち子どもを養育する権利義務のこと
監護権は、前述した親権のうち「身上監護権」だけを切り離したものをいい、原則親権者が行使します。
また、子どもとともに生活し、実際に養育したり教育を受けさせたりする人のことを「監護権者」といいます。
離婚時に決めなければならない親権者とは異なり、監護権者は必ずしも定める必要はありません。
親権者が決まっていれば、親権者が身上監護権ももつことになるためです。
なお、父母がまだ離婚しておらず別居している段階でも、家庭裁判所に調停を申し立てることで監護権者の指定が可能です。
離婚前に監護権者になることは、子どもと暮らせるだけでなく、配偶者による子どもの連れ去りを防ぐ効果もあります。
もし配偶者に子どもを連れ去られても、監護権者は「子の引き渡し」を請求することで子どもを取り戻せます。
親権者と監護権者は分けられる
親権者と監護権者は分けられます。
前述のとおり、現在の法律では離婚時に父母のうちどちらかが親権者になる必要がありますが、どちらも親権を譲らず、もめるケースは少なくありません。
しかし、親権者と監護権者を分けることで歩み寄れる可能性があります。
ほかにも、以下のような場合に親権者と監護権者を分けることがあります。
- 親権者が海外出張や入院などで子どもと暮らせない
- 経済力のある父親のほうが親権者に適しているが、子どもが幼いため日常の世話は母親のほうが適している
- 親権者が子どもを虐待するおそれがある
- 子どもの幸せのために共同親権と同等の環境で子どもを育てる必要がある
とはいえ、親権者が監護権ももつのが原則であり、あえて分けるのは例外的なケースです。
裁判所の「令和5年司法統計年報」によると、分属したケースは82件と、全体のたった0.49%でした。
また、父母の話し合いでお互いが合意できれば問題ありませんが、合意できず家庭裁判所に判断を仰ぐ場合、認めてもらえない可能性もあります。
なぜなら裁判所は、親権と監護権を別の人がもつことを推奨していないためです。
離婚届に監護権者の記載欄がないことからも、そもそも分離を想定していないことがわかります。
そのため、ケースによっては「子どもと暮らせるなら監護権だけあればよい」と考えるより、親権の獲得を主張するか、積極的に面会交流を求めたほうがよいこともあります。
参照:令和5年司法統計年報|裁判所
親権者と監護権者を分けた場合のメリット
親権者と監護権者を分けるメリットは以下のとおりです。
- 親権問題の長期化を回避できる
- 父母が協力しながら子どもを育てられる
- 監護権があることで親権を取りやすくなる可能性がある
それぞれ解説します。
親権問題の長期化を回避できる
親権者と監護権者を分けることで、親権問題の長期化を回避できる可能性があります。
双方が親権を望んでいても、現行法では離婚した夫婦2人ともが親権者になることは不可能です。
そのためどちらかが退かなければ話し合いは決着せず、いつまでも争い続けることになります。
「両親が自分の親権をめぐって争っている」という状況は、子どもにとって決して良いとはいえないため、早期に落としどころを決めるべきでしょう。
そのようなケースでも、相手に親権(監護権)を譲って自分が監護権(親権)を取れば、早期の和解を目指せる場合があります。
父母が協力し合いながら子どもを育てられる
父母が協力し合いながら子どもを育てられるのも、親権者と監護権者を分けるメリットの1つです。
親権者と監護権者を分けない場合、親権者にならなかったほうの親と子どもの関係性が希薄になってしまうことがあります。
当然親子であることに変わりはありませんが、親権を取らず一緒に暮らしてもいなければ、親としての自覚が薄れがちです。
しかし一緒に暮らしていなくても、親権者になれば親であるという自覚を失わず、子どもと接していけるでしょう。
また、親権者と監護権者を分けたケースでは、親権者が子どもとともに暮らす監護権者に養育費を渡す必要があります。
親権者に「自分が親権者である」という自覚をもたせることで、養育費の不払いを防止できる可能性があります。
監護権があることで親権を取りやすくなる可能性がある
離婚のタイミングでは親権者になれなくても、監護権者になっておけば将来的に親権者を目指す場合に親権を取りやすくなる可能性があります。
親権者を変更する際、裁判所は監護実績を重視するためです。
