強要罪になる事例とは?救済を求めるにはどうしたらいい? | 弁護士保険ステーション

強要罪になる事例とは?救済を求めるにはどうしたらいい?

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「脅迫罪」や「恐喝罪」という言葉は聞いたことがあると思いますが、「強要罪」という罪があるのをご存じでしょうか。顧客が店員などに土下座を強要するなどのクレーマーの過激化などが社会問題となる中、注目されている犯罪形態です。

企業は顧客も大事ですが、従業員を守る義務があるため、クレーマーの理不尽な要求に対しては「毅然とした対応をする」というスタンスを取り始めています。一方で、実際にトラブルに巻き込まれた場合、どのように救済を求めればよいのでしょうか。

そこで、今回は強要罪とはどのような犯罪で、具体的にどのような事例で問題となり、どのように救済を求めればよいのかについて解説します。

強要罪とは

強要罪の成立要件

強要罪は、「生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した」場合に成立します(刑法第223条1項)。強要罪に該当する場合には、「3年以下の懲役」に処せられます。

少し長い条文なので、ポイントを解説すると、強要罪が成立するためには、「脅迫」または「暴行」を手段として、人に対して義務のないことを行わせることが必要です。

脅迫とは

脅迫とは、一般人が恐怖を感じるような害悪を告知することです。害悪を告知する対象は、生命、身体、自由、名誉、財産です。たとえば、「言うこと聞かないと殴るぞ」というのが身体に対する害悪の告知になります。通常、このようなことを言われると人は恐怖心を覚えるので脅迫が成立するわけです。

それでは、「言うこと聞かないと殴るぞ」と言われたけれど、言われた人が格闘技の経験者で全然恐怖心を抱かなかった場合は脅迫が成立するでしょうか。結論としては、この場合でも脅迫は成立します。脅迫にあたるかの判断は、年齢、性別、その場の状況などで判断されますが、判例は、「現実に畏怖したことを必要としない」としているからです。

この害悪の告知は、口頭で明示する場合に限られません。文書や態度で示してもよいし、明示しなくても黙示でも相手に伝われば告知になります。たとえば、拳を振り上げて殴る素振りを見せる場合や棒を振り回す行為などです。

暴行とは

刑法上の暴行には、4つのレベルがあります。暴行の程度が軽い順から①最広義、②広義、③狭義、④最狭義となっています。その内、脅迫罪や強要罪の暴行の程度は、「②広義」の暴行と考えられています。

「②広義」の暴行とは、「人に向けられた有形力の行使」を指します。人に向けられていればよく、直接身体に暴行を加えない場合でも認められます。

具体例としては、身体を押すような行為はもちろん、人に向かって物を投げるような行為も含まれるということです。比較的軽い暴行でも恐怖心を抱くことはあるため、強要罪が成立するための暴行の程度は軽く設定されています。

脅迫罪との違い

「強要罪」と同種の犯罪として、「脅迫罪」があります。脅迫罪は、「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨告知して人を脅迫した」場合に成立します(刑法第222条1項)。脅迫罪に該当する場合には、「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」に処せられます。

強要罪との違いは、人に義務のないことを行わせたかどうか、あるいは、権利の行使を妨害したかどうかです。害悪の告知を行い、相手に恐怖心を与えただけ、義務のない行為を行わせたり、権利の行使を妨害したりしなければ、脅迫罪になります。

強要罪となる具体的な事例

土下座をさせる

1つ目の事例としては、クレームを言ってくる客が、従業員に対して土下座をするよう強要することが挙げられます。クレームを言うと共に大声で怒鳴り、従業員や店長に対して恐怖心を与え、義務がないのに土下座をするよう強要する場合、強要罪が成立する可能性があります。

謝罪文を書かせる

従業員に対して謝罪文を書かせるというのもよくある強要の事例です。従業員や店長が口で謝るだけでは納得せず、大声で怒鳴るなどして畏怖させ、義務がないのに謝罪文という形で書面を書くよう強要する行為です。謝罪文を書けば帰ってくれると思い安易に書いてしまうことがありますが、これも強要罪が成立する可能性があります。

代金の返金

商品が本当に不良品なのであれば、「返金をして欲しい」と求めることは正当な権利行使ですが、不良品でない商品について「気にいらないから返金しろ」というのは不当な要求です。また、商品だけでなく、サービスを受けておいて納得がいかないという理由で代金の返金を求めることも不当な請求と言えます。これらの行為を脅迫又は暴行を用いて行えば強要罪になる可能性があります。

 不退去罪や業務妨害罪

クレーマーの中には法律の知識がある人もいるため、脅迫や暴行を手段として用いず、淡々と義務のないことを強要してくる人もいます。そのような場合、強要罪は成立しないので別の犯罪が成立しないか考える必要があります。

たとえば、レジの前に立って土下座するまで帰らないと主張するようなケースです。この場合、退去するよう求めて一定の時間が経過すれば、不退去罪が成立します。ポイントは、退去するよう求めることです。店舗の場合、建物に入ることは包括的同意があるので、退去を求めない限り適法だからです。

また、威力を用いて業務を妨害した場合には、威力業務妨害罪が成立します。威力というのは、人の自由意思を制圧するに足る勢力の使用で、強要罪のところで説明した脅迫や暴行とほぼ同じです。

救済を求める方法

クレーマーに土下座をするよう強要されるなど不当な要求がなされた場合には、直ちに「110番」通報して構いません。警察には、「脅迫を受け土下座するよう強要されている」と伝えれば来てくれます。

ただ、クレーマーは「民事上のトラブルで脅迫はしていない」と反論する可能性があります。そのような場合、警察は事件化したくないため、「民事不介入なので当事者で話し合ってください」と言って帰ろうとするかもしれません。

そう言われた時は、強要罪が成立しないとしても、少なくとも不退去罪は成立しているので、連行して欲しいと頼むとよいでしょう。具体的な犯罪名を言われると警察としても民事不介入として逃げることはできなくなるからです。

それでも警察が対応してくれない場合には、弁護士に相談してください。弁護士に依頼すると弁護士が代わりにクレーマーと交渉してくれます。クレーマーも相手が弁護士となれば、法律の専門家なので不当な要求はしなくなります。

まとめ

今回は、最近増えているモンスタークレーマーなどから受ける不当な要求について、どのように対処すべきかについて解説してきました。考えられる犯罪としては、「脅迫罪」、「強要罪」、「威力業務妨害罪」、「不退去罪」などがあります。

最近の事件としては、アルバイト店員に対して接客の態度が悪いと因縁をつけ、「土下座して謝れ」と怒鳴り、「めちゃくちゃにしたるで。」と脅迫した事例で、懲役8か月の実刑になったものがあります(大津地裁平成27年3月18日判決)。

日本では、「お客様は神様」という文化がありましたが、不当な要求には応じる必要はありません。不当な要求と感じた場合には、すぐに警察や弁護士に相談するようにしてください

この記事を書いた人

伊達諒
伊達諒
日本銀行で金融機関の経営分析、厚生労働省で政策の調査業務、
内閣府で政策企画など経て、フリーライターとなる。
金融、経済、経営、法律、税、会計、ITと幅広い分野での執筆活動をしている。
MBA、CFP、1級FP技能士の資格を保有。

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