たとえば以下のような監護実績をしっかり積み、記録を残しておけば、認めてもらえる可能性は高くなるでしょう。
- 子どもの世話(食事を作る・寝かしつけ・入浴させるなど)
- 学校や習いごとの送り迎え
- 病院に連れていく
ただし、親権者の変更を申し立てても、裁判所に認められるとは限らない点に注意が必要です。
親権者や監護権者を決めるときは父母の合意だけで十分でしたが、一度決めた親権者を変更する場合は父母の合意だけでは変更できず、家庭裁判所に調停や審判を申し立てなければなりません。
簡単に変更できてしまうと、子どもに悪影響が生じる可能性があるためです。
裁判所に認められなければ、親権者は変更できません。
親権者と監護権者を分けた場合のデメリット
親権者と監護権者を分けるデメリットは以下のとおりです。
- 【共通】離婚後も元配偶者との付き合いが続く
- 【監護権者側】法律行為がスムーズにいかない可能性がある
- 【監護権者側】再婚の際にトラブルになるおそれがある
- 【親権者側】必ず面会交流できるとは限らない
それぞれ解説します。
【共通】離婚後も元配偶者との付き合いが続く
親権者と監護権者を分けると、離婚後も元配偶者との付き合いが続きます。
親権者と監護権者を分けなければ、面会交流の日程や養育費の支払いといった事務的な連絡で済むところが、分けることであらゆる手続きについても話し合ったり連絡を取り合ったりする必要性が出てくるためです。
もちろん離婚をしていても、父母が子どもの親として子どもに関わっていくことは当然です。
しかし、中には元配偶者との関係がこじれており「二度と顔も見たくない」「できるだけ関わりたくない」というケースもあるでしょう。
そのような場合でも連絡を密に取らなければならないため、お互いにとって負担になる可能性があります。
【監護権者側】法律行為がスムーズにいかない可能性がある
親権者と監護権者を分けたせいで、法律行為がスムーズにいかない可能性があります。
監護権者が子どものために法律行為や身分行為を行う場合、親権者の同意を得る必要があるためです。
たとえば以下のような行為を指します。
- 交通事故の際の損害賠償請求
- 手術を受ける際の同意
- 預金口座の開設
- 子どもの苗字の変更
- 監護者が再婚する場合の子どもの養子縁組
このように、監護権者はことあるごとに親権者の同意を得なければなりません。
親権者とすぐに連絡が取れず、急なケースに対応できないこともあるでしょう。
その場合、法律行為がスムーズにできず不利益が生じるおそれがあります。
監護者が再婚する場合の養子縁組については次項で解説します。
【監護権者側】再婚の際にトラブルになるおそれがある
親権者と監護権者を分けると、監護権者が再婚する際に親権者とトラブルになるおそれがあります。
再婚時に、子どもと再婚相手を養子縁組するケースはよくあります。
子どもが15歳以上なら子ども本人の意思があれば養子縁組できますが、15歳未満の子どもと養子縁組するときは法定代理人の承諾を得なければなりません。
つまり、親権者と監護権者を分けている場合、親権者の承諾がなければ養子縁組できないということです。
第七百九十七条 養子となる者が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる。
引用元:民法第七百九十七条|e-Gov法令検索
親権者がすんなり承諾してくれればよいですが、中には承諾を渋るケースもあります。
離婚をする時点で、今後再婚する可能性があるかどうかはわからない場合がほとんどでしょう。
しかし念のため、このようなリスクがあることを念頭に置いておくことをおすすめします。
【親権者側】必ず面会交流できるとは限らない
親権者になったからといって、必ず子どもと面会交流できるとは限らない点もデメリットといえるでしょう。
いくら親権があるといっても、実際に子どもと生活しているのは監護権者です。
そのため監護権者が面会交流を拒めば、面会交流の実現が難しくなります。
面会交流は、子どもと別居親に認められる権利です。
面会交流の拒否は不法行為にあたる可能性があるため、子どもと会わせてもらえないときは家庭裁判所に対して「面会交流調停」の申し立てができますが、面会交流調停は長期化することが多く、決着がつくまでは子どもに会えない場合があります。
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。引用元:民法第七百九条|e-Gov法令検索
離婚の際は面会交流についても話し合い、合意書を作成しておくとよいでしょう。
ただし、面会交流の拒否が正当なものであるときは、面会交流の拒否や制限が認められる可能性があります。
たとえば以下のようなケースです。
- 子どもが面会交流を望んでいない
- 親権者が子どもや監護権者に対して暴力を振るうおそれがある
- 親権者が子どもを連れ去ろうとした経緯がある
裁判所の判断材料は、あくまでも「子どもにとって良いか悪いか」です。
「面会交流を拒否したほうが子どもにとって良い」と判断されれば、申立てが認められないことを覚えておきましょう。
親権と監護権を分ける際の手続き3STEP
親権と監護権を分ける際の手続きは、以下の手順で行います。
2. 話し合いがまとまらなければ調停を申し立てる
3. 調停でも合意できなければ離婚裁判を提起する
順番に解説します。
1.夫婦で話し合う
まずは夫婦で話し合います。
話し合いで親権者と監護権者を決められるなら、家庭裁判所に調停や裁判を申し立てる必要はありません。
離婚届の親権者欄に親権者となるほうの氏名を記載し、市区町村役場に提出すれば、親権者については離婚届に記載したとおりに決定します。
一方、監護権者に関しては離婚届上に氏名を記載するところがなく、戸籍にも記載されません。
証拠を残すためにも、書面化しておいたほうがよいでしょう。
なお、親権者は離婚時に定める必要がありますが、監護権者は必須ではないため離婚後に定めても構いません。
離婚後に定めるときも同様に、まずは元夫婦で話し合います。
2.話し合いがまとまらないなら調停を申し立てる
話し合いで結論が出ないときは、家庭裁判所に対して離婚調停を申し立てます。
離婚に関する問題が当事者間の話し合いで解決しない場合に、家庭裁判所の「調停委員」を間に挟んで話し合う手続きのこと。
親権のほか、養育費や財産分与、面会交流、慰謝料などの条件についても調停の中で話し合い、あくまでも話し合いによって解決を目指す。
調停で優先されるのは、あくまでも「子どもの利益」です。
監護権者を希望しているのであれば、自分がいかに監護権者に適しているかを主張し、以下のような主張を立証できる資料を提出する必要があります。
- 母子手帳
- 学校や保育園、幼稚園の連絡帳
- 写真
父母が合意できれば調停は成立し、調停調書が交付されます。
調停で合意できなければ、裁判による方法で解決します。
3.調停でも合意できなければ離婚裁判を提起する
調停でも合意できなければ離婚裁判を提起し、裁判官の判断に委ねます。
調停では調停委員を介して話し合いましたが、裁判では話し合いは行われません。
それぞれ親権者・監護権者に適していることを主に書面を通して主張し、資料によって立証します。
そしてそれぞれが主張・立証し終えたころ、裁判官に和解をすすめられるのが一般的な流れです。
そこで和解できれば和解した内容のとおり親権者・監護権者が決定しますが、和解が難しければ裁判官が判断します。
注意点は、そもそも親権者と監護権者の分属は認められにくいという点です。
前述のとおり、親権と監護権は同一人物がもつべきとするのが裁判所の考え方であるためです。
裁判所が重視するのは「子どもにとって幸せかどうか」であるため、親権者と監護権者を分けることが子どものためになるなら認められる可能性があります。
しかし子どものためになると判断されるのは、あくまでも限られたケースであることを念頭に置いておきましょう。
なお、親権者・監護権者を決定する際の裁判所の判断基準は以下のとおりです。
- 子どもの年齢・性別
- きょうだいの有無
- 子どもの意思
- 実際の養育状況
- 父母も経済力・心身の健康状態
- 育児にかけられる時間
- 育児をサポートしてくれる存在の有無
親権も監護権も取得できそうになければ、せめて有利な条件で面会交流できるよう交渉することをおすすめします。
面会の頻度や内容などを細かく決めておき、合意書も作成しておきましょう。
親権を取れず子どもとともに暮らせなくても、定期的に子どもと面会し交流を続けていけば、子どもの成長を見守れます。
また、簡単ではありませんが、親権者に問題が生じたケースや子どもが親権者の変更を望んでいる場合などは、親権者の変更ができることもあります。
親権者と監護権者を分けるときの注意点
親権者と監護権者を分ける場合、いくつか注意すべきことがあります。
ここでは、親権者と監護権者を分けるときの注意点について解説します。
親権・監護権について理解したうえで分ける
親権・監護権を分ける際は、それぞれの権利義務について正確に理解したうえで実行するようにしましょう。
当たり前のことのようですが、いまいち理解できていないケースは少なくありません。
それぞれがきちんと理解できていれば、たとえば親権者が監護権者に対して、自分に親権があることを理由に「子どもを置いて出ていけ」と言ったり、言われた監護権者が泣く泣く子どもを手放したりといったことは起こらないでしょう。
たしかに権利義務を分ければ、長期にわたっていた親権争いを終結させられる場合があります。
しかし、だからといって「早く離婚するためにとりあえず分ける」ことは、結局子どものためにならない可能性があるためおすすめできません。
分けるなら、親権と監護権がどのような権利義務であるかはもちろんのこと、分けた場合にできること、メリット・デメリットなどをまず理解しましょう。
親権者と監護権者を分けたことについての合意書を作成しておく
親権者と監護権者を分けた場合は、分けたことについて合意書を交わすのがおすすめです。
親権者は戸籍にその旨が記載されますが、監護権者は戸籍に記載されないことから自分が監護権者であることを客観的に証明できないためです。
親権と監護権を分けた証拠がなければ、親権者に「分けた覚えがない」と言われたときに不利になってしまう可能性があります。
なお、合意書には親権・監護権だけでなく、以下の項目も記載するのが一般的です。
- 養育費
- 面会交流
- 財産分与
- 慰謝料
- 年金分割
- 精算条項
合意書を作成する際は、離婚問題に強い弁護士に依頼するとよいでしょう。
話し合いがまとまらない場合は弁護士に相談する
話し合いがまとまらないときは、弁護士に相談しましょう。
親権や監護権を取得するためのアドバイスを受けられるほか、自分に代わって相手と交渉してもらえます。
また、調停や裁判に発展したケースでも、手続きを一任できます。
自分ではうまく主張できなくても、離婚問題に長けた弁護士に依頼すれば少しでも有利になるよう立ち回ってくれるでしょう。
費用が気になる場合でも、「弁護士保険」に加入していれば着手金や報酬金といった弁護士費用を補償してもらえます。
たとえば、弁護士保険に加入しているケースとしていないケースでは、自己負担額に以下のような差が出ます。
▼弁護士に離婚調停を依頼したケース
弁護士保険未加入 | 弁護士保険加入済 (着手金・報酬金が80%補償されるプラン) |
|
---|---|---|
弁護士費用 | 60万円 | 60万円 |
補償額 | 0 | 48万円 |
自己負担額 | 60万円 | 12万円 |
上記はあくまでも一例ですが、このように大きな違いが出る可能性があります。
弁護士保険については、以下のページで詳しく紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
参照:【2025年】弁護士保険を比較 人気ランキングから保険料、補償比較|弁護士保険ステーション トラブル別でおすすめの弁護士保険をご紹介
まとめ
親権と監護権の違いについて解説しました。
「親権」は子どもの財産管理や養育を行う権利義務、「監護権」は親権のうち、子どもを養育する権利義務のことを指します。
親権者と監護権者を分けることは可能ですが、親権者と監護権者は同一人物が努めるべきというのが裁判所の考え方であり、子どもにとって利益があると判断されなければ認められません。
また、親権問題の長期化を防いだり父母が協力して子育てをしやすかったりといったメリットがある一方で、離婚後も元配偶者と密に連絡を取り続けなければならない、法律行為がスムーズにいかない可能性があるなどのデメリットもあります。
親権者と監護権者を分けるなら、それぞれの特徴や分けることのメリット・デメリットを理解したうえで実行するようにしましょう。
夫婦間でもめたり合意書を作成する際は、弁護士に相談することをおすすめします。
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